ウサギ戦隊バニレンジャー！｜リアクション

ウサギ戦隊バニレンジャー！

■メタモルフォーゼ！
「ふっふっふっふ　ふ～ん♪」
　羽生碧南はご機嫌で道を歩いていた。
　碧南が嬉しそうな表情を見せる理由――それは最新乙女ゲーム『百獣タキシード男子★ドキワクロマンス編』をフラゲゲットできたからだ。勿論限定版。豪華声優陣による百獣雄叫びＣＤ付きである。
（ゴールドから良いバイトがあるって声をかけられた時は驚いたけど……そこまで変身頻度も高くないし、本当に美味しい話だったかもー！）
　今すぐ帰ろう、今日はバスケ部も休みを取っちゃったえへへ！と、家路に急ぐ、が。
　突如、彼女の鞄からアラーム音が鳴り響いた。
（これは……超・緊急招集……！？）
　バニレンジャー・ゴールドから託された兎のキーホルダーが謎の鳴き声を発している。
（急いで変身して現場に急行しないとっ）
　アラームを止め、碧南は慌てて近くのロッカーへ荷物を預ける。
　そして『百獣タキシード男子★ドキワクロマンス編』（限定版）のパッケージを取り上げ、見つめる碧南。
（この戦いが終わったら、朝まで乙女ゲー祭……！）
　バニー服には慣れてきたけれど、まだ時折恥じらいが出てくるのは仕方ない。だって、女の子だもん☆
　そして碧南は兎のキーホルダーをムギュッと握り、天へと掲げた。
「エナメルバニーパワーー　メタモルフォーーーーゼッ！！」
　碧南の掛け声と共に、キーホルダーから七色の光が溢れ出し、優しく碧南の身体を包み込む。
　着ていた制服が光に溶け、碧南がバレエダンサーのように回転すると、溶けた光がバニー服へと再構築されていった。
　コマ送りしたらバッチリに碧南の180cmの高身長＆バスケで鍛えた引き締まった筋肉で彩られた彼女の肢体がシルエットでバッチリ見えるかもしれません（豆知識）
「変身、完了っ」
　高身長でスポーティーながらもコケティッシュな印象を醸し出すエナメルブラックバニー、碧南。

　※耳は脳内で兎耳に代えてください。尻尾はうさ尻尾に代えてください。みんなならできるよね！
　　個人的には悪魔羽と尻尾を残すのもアリだと思うけれど、そこは個人のお好みだよ！

　スラリとした長い脚にはピンヒール。
「よっし、乙女ゲームを楽しくプレイするために、ひと暴れしちゃうわよっ」
　ピンヒールをカツカツ鳴らしながら、碧南はアジトに向かって駆け出した。

　そんな碧南の姿を、一人の少年が柱の影から見送る。
　高校生の制服を着ている童顔の少年――新田亮の姿。
　だが、その眼差しは鋭く、並外れた経験を感じさせる。
「……あれは、バニレンジャー……」
　呟くと、亮はポケットからトランプを取り出した。
　その手札に念を込めれば……少年の姿が一瞬でタキシードの姿へと変わった。
　コマ送りすれば亮の裸の変身シーンが（以下略）
　そして亮はアイマスクと黒い兎耳をスチャッと装着し、碧南の後を追うのだった。

　どう見ても通報案件ですが、この世界ではそう珍しいことではないはずです、多分。

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