みんなでもぐもぐ☆ガオガオパニック｜リアクション

みんなでもぐもぐ☆ガオガオパニック

☆ののこと遭遇

　佐藤英二は、恐竜企画を見に寝子島映画村にやってきました。
　特撮作品が好きな英二は、怪獣映画を見るのも大好きで、恐竜映画はまた違うジャンルですが結構好きなのです。
「おぉ何てリアルな恐竜ロボット！　寝子島映画村の企画は凝ってるなぁ」
　

「さて、お腹も減ってきたし食事しに行こう」
　レストランからは大きな肉食恐竜が見られると聞いて、楽しみが増えた英二です。
　足取り軽くレストランへ向かう途中、見覚えのあるアホ毛が視界に入りました。
「あれ、野々さん？」
　声をかけると、振り返った野々ののこが目を丸くしました。
「ほえー？　英二くん？」
「野々さんも映画村に来てたの？」
「うん、面白くて美味しいイベントがあるって聞いて」
（確かに賑やかな企画だし野々さんも好きそうだよね）
　内心納得しながら、英二は考えました。
（折角だし「一緒にお昼を食べない？」とか誘ってみようかな？）
　すると、ののこのほうが口を開きました。
「ちょうどよかった、一緒にご飯食べようよ」
「うん、喜んで！　それじゃ、行こうか」
（野々さんの楽しそうな様子を見ながらだと、より楽しく食事ができそう）
　レストランに向かいながら、英二は話します。
「野々さんはもう展示は見た？」
「うん、恐竜すごかったね！」
「恐竜ロボットのリアル仕様な感じには思わず感動するよね。これは来た甲斐あったよ」
　英二はこう見えて恐竜についても詳しいのです。
　売店の前を通りかかり、ののこが声を上げました。
「英二くん、あれ！　アニメとかに出てくる形の肉！」
　骨つきの、いかにもマンガに出てくる形の肉が売られていました。
「肉食恐竜用の餌って書いてあるね……買ってみようか」
「うん、買おう！」
　英二とののこはひとつずつマンガ肉を買いました。　
　
「あっ、レストラン、ここだね！」
　アニメ肉を買った後英二とののこはレストランに入り、メニューのサンプルや映像を感心しながら見回しました。
「いろいろあるね……何がいいかな？」
「悩むねー、うーんと、じゃあカレー！」
　カレー好きなののこのぶれなさに、英二は笑みを漏らします。
「インドカレーと普通のカレーライスがあるみたいだね」
「インドのって辛いのかなー？　日本のにしよう！」
　結局二人は、普通のカレーライスを頼んで食べ始めました。
「うん、おいしい！」
　美味しそうにカレーを食べていたののこですが、恐竜の鳴き声にモニターを見上げました。
　モニターには有名な恐竜映画が流れています。
「すごいね！　本物みたい」
　目を輝かせるののこに、英二は恐竜について解説してあげることにしました。　　
「野々さんはこの映画見た？」　
「うーん、見たことない」
「そうか。これはヴェロキラプトルという恐竜で、映画の常連なんだ。映画ではこんなに大きいけど、実際はコヨーテ程度の大きさなんだって」
「へえー、英二くんゴアラだけじゃなく恐竜も詳しいんだねえ」
　感心するののこに、英二はちょっと照れて言いました。
「映画に出てくる恐竜についてはけっこう調べたからね。……あっ、野々さん、窓の外に恐竜が来てるよ」
「うわあ、ほんとだ！　本物みたい！」
「そういえば、この恐竜ロボットは餌食べ機能付きらしいね。さっき買ったマンガ肉（の形をしているけど中身は不明……）な餌を投げてみようかな」
　檻の間を抜けるように、恐竜に向かって投げます。
「えいっ！」　
　ポトン。
　地面に落ちた肉に、恐竜は突進し食べ始めました。
「あたしもやる！」
　パクリ。
　ののこが投げた肉を、檻の向こうにいる恐竜が大きな口でナイスキャッチ！
「すごい、野々さんうまいね！」
　二人は楽しく盛り上がったのでした。

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