仲良くなりたい、その５｜リアクション

仲良くなりたい、その５

○美和ちゃん先生

　シーサイドタウンのマンション。
　久保田美和先生が、いつものように部屋を出て鍵を閉めていると。
「おや、美和さん。おはようございます、ふふ……！」
　ちょうどアケーチ・タッマーキが隣の部屋に戻ってきました。
「おはようございます、明智さん。おかえりなさい」
　星幽塔から来たアケーチは幽霊の出る家賃タダ同然の部屋を見つけたのですが、たまたまその隣が美和先生の部屋だったのでした。
「これから学校ですか？　お気を付けてお出かけくださいね」
「ありがとうございます。いってきます」
　アケーチが化粧をしてあげたこともあり、美和先生はアケーチのことを、イケメンだけど風変りなヘアメイクさんだと思っています。
「いってらっしゃいませ、良き一日を……！」
　優雅に笑み、アケーチは美和を見送ったのでした。

　☆　　　　　　　　☆　　　　　　　　☆

　
　古書喫茶『思ひ出』の店主柏村文也は、着物にあわせる小物を見にお店にやってきました。
「あら、柏村さん」
　そこで美和先生とばったり出会いました。
「やあ、先生。奇遇だね」　
「こんにちは。柏村さん着物お好きですもんね」
　美和先生からいきなり声をかけられ、同窓会に着ていくファッションについて質問されたのが二人の出会いでした。
「先生も普段から着物にしたらどうだい。似合うんだから」
「え、いや～それほどでも……まだまだ勉強不足ですし」
　その後も着付け教室で偶然顔を合わせたりしています。
　最近和装に憧れている美和先生にとっては、文也との会話はいろいろ勉強になるようです。
　二人は世間話に花を咲かせたのでした。

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