【星幽塔】第一階層　コボルトの真実｜リアクション

【星幽塔】第一階層　コボルトの真実

【部屋Ｄ……の前に】

　樹と夏朝は、ちょうどくぼみと合わせて十字路になっている地点で、慌てて逃げてくるコボルト2体と戦っていた。
　といっても、慌てているようでさしたる苦労もなく倒せてしまう。
「……ひょっとして向こうの部屋で何か起こっている？」
「そうなの？」
　2人は顔を見合わせると、ゆっくりと部屋に進んでいく。
　そこには、ウーズを捕まえようと立ち回っている瓢（変身解除済み）がいた。
「「あれ？」」
「骨削君？」
　2人の疑問をよそに、瓢は2人の同情を誘うようにセリフを積み重ねていく。
「いや、かーさ嬢。実は。あっしは魔法使いを助けようとして先に潜んでいたら、捕まっちまいまして……」
　瓢が言うには、そこでウーズなる珍しいやつがいたので、捕まえてギルドに届けようとしたということだ。
　結果論から言うと、樹に凍らされたウーズはあっさり回収された。
　夏朝は、いろいろと語る瓢を警戒してみていたが今となっては分からないだろう。
　瓢もあとは自分の弁舌次第でウーズは獲得できると踏んでいた。
　ともあれ、部屋Ｄはこのあといろいろと調べられ、特にお宝がないことが判明するのであった。
（ここまでもう到達しているということは、コボルトシャーマンは討伐対象になっているということかい。とすれば、これ以上何かすると目線があるからリスクがあるねぇ。ここはおとなしくしとこうかね）

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