携帯戦記カプセルギア　子にゃんこ救出大作戦！｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　子にゃんこ救出大作戦！

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　事態は一刻を争う状況でした。
　集まった4人のギアマスター達は自己紹介もそこそこに、早速作戦の相談に乗り出します。
「……リット、子猫がいる場所から川岸まで大体どれぐらいだ？」
　鳳城翔くんは、帽子を脱ぎつつ、まずろっこんを使って、相棒の――リット（セイクビリット）に助言を求めます。
『ふむ。およそ数メートルと言ったところか。泳いでいくのは無謀というものだな』
　リットの言葉を翔くんが仲間達に伝えると、彼らはしばし「うーん」と考え込みます。
「なあ、あの小屋の中に何か役に立つものがあるんじゃないか？　たとえばロープとか。鍵がかかっていても、ムテンなら窓から入って開けられると思うし」
　と、白石龍樹くんがまず救出手段を提案しました。
「いいわね。なら、あの野犬どもは私がひきつけるわ」
　と、仙藤蒼さんはそれに賛成しつつ、野犬の対応に名乗りを上げます。
　MAKIYUKIこと牧雪人くんも、能面のような表情のまま頷いて同意。
「ロープを使うのは俺も同意見だ。リット、小屋の偵察を頼む」
　翔くんがリットに命じると、リットは小屋の中にひとっ飛びしてすぐに帰ってきます。
　翔くんは再びろっこんを使用して確認すると、確かに小屋にロープはあるようでした。
「よし！　俺がひとっ走り取ってくる！　ほかに何か必要なものは？」
「後は全員分のタオルがあると嬉しい。できれば、子猫たちの分も」
「ああ、なるほど！　よし、俺とムテンに任せとけ！」
　龍樹くんは小屋に向かって全力でダッシュ。
「じゃあ、私は野犬の相手をしてくるわ。誰か協力してくれる子はいる？」
　次に蒼さんが言うと、リットが協力の意を示すように羽を持ち上げます。
「なら、俺も……」
『いや、野犬は私達がなんとかしよう。SHOとMAKIYUKIは子猫たちの救助を』
　一緒に行こうとする翔くんを制し、リットは蒼さんを支援することを申し出ました。
「ふーん。じゃ、僕もボナパルト２に援護にさせるよ」
　と、雪人くんもボナパルト２を蒼さんに託します。
　カプセルギアは音声操作が可能なので、複雑な指示でなければこのような運用も可能なのです。
「ありがと。じゃ、子猫の方はよろしくね」
　蒼さんは、二人のギアを連れて、野犬の方に移動を開始。
「で、こっちはどうすればいいわけ？」
　と、雪人くん蒼さんの背中を見送りつつ、翔くんに視線を戻して問います。
「俺に考えがある。MAKIYUKIは川の反対側に向かってくれ。俺はロープをこちら側の木にくくりつけて、反対側をリットに頼んでそちらに渡す」
「……で、両岸に繋いだロープを伝って子猫たちを助けるってワケか。なるほど、やるジャン」
　雪人くんが感心したように言えば、
「……実現できなければ意味がない。すぐに始めよう」
　と、翔くんは早速の行動を促します。
「子猫たちは俺が見ておく。念のために訊くが、MAKIYUKIは泳げるんだよな？」
「あったりまえジャン。じゃ、あっちで待ってるから」
　そう言って雪人くんも返事を待たずに駆け出しました。
　そう。事態は一刻を争うのです。
　かくして、子猫の救出作戦が静かにその幕を開けました。

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