寝子島ご当地ラーメンを作ろう！｜リアクション

寝子島ご当地ラーメンを作ろう！

【求めよ、さらば与えられん（その１）】

「うぅ……会場はどこだろう……」

　楡宮遠海は途方に暮れていた。
　ねこったーでラーメンフェスティバルを知った彼女は、これは行かねばならぬと意気込んで自宅を出た。

　――しかし！

　方向音痴が災いし、遠海は完全に迷走していた。会場は魚市場なのだから海の傍のはずなのに、一向に青が見えない。

「うーん、おかしいなぁ……こっちでいいはずなのに……」
　仕方なく立ち止まり、地図をぐるぐる回し始めた。
「うー、後３０分で始まっちゃう」
　暑いし、会場は見つからないし、時間は迫るしで、遠海の頭もぐるぐる回り始めた、その時。
「ふー、楽しみだなぁ。ＢＬラーメン、誰か作ってくれるといいんだけど」
「はっ？」
　遠海の前に、曲がり角を曲がって、フェスティバルのチラシを持った少女が現れた。

（チラシを持って、ラーメンの話をしているという事は……この人について行けば、会場に行ける！）

　ならば声をかけるしかない！　と、遠海は息を吸った。
「あ、あの！　もしかして　ラーメンフェスティバルに行かれる方ですか？」
「ん？　うん、そうだよ。これから行くところ。キミもそうなら、一緒にどう？」
「よ、よろこんでー！」

　こうして、遠海は迷って会場にたどり着けないというピンチから脱出した。
　響タルトという救世主によって。

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