仲良くなりたい、その５｜リアクション

仲良くなりたい、その５

○キツネ少女フォルカ

　星幽塔で宝探しをしていたアリス・ミーティアは、銃をしまいながら仲間のフォルカ・ヴィクスンに声をかけました。
「あっけなかったね。ってちょっとフォルカ！」
　アリスは、素早くお宝に手を伸ばしたキツネ獣人の少女を見咎めました。
「お宝の独り占めはダメだからね。私も頑張ったんだから半分ずつ！」
　二人は仲良しですが、お宝の分け前だけは譲れません。
　それが冒険ってものですから。
「わかってるよ」
　そう言いつつ、フォルカはしぶしぶお宝から手を離しました。
　お宝を見たアリスが目を輝かせます。
「ねぇ、この宝石綺麗だね」
　金貨や古い書物などのお宝の中に、美しい七色の石がありました。
「これは私がもらうね。ペンダントに加工してもらおうかな♪」
　ちゃっかりいいところを取ったアリスにフォルカは情けなさそうにぼやきます。
「それを持ってっちまうのかい？　それじゃ、他のは全部あたしがもらうよ」
「どうぞー。おつかれさま。じゃあ、いつものようにＢａｒアストラルで乾杯する？」
「ああ」
　全部と言ったため重い荷物を持つ羽目になり、帰ってから分けるべきだったかと思ったフォルカでした。

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