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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
夏の終わりは怪談とともに
ある日の夕暮れ、水上 桜は水泳部の練習を終えて桜花寮へ帰宅中、ふと壁に貼られている張り紙を見た。『求む！ 退治人！』
「退治人？」
何やら嫌な予感しかしない。
と、その時。視界が歪み、片頭痛のような痛みに襲われた。ぐらぐらとめまいがして気分が悪くなったのでその場にしゃがみ込む。
体調不良自体はものの数分でおさまったのだが。
「……どこ！？」
目を開けて立ち上がった桜は見慣れない空間にいた。しかし、見覚えはある。
そこは夕焼けに染まる小学校の女子トイレだったのだ。
ふと背後に気配を感じ、振り返る。
「ひっ」
思わず、息を飲み込んで、喉の奥から妙な声が漏れた。
奥の個室から顔を出していたのは、血まみれの女の子だったのだ。胸元に『花子』と書かれたネームバッヂをつけている。
それは鮮血を滴らせながら、ゆっくりと個室から出て来た。
桜はその様子を見届けずに、背中を向けて駆け出していた。
『求む！ 退治人！』
その張り紙を見た響 蒼留人は、その依頼を受ける決意した。
「これも修行だ。やってやるぜ」
碧留人は野球ボールと竹刀を持参し、夜の学校へと足を踏み入れた。
「真っ暗だな」
廊下を照らすのは非常灯のみだ。
碧留人はとりあえず、近くの階段を上がってみることにした。すると、
「お？」
階段を上り切ったそばの教室の戸が少しだけ開いていたのだ。そっと近づいて中を覗くと、微かに薬品の臭いがした。暗闇に慣れてきた目を細める。実験台や器具などの様子から、理科室のようだ。
「誰も、いないな」
どうやらただの閉め忘れのようだ。
と、その時。
「ん？」
教室の奥で動くものが。目を凝らしてみると、
「なっ」
それは、内臓が丸出しにされた人形。つまりは人体模型だった。両手には縄を持っており、ぎょろりとした目玉が動き、口元が笑みで歪んだ。
背筋に走る悪寒に、蒼留人は絶句してしまった。
『求む！ 退治人！』そんな張り紙を見つけた虚栄 心は、その依頼を受けることにした。相手は人間ではないが、ひとの形をしている。心置きなく、ボコボコにして優越感に浸れそうだ。
心はショルダーバックに電気チェーンソーをしまい込み、小学校に乗り込んだ。
階段を上り、二階へ着いたところではっとした。丁度階段のそばの教室のドアが開いていたのだ。ルームプレートを見ると、理科室とある。
「ここね？」
バックからチェーンソーを取り出した所で、人の気配がした。
「！」
顔を上げると、理科室の戸の隙間から無機質な硝子玉のような目が心を見ていた。
「来たわねっ」
チェーンソーを構えた。ブルルウオンッという独特のエンジン音が廊下に響き渡る。
「バラッバラにしてあげるわっ」
心は口元に歪んだ笑みを浮かべた。
楠木 ゆきのと東条 あんずは妙な張り紙を見た瞬間に、小学校の昇降口に立っていた。いつも通っているはずのそこは夜の闇のせいか、どこか別の場所のように見えた。
「ここ……どこ……」
ゆきのが辺りを見回すと、例の貼り紙がそこら中に貼られていた。
「……？ 張り紙、貼ってある。……なんて？ ……扉……開かない、ね」
「張り紙ー？なになに？えっと……『求む！退治人！』……？ よく分かんないけどかいだん……？ を退治すればいいんだな！ きっとそのかいだんって奴を倒せば開くようになるよ！ じゃー倒しに行くぞー！」
「え、え……。ま、待ってあんず」
探検隊のごとく階段を上り出したあんず、ゆきのは彼女の腕にしがみついた。
「怖がりだなー、ゆきのは」
あんずは笑いながらゆきのの頭を撫でた。
二階を通りすぎ、三階へ着いたところで、ゆきのが天井を見上げた。
「ねえ……あんず……ピアノ……聞こえない？ 音楽室……かな……」
「ん？ ……お、ほんとだ」
三階には音楽室がある。そこのピアノのようだ。
「じゃあ、音楽室からだな！」
三階通路を移動して、戸の前に立つ。
「やっぱり……ここ……」
普段は鍵がしまっているはずだが、今回はすんなりと開いた。
「しつれーしまーす！！」
「……あ、ちょっと……勝手に戸、開けないで。迂闊」
しかし、ピアノのそばには、
「……誰もいない？ でも…音、したのに…どうして？」
「最近のピアノは自動演奏ってやつが付いてるって聞いたことあるぞ！ だから、きっとそれじゃないかー？」
そう言いつつ、ピアノへと歩み寄る。
と、その時。鍵盤が鋭い牙のように変化し、あんずの手を噛もうとした。
「っわあーーー！！？！？」
寸前で手を引っ込めたので回避出来たが、尻餅をついてしまった。
「あ、あんず」
ゆきのが助け起こす。と、ピアノの方へ視線を向けると、牙の生えたそれは、宙に浮かんでいた。
「退治人？」
何やら嫌な予感しかしない。
と、その時。視界が歪み、片頭痛のような痛みに襲われた。ぐらぐらとめまいがして気分が悪くなったのでその場にしゃがみ込む。
体調不良自体はものの数分でおさまったのだが。
「……どこ！？」
目を開けて立ち上がった桜は見慣れない空間にいた。しかし、見覚えはある。
そこは夕焼けに染まる小学校の女子トイレだったのだ。
ふと背後に気配を感じ、振り返る。
「ひっ」
思わず、息を飲み込んで、喉の奥から妙な声が漏れた。
奥の個室から顔を出していたのは、血まみれの女の子だったのだ。胸元に『花子』と書かれたネームバッヂをつけている。
それは鮮血を滴らせながら、ゆっくりと個室から出て来た。
桜はその様子を見届けずに、背中を向けて駆け出していた。
『求む！ 退治人！』
その張り紙を見た響 蒼留人は、その依頼を受ける決意した。
「これも修行だ。やってやるぜ」
碧留人は野球ボールと竹刀を持参し、夜の学校へと足を踏み入れた。
「真っ暗だな」
廊下を照らすのは非常灯のみだ。
碧留人はとりあえず、近くの階段を上がってみることにした。すると、
「お？」
階段を上り切ったそばの教室の戸が少しだけ開いていたのだ。そっと近づいて中を覗くと、微かに薬品の臭いがした。暗闇に慣れてきた目を細める。実験台や器具などの様子から、理科室のようだ。
「誰も、いないな」
どうやらただの閉め忘れのようだ。
と、その時。
「ん？」
教室の奥で動くものが。目を凝らしてみると、
「なっ」
それは、内臓が丸出しにされた人形。つまりは人体模型だった。両手には縄を持っており、ぎょろりとした目玉が動き、口元が笑みで歪んだ。
背筋に走る悪寒に、蒼留人は絶句してしまった。
『求む！ 退治人！』そんな張り紙を見つけた虚栄 心は、その依頼を受けることにした。相手は人間ではないが、ひとの形をしている。心置きなく、ボコボコにして優越感に浸れそうだ。
心はショルダーバックに電気チェーンソーをしまい込み、小学校に乗り込んだ。
階段を上り、二階へ着いたところではっとした。丁度階段のそばの教室のドアが開いていたのだ。ルームプレートを見ると、理科室とある。
「ここね？」
バックからチェーンソーを取り出した所で、人の気配がした。
「！」
顔を上げると、理科室の戸の隙間から無機質な硝子玉のような目が心を見ていた。
「来たわねっ」
チェーンソーを構えた。ブルルウオンッという独特のエンジン音が廊下に響き渡る。
「バラッバラにしてあげるわっ」
心は口元に歪んだ笑みを浮かべた。
楠木 ゆきのと東条 あんずは妙な張り紙を見た瞬間に、小学校の昇降口に立っていた。いつも通っているはずのそこは夜の闇のせいか、どこか別の場所のように見えた。
「ここ……どこ……」
ゆきのが辺りを見回すと、例の貼り紙がそこら中に貼られていた。
「……？ 張り紙、貼ってある。……なんて？ ……扉……開かない、ね」
「張り紙ー？なになに？えっと……『求む！退治人！』……？ よく分かんないけどかいだん……？ を退治すればいいんだな！ きっとそのかいだんって奴を倒せば開くようになるよ！ じゃー倒しに行くぞー！」
「え、え……。ま、待ってあんず」
探検隊のごとく階段を上り出したあんず、ゆきのは彼女の腕にしがみついた。
「怖がりだなー、ゆきのは」
あんずは笑いながらゆきのの頭を撫でた。
二階を通りすぎ、三階へ着いたところで、ゆきのが天井を見上げた。
「ねえ……あんず……ピアノ……聞こえない？ 音楽室……かな……」
「ん？ ……お、ほんとだ」
三階には音楽室がある。そこのピアノのようだ。
「じゃあ、音楽室からだな！」
三階通路を移動して、戸の前に立つ。
「やっぱり……ここ……」
普段は鍵がしまっているはずだが、今回はすんなりと開いた。
「しつれーしまーす！！」
「……あ、ちょっと……勝手に戸、開けないで。迂闊」
しかし、ピアノのそばには、
「……誰もいない？ でも…音、したのに…どうして？」
「最近のピアノは自動演奏ってやつが付いてるって聞いたことあるぞ！ だから、きっとそれじゃないかー？」
そう言いつつ、ピアノへと歩み寄る。
と、その時。鍵盤が鋭い牙のように変化し、あんずの手を噛もうとした。
「っわあーーー！！？！？」
寸前で手を引っ込めたので回避出来たが、尻餅をついてしまった。
「あ、あんず」
ゆきのが助け起こす。と、ピアノの方へ視線を向けると、牙の生えたそれは、宙に浮かんでいた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2019年05月24日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年05月31日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2019年05月31日 11時00分
