みんなでもぐもぐ☆ガオガオパニック｜リアクション

みんなでもぐもぐ☆ガオガオパニック

☆恐竜とスケッチ

　芸術の秋、旅鴉月詠は恐竜をスケッチしに映画村にやって来ました。
「天高く馬肥ゆる秋……馬肉は美味いぞ」
　屋台でジュラシックなバーガーを見かけ、一個購入。
　そしてさまざまな恐竜たちを眺めます。
「企業スポンサーの手が入ると大がかりな仕掛けも作れてしまう、良いことだ。デザイナーもまた芸術」
　クールにつぶやく月詠。
「まあ、明らかに本物が混じってるのはおいといて。小型恐竜なんて人間にできない姿勢をしてるし」
　本物と見抜きつつ、テオも警告してこないし大丈夫だろう、と判断していました。
　そんな月詠のところへ、恐竜たちが近づいてきました。
「餌が欲しいのか。強い恐竜ほど餌をもらいに来る。押しのけてでも食べに来る」
　3匹の恐竜を前に、月詠は有名な恐竜映画のワンシーンのように、両手を広げて恐竜を制します。
「ステイステイ。奈良公園の鹿状態だな。寛大な私でもスケブは食わせんぞ。これか。これがほしいのか」
　そう言って月詠はジュラシックバーガーを取り出しました。
「流石にレタスだけにしておけ」
　ステゴザウルスにレタスを与え、残ったバンズと肉は小型の肉食竜ラプトルに与えます。
「ほらもうないぞ行った行った」

　恐竜たちが離れていくと、月詠はレストランへ向かいました。
　ここのメニューにもハンバーガーがありましたが。
「バーガー？　別に未練はないのだ」
　月詠はダイナソーなグリルステーキを注文しました。
　圧倒的質量に、溢れる肉汁。
　ジューッ。
　鉄板で焼けた肉から、よだれが出そうないい香りが漂います。
「これで肉食恐竜が食べに来ても困らない。って早速やってきたな」
　近づいてきた肉食恐竜の口に、惜しげもなくステーキを突っ込みます。
「危険生物の研究員てこんな感じであるかな」
　普段着が白衣な月詠、違和感がありません。
「写真も撮っておこう。セイチーズ」

　パシャッ！
　カメラを出し撮影しましたが、小さい恐竜が目を回してしまいました。
「フラッシュ効きすぎたか」

　ゆっくりステーキを堪能した後、月詠はスケッチを始めました。
　鱗の質感をよく見て、鉛筆を倒し濃淡をつけて描いていきます。
「ふむ」
　今度は色鉛筆を取り出し、デフォルメステッカー風に制作していると、ウェイトレスが皿を下げにやってきました。
「ご注文の追加はございますか」
「それでは、再現メニュー『恐竜培養カプセル風エナジードリンク』と『恐竜フィギュア入りチョコエッグ』をもらおうか」
　描ききるまで居座る気満々です。
　やがてやってきたチョコエッグをかじると、トリケラトプスのフィギュアが出てきました。
　それをテーブルに並べておくと、子供がやってきて羨ましそうに見ています。
「おねーさん、カガクシャなの？」
　怪しい研究員風の月詠をいぶかしんでいるようです。
「ふむ、君は何の恐竜が好きかな？」
「ティラノサウルス！」　
「しばし待て」
　怪しむ男の子を待たせると、月詠は色鉛筆でさらさらとティラノサウルスの絵を仕上げ、子供に渡しました。
「すごい！　くれるの？」
　子供は目をキラキラ輝かせます。
「まあ、いただいていいんですか？　ありがとうは？」
　様子を見に来た母親に頭を下げられましたが、月詠は言いました。
「なにただのきまぐれだ」
「ありがとう、カガクシャさん！」
　子供は手を振りながら自分の席に戻っていき、月詠は再びスケッチに戻ったのでした。

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あとがき

担当マスター：茄子りんこ／浅野悠希
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ご参加ありがとうございました。
大変お待たせしました。浅野マスターのリアクションでなくて申し訳ありませんが、代筆をさせていただきました。
ちなみに神魂の影響は夜には消え、恐竜は無事作り物に戻っています。

浅野マスターの素敵なシナリオと皆さまの楽しいアクションのおかげで、楽しくリアクションを書くことができました。
またご縁がありましたらよろしくお願いいたします。

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