携帯戦記カプセルギア　子にゃんこ救出大作戦！｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　子にゃんこ救出大作戦！

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　ゆっくりと行きよりもさらに慎重に翔くんはロープを伝って岸に戻ります。
「あとちょいだ！　頑張れ！」
「ちょっと危ないわよ、龍樹くん！」
　今にも川に飛び込んで迎えに来そうな龍樹くんとそれを押しとどめる蒼さん。
　振り返る余裕こそありませんが、背中には自分を見守ってくれている雪人くんの視線も確かに感じます。
　川岸まで、あと少し――。
「翔、こっちだ！」
　と、龍樹くんがロープを掴んで半身を川に乗り出して手を差し出します。
「……先に子猫達を！」
「お、おう！」
　まずは子猫達を岸へ。
　1匹、2匹、3匹。
　無事に、岸まで届けることができました。
「あとはお前だけだ！」
「ああ！」
　そのとき、ひときわ大きな波が翔くんを襲いました。
「……しまったっ……」
　流れに身をとられ、思わずロープを離してしまった翔くん。
　瞬間、激しい流れが翔くんを一気に押し流そうと猛威を振るいます。
（だめ……か……）
　濁流に意識を飲み込まれようとした、そのときでした。
「……翔！」
　ガッシと翔くんの手を掴んだのは、思わず川に飛び込んでしまった龍樹くんでした。
　そして、そんな龍樹くんのもう片方の手を掴んでいるのは、蒼さん。
　流されそうになった翔くんを川に飛び込んだ龍樹くんの手が掴み、そうして一緒くたに流されそうになった龍樹くんの手を蒼さんが引っ張ったことで、なんとか翔くんは流されずに済んだのでした。
　そうして、翔くんもまた無事に川岸に辿りつくことができました。
「……ありがとう、二人とも。……助かった……」
　無事に川岸に辿り着いた翔くんがお礼を言いますと、龍樹くんは快活に笑い、
「いやー、ざっぱーんって波がきたときはどうなるかと思ったけど皆無事で良かった！」
　と、自分もずぶ濡れなことなど何も気にしていない様子。
「もー、いきなり飛び込むからびっくりしたんだからね！　……でも、皆無事でよかったわ」
と、蒼さんが少し苦笑しながら言います。
　そこに向こう岸から戻ってきた雪人くんも現れまして、
「……ムチャするよね。まあ、そういうのもキライじゃないけどさ」
　と、心配してくれているのか、そうでないのかわからないようなことを言いました。
「……MAKIYUKIもありがとう。アンタの助けがなければ、この子猫達は助けられなかった」
　口元に微笑を浮かべたそのとき、抱いていた子猫のうちの白い一匹が「にゃあ」と小さく鳴きました。
　もしかすると、お礼を言っているのかもしれません。
　ともあれ、こうして小さなギアマスターとそのギアたちの活躍で、子猫たちは無事に救出されて、小さな命を取り留めたのでした。

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