みんなでもぐもぐ☆ガオガオパニック｜リアクション

みんなでもぐもぐ☆ガオガオパニック

☆コンピーと一緒

　恐竜の大きな目に睨まれて驚いたものの、スタッフの説明を受けて演出とわかり、水守流は安心しました。
「こういったコラボレストラン、オレは好きだぜ。っつーわけでコラボメニュー制覇めざすぞ！」
　お腹をすかせた流は食べても太りにくい体質のため、がっつり食べる気満々です。　
「よーし、そんじゃ早速コラボメニューいってみよー！」
　美味しそうな再現メニューを眺めていると、色鮮やかなハンバーガーが目に留まりました。
　モニターには食べているシーンをピックアップした映像が流れています。
「お、これはあのシーンで食べてたハンバーガーか、まさかあそこからああなるなんて予想もしなかったよなぁ」
　さっそく注文すると、ジュラシックバーガーはすぐに出てきました。
「うん、美味い！」
　バーガーにかぶりつき、もぐもぐ食べていると。

「おっといかん、パン屑をこぼしてしまった……ん？」
　窓のような枠にはガラスの代わりに鉄柵がはまっていましたが、その外に体長1mほどの小さい恐竜が何匹か寄ってきているのに気づきました。
　流の落としたパン屑に反応し、食べています。
「この小さい恐竜、たしか『コンプソグナトゥス』通称コンピーじゃないか」
　二本足で立ち、長い尻尾を持つ恐竜の姿に、流は見覚えがありました。
「確か映画でもこうして落とした食べ物に群がってたシーンがあったっけな。にしてもよくできてんなー、これってカプギアとかの技術を応用してんのかねぇ？」
　何の気なしに、流はパン屑を食べるコンピーの頭をつついてみましたが、次の瞬間。
「アイタッ！　つつかれた！」
　なんとコンピーが反撃してきました！
「……これって本物？！」
　明らかに、作り物ではない動きでした。
（おっふ、まじかー、これも神魂の影響ってやつか？）
　周囲の様子を伺うと、他の客は気づいていないようです。
　騒ぎにならないよう、心の中でつぶやくにとどめました。
（まあ、みたとこ凶暴なティラノとかは近くにいねーみたいだし、気にしないでコラボメニューの続きを楽しむとすっか）
「コンピーだったらマスコットみたいなもんだし可愛いもんだぜ」

　ハンバーガーは小さ目だったので、まだまだ流のお腹は満足していません。
「お、きたきた」
　恐竜の肉を使って焼き肉をするというシーンを再現した肉がやってきました！
「やっぱ原始肉っぽいイメージの盛り付けはテンションあがるぜぇ！」
　ジューッ！
　熱い鉄板で肉を焼くと、なんともいい匂いが漂い始めます。
「うへへ、いい焼け具合だぜ！　いただきま……げぇ！」
　焼き立ての肉を口元へ運ぼうとした流のフォークから、一瞬で肉が消えていました。
　見れば、長い尻尾が肉と共に柵から外へと戻っていきます。
「コンピーにとられた！」
　尻尾を柵の間から入り込ませ、器用にフォークに絡んで肉を落としたようです。
「ぐぬぬ、小さいからといって侮るなかれだったか……」
　さらに、流は気づいてしまいました。
（心なしかコンピーの数が増えてるような……まさかオレのメシテロジツの効果にひかれてか？！）
　流のろっこん『メシテロジツ』は、周辺の人が流が食べた物と同じ物を猛烈に食べたくなるというものです。
　それは人以外の生物も同様なのでした。
「くっ……まさか映画のシーンの如く肉を守るための戦いが始まる事になるとはな！」
　もう、一切れの肉も渡すまいとする流とコンピーたちの戦いが始まったのでした！

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