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狭間の日
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朝、いつものように起き出して。
鴻上 彰尋
は、リビングに広がる光景を前に、思わず息を飲んだ。
(……じいさんが、いる)
彰尋が中学2年生の時に命を落とした祖父が、何でもないふうでソファに座り、新聞に目を通している。
ぴしりと気持ち良く、けれど身に馴染んだ感じに着物を着こなしているその姿は、
(記憶の中と、全然変わらないな……)
と、彰尋の胸に感慨を運んだ。
目を覚ました時点で、彰尋は《狭間の日》のなんたるかを理解している。
けれど、頭でわかっているのと、心で納得しているのとは違うものだ。
何と声を掛ければいいのかわからずに、彰尋は暫し、新聞の頁が捲られる音を耳に立ち尽くしていた。と、
『彰尋、朝ご飯をくれ』
祖父が、記憶の中のそれと変わらない声で、日常の続きのようにそう言った。
ハッと、我に返ったようになる彰尋。
「え、あ、うん。えっと、ご飯が良いかな」
『いや、トーストで良いぞ』
眼差しは新聞に遣ったままで、祖父が応じる。
わかった、とキッチンに向かいながら、彰尋は迫る懐かしさに口元を軽く歪めていた。
(そう。お手伝いさんが来る日は和食、来ない日で俺が作る時は洋食が良いと言い出すんだ)
作れるかどうかは冷蔵庫の中身次第だったけれど、今朝は祖父の希望に添えそうだった。
(野菜は少しずつ色々残ってる。食パンにハムとチーズ、ああ、卵もあったはず)
残り野菜達を、すぐに火が通るように小さめに切って、トマトと一緒に煮込み始める。
そのあと、スライスした食パンにケチャップを塗った。
その上に、ピーマン、タマネギ、ハム、チーズを乗せたものを、トースターへ。
スープの鍋にコンソメを入れたあとで、彰尋は手際良くふわとろのオムレツも焼いた。
トースターがピザトーストの完成を知らせる頃には、野菜のスープも出来上がっている。
朝の定番メニューを、彰尋は出来たてそのままに祖父の元へと運んだ。
「お待たせ。コーヒー淹れるから、先に食べてて」
『ああ』
再び背を向けたリビングから、新聞を畳む音が聞こえる。
それから、『いただきます』の声。
それらを耳にコーヒーを淹れて、自分も席に着く。
(これくらいのタイミングで食べ始めたら、食べ終わりが大体一緒くらいになってちょうど良いんだ)
いただきます、と手を合わせる彰尋。
もぐ、とピザトーストを口に運ぶ。うん、中々の出来だ。
『変わらない味だな。手際はまた良くなったか』
祖父が、コンソメスープを口に運んで、ぽつりと言った。
褒められた、と思う。内心、少しだけはにかんで、
「ずっと作ってるから」
と、彰尋は短く応じた。そこから始まる、他愛のないやり取りの数々。
『今いくつだ?』
「高2、16だよ」
『彰尋がもう高校生か。部活はなんかやってんのか?』
「放送部でほんの少し」
『彼女は?』
当たり前の流れのように、祖父が言う。
「ノーコメント」
とだけ応じれば、祖父の喉が、くつ、と悪戯っぽく鳴った。
「……何」
『いや、成る程なと思ってな。そうかそうか』
「そうかそうかって、ノーコメントだって言ってるのに」
『伊達に年は重ねていないさ。まあ、頑張れ』
どこか楽しげな声に、彰尋は息を吐く。
照れ臭くはあったが、嫌な気持ちになったわけではない。
(そう、こういう人だった。伊達男って感じなんだけど、でもどこか、子供がそのまま大きくなったような)
目の前の祖父は、記憶の中、70歳頃の姿で、相も変わらず飄々としている。
ふと、「そうだ」と思った。あの話をしよう。聞いてもらおう。
「……演劇フェスティバルっていうのがあってさ」
『ほう』
「俺、舞台に上ったんだ」
『そうか、観客席から見れなかったのは残念だな』
「じいさんの目は厳しかったかな、やっぱり。舞台俳優だしね」
『さあ。見てみないとわからないが……良いところを、きっと見つけたさ』
実際に、そうだったのだろうと思う。
もっとこうした方が、とは、もしかするとアドバイスされたかもしれない。
けれど、祖父は、もしも観客席にいたならば、きっと――。
「っ……」
ぽた、と涙の粒がテーブルの上に落ちて、静かに弾けた。
とめどなく、頬を涙が伝う。溢れる涙に小さくしゃくり上げる彰尋へと、
『彰尋、笑ってみろ』
と、祖父が静かな、けれどあたたかい声で言った。
その意味は、わかっている。
手の甲で、目元をぐしゃと拭う。そうして、呼吸を一つ。
彰尋は、綺麗に演じてみせた。祖父の前で、涙の跡が幻か何かのようにしゃんと笑った。
『良く出来たな』
頭に、祖父の手が伸びる。
ぽんぽんと頭を撫でる手の温もりを、彰尋は少しだけ俯いて享受した。
(どうしよう、嬉しい。こんな日が来るだなんて、思っていなかったから)
(また会えたのが凄く嬉しいよ、じいさん)
朝ごはんを食べ終えたのは、彰尋の読み通り、殆ど同時だった。
変わらない、変わっていないという事実がこんなにも胸をあたためる。
さて、と、祖父が立ち上がった。
「じいさん?」
『何、今日はまだこれからだろう?』
色々と遊びに行くぞ、と、その人は白い歯を見せていっそ屈託なく笑った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月23日
参加申し込みの期限
2018年03月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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