【星幽塔】第一階層　収穫祭で盛り上がろう！｜リアクション

【星幽塔】第一階層　収穫祭で盛り上がろう！

☆出店とモンスター

　そのころ、仮装行列を見送ったミーツェは、祭り会場を見て回ることにしました。
（ステージ飛び入りも考えたけど、お腹が空いたのですにゃ……）
　食べ物などの出店へ向かいます。
「小麦各種のパンやお菓子もありますにゃね！」
　どれを買おうかと迷っていると、喫茶『迷い猫』と書かれた看板を見つけました。

「祭なので喫茶『迷い猫』も出店だよ」
　白い髪に赤い眼、一見ほしびとにも見える旅鴉月詠は、ミニミキサー持参で出店していました。
「収穫祭だからね。稼ぎ時であるし、単に美味しいもの提供したいだけであるし。あ、果物持ってきたらミキサーしてあげるよ」
　星幽塔にミキサー？　と疑問に思われる向きもあるでしょうが、騎士団のドリンク作りの景品で貰ったもので、星の力で動きます。

　声をかけられたミーツェは、残念ながら果物は持っていません。
「持ってないですにゃ。買ってきたら作ってもらえますかにゃ」
「うちのレシピでいいなら、金剛オレンジとマッスルバニラとデーツをその場でミキサーするよ」
「それでお願いしますにゃ」
「半分くらいの確率で謎の色になるけど味はそのままだから安心して。変な色になったほうが祭らしいだろう？」
「なるほど、そういうものですかにゃ」
　わくわくしながら、ミーツェは動きだしたミキサーの中を見つめます。
「紫になりましたにゃ！」
　不思議なことに、オレンジと紫の色が半分にくっきりと分かれたジュースになりました。
「おいしそうですにゃ。食べ物もありますかにゃ」
「料理は二種類。まず『星幽ベジバーガー』だ。肉は一切入ってないからベジタリアンに買っていってもらいたい」
　足軽小麦のパンにジャックハンバーグ、核熱トマトのスライス、ドラゴンキャベツを挟んだものです。
「おいしそうですにゃー」
「大きめだから腹にもたまる。そしてこれがあればポテトもいかが？　ができる」
　二品目は『炸裂ハッシュポテト』でした。
「これにドリンクもお付けすると、フフフ寝子島の人間に特に効くジャンクな組み合わせ、腹がハッピーセットというやつだフフフ」
「ほんとにハッピーになりそうですにゃ、ハッピーセットくださいにゃ！」
「当店は調理実験をしてるから新しい食材はどんどん持ってきてほしい。クエストも出してる。食材持ってきた者には格安で料理するよ」
　新たな食材を知ることで、より多彩な喫茶メニューにできることを期待する月詠です。

　おいしそうなものを色々買って、ミーツェはご機嫌です。
「いただきますにゃー！」
　食べる場所を探そうとしていたミーツェは、その時近寄って来たモンスターの子供に気づきました。
「さっきの仮装行列の子ですかにゃ？」
　子供達の中でも少し大柄だったその子は、行列から抜け出してきたのでしょうか。
　物欲しそうに食べ物を見ています。
「そこのあなた、後で木の実取りとか手伝ってもらえるなら、少し奢りますにゃ」
「……テツダウ！」
　約束してもらい、ミーツェはモンスターの子にもベジバーガーを買ってあげたのでした。
「おいしいものはみんなで食べるのがハッピーですにゃ」

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