激走！　サンマカートＤＸ｜リアクション

激走！　サンマカートＤＸ

☆旧市街コース

　旧市街。
　先頭を調子よく走っていた流ですが。
　突然上から何かが落ちてきました！
　巨大などんぶりに驚く流。
「うお！　空からどんぶりが！　だが、このくらいはなんてこたねぇ！」
　華麗なハンドルさばきで落ちてくるどんぶりをかわします。
「どんぶり？　このくらい楽勝よ」
　流を追いかける蒼も、巨大どんぶりを巧みにすり抜けました。
「きゃっ！？」
　しかし避けた場所の至近距離を、玉ねぎが直撃！
　危うくバランスを崩しかけるも、何とかコントロールしてコースアウトせずに済みました。
「危なかった……」
　その間に、流はさらに先へ進んでいます。
　飛んできたじゃがいもをひらりとかわします。
「野菜の弾道もレースゲームで鍛えたこの腕ならなんのその！」
　しかし、次の瞬間流の顔色が変わりました。
「な、なんだと……！」

　二人から少し遅れて走ってきた美律。
　先の様子が見えるので、不意打ちされることはありません。
「基本的に避けるのが一番みたいね！」
　その時、司会にオレンジ色のものが飛び込んできました。
（早速野菜が飛んできたわ）
　飛んできたニンジンを華麗に避けようと、ハンドルを大胆に切ります！
「きゃう！」
　しかし、勢いあまってスピンしてしまいました。
「う～、目が回るけどコースアウトするよりはマシよっ」

「どんぶりが落ちてきたり、野菜が飛んできたり……なんかお腹が空くなぁー」
　のどかな感想をもらす瑠樹。
「けど、回避できるように運転するよぉ」
　しかし、ハンドルを切るのが一瞬遅く、瑠樹はどんぶりの直撃を受けそうになります。
　次の瞬間。
　ぴょーん！
「避けられそうにないならジャンプするよぉー！」
　ゆるふわペンギン号は、ジャンプボタンで大きくジャンプしました！
　どんぶりを避け無事着地……しましたが。
　ぽよんぽよん。
　バウンドしてしまい、通常走行に戻るのに若干時間がかかるのでした。

　流の顔色を変えさせたものとは。
　ピヨピヨピヨ。
　道路を横断するおさんぽひよこの群れでした！
「ひよこはひけねぇ！　くっ！　リアルに見えるだけにつっこみにくい！」
　減速せざるを得ない流。
　それは蒼も同じでした。
「か、可愛い……でも、群れと言っても一塊で来ているわけではないわ。何とか隙間を見つけて……」
　コケッ。
　一匹のひよこが転び、一瞬行列がそこだけストップしました。
「今だ！」
　その隙を見逃さず、蒼は轢かないようにしてすり抜けることに成功したのでした。
　流も、少し遅れて後を追います。

「わぁ、ひよこだぁー！」
　しばらくしてからやってきた瑠樹は歓声を上げました。
「可愛い……けど危ないよぉー！」
　戸惑った瑠樹ですが、こんなときはあのボタン。
　ひよこがいない所めがけて、ジャーンプ！　
「ひよこさん、またなぁー」
　名残惜しいけれど、先へ進むのでした。

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