寝子中の文化祭を盛り上げろ！｜リアクション

寝子中の文化祭を盛り上げろ！

　さて、教室に連れていかれた翠響が見たものは。
「メイド＆執事カフェ！？」
（両方やっちゃうとはなかなか欲張りな企画ね。確かにメイド喫茶じゃ男子の出番はないだろうけど）
　そんなことを思っているうちに、翠響は女子に引っ張っていかれ当然のようにメイド服を着せられました。
「やっぱりこうなるわけね」
　いかにもコスプレ風で生地はペラペラだけど、まあ可愛いからいいか。
「翠響ちゃん執事のほうが良かった？」
　意外な質問に面食らいつつ答えます。
「……いや、男子にメイド服着て欲しくないしこっちでいいでしょ」
「おー、似合うね！　それじゃさっそく接客お願い！」
　執事服を着た慎之介にトレイを渡された翠響は、入ってきたミーツェに声をかけました。
「お帰りなさいませお嬢様！」
　割とノリノリな翠響の挨拶に、ミーツェはちょっと驚きました。
「ご丁寧にありがとうなのですな。でもここに来たのは初めてなのですな。みつえは、猫座みつえといいますな！」
「えっ？……失礼いたしました。いらっしゃいませみつえ様」
　思いがけない反応にも冷静に接客をこなす翠響です。
「みつえは、ちゅ……こーこーせいなのですなー！　お祭り楽しそうだから来てみたのですな！」
「ご注文は何になさいますか？」
　机に置かれたメニューを見て、ミーツェは迷います。
（うーん？　どんなものなのかわからないですにゃ……）
　ふと隣の席を見ると、なにやら珍しいものを食べている人たちがいます。
「あの、あれと同じのをお願いしますな」
「あんみつですね、かしこまりました」
　調理担当の生徒たちが教室の隅であんみつを盛り付けます。
　
　賑わうカフェに、蒼と紫も入ってきました。
「おかえりなさいませお嬢様！」
「メイドカフェなの？　本格的ね」
　紫がメイドたちを見ながら楽しそうに椅子に座ります。
「蒼も着てみたかったんじゃないの？」
「実行委員長とダンスで忙しかったからそこまでは無理」
　この前着たしね、と思いながら蒼は答えます。
「ご注文はお決まりですか？」
　翠響の問いに、二人はちょっと考えて答えました。
「私はオレンジジュース」
「私はメロンソーダ」
「かしこまりました。オレンジジュースにメロンソーダ！」
　込んできた教室の中を、翠響は両手に一枚ずつ飲み物等が載ったトレイを持ち、見事なバランスで走り回ります。
「すごい、あの子プロみたいね」
　紫も蒼も感心して見とれていました。
（たまにはこういうのも悪くないわね）
　と思いながら、翠響はあんみつをミーツェに届けました。
「お待たせしました。ごゆっくりお召し上がりください」　
「ありがとうなのですな」　
　あんみつの味にもおもてなしにも、ミーツェはとても満足したのでした。

　その後もしばらくお店やステージを見て。
　楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。
「あ、そろそろ閉会式の放送入れなきゃ」
　時計を見て蒼が言い、紫は微笑みました。
「おつかれさま。それじゃ帰るわね」
「うん」

　合唱コンクールの優勝は３年１組となりました。
（さすがに朝練１日だけで優勝は無理か）
　残念がる生徒もいましたが、翠響としてはやるだけのことはやりきった感で、結果を受け止めたのでした。

　終了の音楽が流れ、片付けを始める様子を横目にミーツェは帰ります。　
「楽しかったですにゃー……ですなー！」
　楽しい事するなら、また来てみたいですなー！　と思うのでした。

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あとがき

担当マスター：茄子りんこ
ファンレターはマスターページから！

ご参加ありがとうございました。
寝子中文化祭の通称『ちゅー祭』は、仙藤蒼さんが提案してくださいました。
実行委員長もおつかれさまでした！

皆様のアクションのおかげで、楽しく書かせていただきました。
歴史に残るちゅー祭として大成功だったのではないでしょうか。

それでは、またご縁がありましたらご参加お待ちしております。

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