携帯戦記カプセルギア　不良だって、カプギアしたい！｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　不良だって、カプギアしたい！

○Diablo Azul　ＶＳ　ニボシサムライ

　桐子と味噌の戦いが始まったとき、仙藤蒼はたまたま公園の近所を通りがかりました。
「何やら騒がしいわね」
　近づいてみると、見るからに不良、という感じの高校生がドヤ顔で公園を占拠しているようです。
「何あれ……カプギアで遊んでる？」
（小学生相手にイキるとはなんと情けない）
　そう思って見ていると、気配を感じたのか、不良どもがこちらをにらみつけてきました。
（いや、睨むというより……何エロい目で見てるのよ、こいつ）
　中学三年生の可憐な美少女である蒼を見て、モヒカン男は手に持ったエロ本のことなど忘れてしまったようです。
「くくく……ガキばかりと思ったが、けっこうマブいのがいるじゃねえか。ぐへへへ～」
　モヒカン男がこちらをいやらしい目でジロジロと見ているので、蒼は睨みつけてやりました。
　それから、すでに始まっているカプギアバトルの様子を見ます。
（意外にカプギアについて詳しそうね。それなりに強いと見た。ならばこちらもそれ相応に対処しないと）

　その時、モヒカン男が蒼のシャツから覗く肌をジロジロ見ながら近づいてきました。
「ぐへへへ。おねえちゃん、俺と茶でもしばこうぜえ」
（こいつさっきからエロい目で……気に入らない。コテンパンにしてやるわ）
　睨みつけながら蒼は答えます。
「お断りよ。どうせならカプギアで戦いましょ」
「ぐへへへ。いいね、やろうぜ～。俺の歩いたあとには女ども……そう、俺が東凶醤油（とうきょうしょうゆ）だ！」
　聞きたくもない名乗りを上げた醤油に、仕方なく蒼は名乗ります。
「私はカプギアマスターAOI。タイマン勝負しましょ！」
「くくく……威勢のいい女は大好きだぜえ、泣かしてやるよ」
　醤油は準備をしながらもニヤニヤと蒼を見つめるのでした。

「ニボシサムライの刀はよく切れるぜ～。いくぜ！」
　蒼は刀を構えた相手のカプギアを観察します。
（両刀使いね。確かに良く切れそう。剣術の心得もあるのかしら？　まずは間合いを十分に図りつつ敵の動きを見切ろう）　
　蒼のカプギアは『Diablo Azul』。
　両肩に装着した中距離用無反動キャノン砲で、敵に対して牽制射撃します。
　ズドーン！
　ですがニボシサムライは、それを避けてこちらへ向かってきました！
「ぐへへ、ニボシソードを食らえ！」
（一撃で当てる必要はないわ。想定内ね）
　蒼は敵の出方を読み、戦術を見極めた上で、それらに対する対応策を瞬時に組み立てます。
　Diablo Azulは近づいてくるニボシサムライから離れ、さらにキャノン砲を撃ち込みました。
　ズガーン！
「くくく……キャノンは強力だが、次に撃つまでには時間がかかるだろ？」
　ギリギリでかわし、してやったりとニヤニヤする醤油ですが。
「あいにくね。こっちは連射可能なのよ」
　蒼は笑みを浮かべてニボシサムライに照準を合わせるのでした。
「な、何イ！」
　ズバーン！
　ついにニボシサムライは、キャノン砲に捉えられたのでした。

　

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