寝子島ご当地ラーメンを作ろう！｜リアクション

寝子島ご当地ラーメンを作ろう！

【心もお腹も懐も満たされました】

　タルトに誘われた『ベーコン＆レタス』、『ラーメンに小細工はいらねぇ！』の後、遠海はイケメンを探しに行った彼女と別行動で、ラーメンを食べることに集中していた。
　まずは、ネギの千切りが豚骨スープを埋めつくす、豚の角煮ラーメン。
　次に、鳥白湯スープに山椒、ホアジャオ、唐辛子の辛いラーメンを牛乳を飲みながら。
　目先を変えて、アサリ出汁の冷たいラーメンを鳥チャーシューとレモンと一緒に。
　醤油に戻り、苦み走った煮干しとゲンコツのスープを味わい、たっぷりメンマに舌鼓。　

　ふと気がつくと、もうレースの始まる時間が迫っている。
　遠海は猫舌なので、もう一杯なんて言っていられないと、レースの参加受付に急いだ。

「楡宮ちゃん、こっちこっちー」
「響さん！　イケメンの方はどうだった？」
「良かった～！　目の保養になったよ～。楡宮ちゃんは？」
「あの後４杯食べたよ。レースで腹ごなししたら、もっと食べたいなぁ」
　遠海はぱっと見華奢な方なのだが、どこに食べ物が収まっているのかとタルトは首を傾げた。

　見た目も重さも本物そっくりに再現した模型味玉を、お玉に乗せて５０ｍを走りきるというのが、味玉運びレースだ。
　落としても食べ物が無駄になることはないが、選手としては失格になってしまう。
　小さなお玉に乗せて、バランスを保ったまま走るのはなかなか難しい。
　一方、ラーメン丼バランス選手権は、両手の上に細長い板を乗せ、その上にシャンパンタワーのように丼を積み重ねていく耐久勝負である。

「ふぅぅ……～」
　落とさないよう慎重に走った遠海は、２位でゴールという位置に着けていた。タルトは僅差の３位である。

（丼の方も好成績を残したい……！）
　３０人ほどの参加者が次々と脱落していく中、脚立に乗ったスタッフが丼を重ねていくのを見つつ、そんな事を思っていると。
「あっ！」
　音を立てて丼が落ちてしまった。
「おっと、楡宮選手、ここで脱落です！」
　バランス選手権では二人とも入賞は叶わなかったが、味玉運びレースでは表彰を受け、参道商店街の商品券も貰えた。
　満足した遠海は、タルトと健闘をたたえ合い、ハイタッチをしたのだった。

　夜も更け。
「この情熱を早く形にしたいの！」と言って寮に帰るタルトを見送り。
　野菜たっぷりの味噌ラーメンをすする遠海は、聞こえてきた放送に衝撃を受けた。
「皆様、ただいま１９時となりました。１９：３０にはラストオーダー、２０時にはラーメンフェスティバルを終了させていただきます。本日はご来場頂き、まことにありがとうございました」
「え、もう終わりなの？　まだ物足りないんだけど……」

　それから、遠海は何とか１０店舗全て実食に成功し。
　流は接客と後片付けに追われつつ、売り上げを計算してにんまり。
　タルトは寮の部屋で情熱を紙とペンに注ぎ込んだ。

　こうして、それぞれのラーメンフェスティバルは大成功のうちに終わりを告げたのだった。

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あとがき

担当マスター：陣杏里
ファンレターはマスターページから！

こんにちは、陣　杏里です。

皆様はラーメンはお好きでしょうか？
わたくしは、このリアクションを書いている最中、資料のラーメンガイドブックのラーメンを
食べたくなって困りました。　背脂チャッチャ系ラーメンが食べたいです。
帰還一回目のシナリオにご参加いただいた方、お読み下さった方、ありがとうございました。

皆様に楽しんで頂ければ幸いです。
陣　杏里でした。

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