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プリンに溺れる子猫を救え!
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●みんなで猫を助けよう!
さて、時は十分ほど巻き戻る。
このプリン化ロードに最初に気付き、巻き込まれたのは猫を愛する少女・夏朝であった。
いつもの通り、猫さん散策のために道を歩いていたら、いきなり、足が、ずぶずぶと沈んでいったのだ。
辺りには、みゃあみゃあ鳴く子猫たちが、小さな口を大きく開けて、プリン化した地面の中で溺れている。
今にも、口の中にプリンが入ってしまいそうだ。
「人間用の! プリンは! だめー!」
夏朝は、手提げ鞄を、思い切り遠くへ投げると、常に持ち歩いている猫シールを、自分の頬にぺたりと貼った。
ふわり、ろっこんで、体重が軽くなる。
「よし、これで沈むの遅くなった……猫さんっ」
人間の食べ物は、猫にとっては毒となりえる。人には美味しいプリンも、然り。
夏朝は周囲のことを構う余裕もなく、目の前の猫に手を伸ばした。
そして、十数分後。
他のメンバーが到着した、というわけである。
※
「蒼、上着を脱いでこの子を包んで!」
プリン化地面、子猫の前で、紫が鋭い声を出した。
その手のひらの上には、小さな手足を動かして、にあにあ動く愛らしい猫。
蒼はとっさにパーカーを脱ぎ、受け取った猫をそっと包んだ。
あらわになった肩が少々ひんやりしたが、そんなことを言っているときではない。
「その子、安全なところに連れていける?」
「でもこっちにもいるわ、お姉ちゃん!」
蒼と紫は、顔を見合わせた。
見つけたのだ、助けなければならない。
だがこの間にも、身体はどんどん、プリンの中に沈んでいる……。
食べたら美味しいだろう濃厚なプリンは、足に胸にと絡みつき、動きづらいことこの上ない。
蒼は猫を持った両手を高く上げ、この子を置ける場所はないか、あたりを見回した。
「あ、段ボールが浮いているわ」
紫が蒼を振り返る。
「人がのるのは難しくても、猫なら大丈夫かもしれないわね……。私がこっちの子を助けるから、蒼、あの段ボールの上に、この子をのせてあげて」
「わかったわ」
「ちょっと、これって大変じゃない!」
プリンに溺れる子猫に、遠海は目を見開いた。
自分がプリンロードに埋まっていることよりも、命がかかっている子猫の方が重大だ。
彼女は、いっきに身体が沈まないよう、静かに足を動かして、手近な猫に手を伸ばした。
「うみゃっ!」
怯えているらしい猫の猫パンチが、手のひらに当たる。
楽器演奏を特技とする遠海にとって、手は大切なところである。
でも彼女は、あえて避けずにそれを受け止め、同時に猫をすくいあげた。
ただ、プリンにまみれた足は、だんだん動かしにくくなってきている。
(これじゃあ、もう歩いて安全な場所に運んであげるのは難しいわね……だったら)
「ごめんね、行って!」
遠海は、抱いた猫を、未だ硬い道の上へと放った。
普段、もっと高いところから飛び降りても平気な猫ならば、問題ないと思ったのだ。
案の定、猫は上手に着地して、とたとたと歩いていく。
「良かった……」
遠海は、まろやかな猫の背と、揺れる尻尾に安堵の息をついた。
夏朝は、やっと捕まえた一匹を抱きあげて、プリンにういていた短ボールにのせたところだ。
「みゃっ」
ふわふわの毛並みから甘い香りを漂わせた猫が、夏朝を見上げる。
「よしよし、大人しくしてるんだよ」
頭を撫ぜてから、辺りを見回した。
「他の子も助けてあげなくちゃ」
軽くなった身体が沈んでいるのは、足首よりちょっと上のあたりまで。
夏朝は、ざぶざぶと子猫に近寄っていった――が。
「プリンが揺れて、猫さんにかかりそう……」
たとえちょっとでも、顔にかかってしまっては大変と、足を動かすスピードが遅くなる。
そこに。
ずばしゅーん!!
「……えっ?」
突然、ヘッドスライディングで滑り込んでいた美咲紀に、夏朝は目を瞬いた。
だが美咲紀は夏朝には構わず。
手に持ったタオルのハンカチで、溺れかけている猫を包み、抱きあげた。
「ああ、無事でよかったです」
そう言いながら、猫の毛を拭いていく美咲紀。
だが彼女の顔面も手足も服も、プリンまみれのぐちゃぐちゃだ。
「あ、椿さん、大丈夫……?」
美咲紀のプリンが飛んだ顔を、夏朝がプリンのついていない服の袖で、そっと拭く。
「恵御納さん! 私は大丈夫、ありがとうございますっ」
美咲紀は元気に答えて、段ボールの上に、そっと猫を下ろした。
「ふふ、もう安心なのですよ―」
そう言って、そっと子猫の背を撫ぜる。
しかしその間も、彼女の体は、プリンに沈み続けている――。
そこで夏朝は、はたと気づいた。
むしろ、いままでどうして気づかなかったのか。
「椿さん、これ……」
夏朝は、美咲紀の手に、猫シールをぺたりと貼った。
一瞬、ふわり、浮かんだ美咲紀の体。
「あ、沈むのが遅くなったみたい……? 恵御納さん、ありがとうなのです!」
「ううん、気づくの遅れて、ごめんね」
夏朝はそう言ってから、周囲に目を向けた。
今まで猫に夢中でわからなかったが、見知った顔も何人か。
「みんなに猫シール貼れば、みんなで猫さん助けられるよね」
夏朝は、ポケットから猫シールを取り出した。
蒼と紫は、プリン化ロードにずぶずぶと沈んでいた足が止まったことに驚いた。
「えっ、なんで……って、お姉ちゃん、猫のシールが腕についてるわよ」
「恵御納さんね。良かったわ。これで落ち着いて、猫を安全な場所に運べるもの」
しかしそう言ったものの、二人の体はすでに、相当プリンに埋まってしまっている。
いくら猫は段ボールの上とは言っても、この泥沼状態の中を進むのは、なかなかに困難だ。
それを手伝ってくれたのが、遠海である。
彼女は二人の隣に並び、段ボールにそっと手を添えた。
「手伝うわ」
「ありがとう」
蒼と紫、遠海の三人で、猫をのせて、プリンに浮かぶ段ボールをぐいと押す。
自分のろっこんで、みんなの体が軽くなり、プリンに埋まるスピードが明らかに遅くなったことを、夏朝は嬉しく思っていた。
もしこれを直接猫につけられれば、もっと安心できるだろう。
しかしチャレンジしたが、これがなかなか難しい。
対象が小さい上に、猫が暴れているからだ。
「やっぱり、みんなで早く助けるしかない……」
そんなとき、夏朝の耳に、「みっ……」と消え入りそうな声が届いた。
きょろり、あたりを見て見るけれど、この子かと思えるような子はいない。
(あんなに小さな声が聞こえたってことは、近くにいるはずなのに……)
「どこにいるの、猫さん……」
夏朝はプリンの中に、肩のあたりまで腕を突っ込んで、やわらかな地面をかき混ぜるように、もぞもぞと猫を探しはじめた。
――と、数メートル先に、定規が落ちていることに気づく。
見ればさらに少し先には、シャープペンシルが浮いていた。
「誰かの落し物……?」
夏朝が首を傾げる。
そこに、聞き覚えのある声が届いた。
「文房具が浮いている辺りに猫が沈んでる。溺死前に助けてくれ!」
「八神君! わかったよ」
夏朝は深く息を吸い込むと、ためらいもせずに、プリンの中にばしゃりともぐりこんだ。
(このあたり……どこかに、猫さんがいるんだ……)
とはいっても、水が透明なプールならいざ知らず、このプリンの海では視界がきかない。
ぎゅっと目をつぶったまま、腕だけを動かして、感覚で猫を探す。
(猫さん、どこ……早くしないと……っ!)
焦った夏朝の手に、柔らかく温かな毛並みが触れた。
(いたっ!)
すっかり大人しくなっている子猫を抱いたまま、ぷはっとプリンから顔を出す。
「猫さんっ!」
腕の中の毛むくじゃらを優しく揺らすと、猫は顔を上げて、「みゃあ……」と鳴いた。
「生きてる……」
ほっと安心したのもつかの間、この子をのせて置ける段ボールは近くにない。
「……少し、我慢してね」
夏朝は、自分の頭の上にたまったプリンを払って、そこにちょこんと猫をのせた。
「よかった……」
塀の上から夏朝と助かった猫を見下ろし、修はほうっと息を吐いた。
上から見ると、あちこちに、猫がいるのがよくわかった。
みんなはプリンに体を沈めたまま、段ボールを押したり引いたりして、なんとか猫を助けようと頑張っている。
でもプリンに沈んだ体で移動させるのは、なかなかに難しいようだ。
だがその段ボールの上を、場所によってはプリンの上を、軽やかに飛び跳ねていく者があった。
ろっこんで猫になったタルトである。
「にゃにゃー(プリンに飛び込まないでね。こっちが安全だよ、僕についてきてー)」
タルトは、猫にそう声をかけ、プリンにまみれた子達を引率していった。
不安定な足場に怯えている子もいるけれど、みんな、うみゃうみゃと後についていく。
(うん、これなら安全なところまでいける)
一度振り返った顔を前に向けると、マーガレットがタオルを手に待っていた。
(猫たちを拭いてくれるってことかな)
「みゃああ、みゃっ(あとすこしだよ、頑張って)」
タルトは猫に告げると、とん、と段ボール蹴ってジャンプをした。
「おかえりなさい。……ほんと、不思議なこともあるものですね」
マーガレットは、タルト猫が連れてきた仔猫を、抱きあげた。
傍らには、それぞれが見つけた猫を助けると同時に、脱出してきたメンバーがいる。
「えっと、これでみんな助かったんでしょうか」
茶トラの子の頭を撫ぜながら、未だプリンのままの道を見るマーガレット。
すると。
「まだここにいるぜ!」
どこからか声が聞こえた。
「えっ、どこに……?」
「僕、見つけた人は全員、猫シール投げたんだけど……」
夏朝が、申し訳なさそうに口にする。
「あれが飛んで来たら、体が沈まなくなったの」
「助かったわ」
仙藤姉妹、揃っての言葉に、夏朝がはにかんだ。
その間にも、マーガレットとタルトと美咲紀、遠海は、きょろきょろと声の出所を探している。
声の主は、胸のあたりまでプリンに埋めたまま、手のひらだけを、みんなに見せていた流であった。
彼はみんなからちょうど死角になる位置にいたため、夏朝からも見えず、沈みかけることになってしまったのだ。
それでも。
「ほら、猫、行けっ!」
流は、器用に猫を、段ボールの上に放り投げた。
「みあっ」
「あっ、猫が出てきた!」
誰かの声が聞こえて。
「あそこだ、男子がいる!」
修がやっと、流を見つけてくれた。
猫は、再び段ボールの上をやって来たタルトが、安全な路上へと導かれて行った。
しかし流の状況は、猫とは正反対。
「へへ……あとは任せたぜ……」
まるでその言葉が合図であったかのように、ずぶずぶと、プリンロードに沈んでいく。
仲間の様子も、行ってしまった猫の様子もわからない。
(俺はこのまま、プリンの海で朽ちるのか……)
ぼんやりとそんなことを思いながら、青い空を見上げた、そのとき。
柔らかなプリンを踏んでいたはずのつま先が、硬いものに触れ、プリンの中での動きがとまった。
「あ、底があったみたいだな……助かったぜ」
とはいっても、ここまで埋まってしまうと、自分だけの力で脱出するのは無理だ。
「しかたない。周りのプリン食って助けをまつか……」
誰がいるかは見えないが、苦労して共に猫を助けた仲間。
きっと助けてくれるだろう。
そうでなくとも、メシテロジツを発動すれば、プリン食べにいろんな何かがきて、掘り起こしてくれるかもしれない。
「って、相手もプリンに埋まるのがオチか……? 助けを待つか、発動するか悩ましいな……」
流はとりあえず、すぐ近くにある茶と黄の混じった海に唇をつけ、甘いプリンを口に入れたのだった。
修は助かった猫の周りに集まり、流救出の作戦を練る人々をよそに、プリンの海に目を凝らしていた。
彼がプリンの海に到着したときには、すでに人も猫も、そこにいた。
だからもともと、猫が何匹いたのか、わからない。
まだこの中に、沈んでいる可能性だってあるのだ。
「文房具を投げたところの猫は、ここにいるようだが……ん? あそこ、今動いた……?」
周囲に何もいるように見えないのに、プリンの海が動いたということは。
「中に、猫がいる可能性がある!」
修は、夏朝にシールを貼ってもらって軽くなっている体で、プリンの中を進んでいった。
とはいっても、宙に浮いているわけではないため、ゆっくり足は沈んでいく。
「早くしないと……!」
十メートルほどをダッシュして、プリンの上にしゃがみ込み、思いきって手を突っ込む。
すると、温かなものが手に触れた。
「いたかっ!」
どこかわからない体の部分を引っ張って、猫をプリンの外に出す。
すると、つぶらな瞳をした真っ白な子が、くったりしながらも目を開けて、「にあっ」と小さな声を上げた。
「よしよし、こわかったな。もう大丈夫だ」
修は猫を抱きしめ、立ち上がる。
あとはこの足が沈み切らないうちに、安全なところまで戻るだけだ。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年04月06日
参加申し込みの期限
2018年04月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年04月13日 11時00分
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