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理想の恋人はじめました!
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波が寄せる寝子ヶ浜海岸沿いを、
青山 絢
は人気のない場所を目指して歩いた。
奥まった場所へと足を踏み入れ、絢は辺りを見回す。
(周囲に人はいない、わね……)
先ずは、発声練習だ。
波の音に、絢の声が澄んだ彩りを添えていく。
しっかりとメニューをこなした絢は、持参した台本を手に取った。
創作劇の台本だ。適当に家から見繕ってきたから、それであること自体に深い意味はない。
目を閉じて、深呼吸をひとつ。
やがて瞼を開くと、絢は、台本を手にひとりで芝居を始めた。
主人公も、ヒロインも、道化役も。絢が、ひとりで全て演じる。
「――ならば俺は、永遠にお前を愛そう」
「ああ、あまり馬鹿なことを言わないでください。永遠だなんて、そんなもの――」
唐突に拍手の音が辺りに響いたのは、ヒロインになり切っている最中だった。
音に驚き、ハッとして身構える。
眼差しで音を辿れば――そこに立っていたのは、自分とさして年の変わらない少年だった。
(同い年くらい? それか、1、2歳くらい年上かしら……)
寸の間考えたが、それは、大した問題ではなかった。
大切なのは、この謎の少年が絢の時間に土足で踏み入ってきたということだ。
「すごいな。とてもいい芝居を見せてもらった」
そんなことを言いながら、かんばせに穏やかな笑みを湛えて少年が歩み寄ってくる。
じり、と少年を見据えたまま一歩後ずされば、
「そんなに警戒しないでくれ。悪い、邪魔をしてしまったよな」
と、少年は申し訳なさそうに少し眉を下げて、短い髪をガシガシと掻いた。
「……あなたは、誰なんですか?」
「俺? 俺は、絢の恋人」
距離を保ったまま問いを向ければ、返ってきたのはあまりにも予想外な言葉。
唖然とする絢を前に、「驚いた顔も可愛いな」と少年は言った。
ふっと、我に返る絢。
「ちょ……ちょっと、ふざけたことばかり……」
言わないで、という至極真っ当な苦情を、絢は言い切ることができなかった。
苦笑して肩を竦める少年の仕草が、どこか寂しげに見えて。
不覚にも、胸を衝かれてしまったのだ。更に、困ったことに。
(いきなり恋人だ、とかよくわからないけど……好みのタイプなのよね……)
壊れ物のようなどこか危うげな雰囲気も、絢の母性本能をくすぐった。
その少年が、仄かに首を傾ける。
「なあ、一緒に街に行かないか? 練習が終わってからでいいから」
「……いいわ、今からで。練習は、邪魔が入っちゃったから」
絢の口元に、やっと僅かながら笑みが乗った。
それを見留めて、少年の表情がぱあと華やぐ。
「じゃあ、早速行こう。絢の気が変わらないうちに」
そうして2人は、シーサイドタウンの街中まで出掛けた。
尤も、絢からしてみれば、少年に腕を引かれるうちに、『気がついたら街にいた』という感じだ。
「あ、クレープ! 絢、一緒に食べよう」
「え、ちょ、ちょっと……!」
少年はどちらかというとかしましいようなタイプではないのだが、
(結構大胆というか……情熱的、とも言えるのかしらね)
という具合で、絢を誘う手は優しくも力強い。
ベンチでクレープを食べ終えた後は、ゲームセンターに行った。
「今度は私の勝ちね」
「次は俺が勝つから! もう一回!」
2人で、対戦型のゲームに興じる。
少年は、楽しそうに笑ったり、かと思ったら真剣な顔になったり。
ころころと表情を変える様子は、絢の心をほぐしていった。
ゲームセンターを出て、大観覧車に乗った時には空は既に夕暮れ時の色。
2人きりの空間で、絢と向かい合って座った少年は、嬉しそうによく喋った。
「クレープ美味しかったなあ」
「ええ、そうね」
「ゲームも楽しかった。もっと勝てると思ったんだけど……」
ひとしきり今日の出来事を話し終えれば、観覧車の中に沈黙が落ちる。
やがて――少年は、ゆっくりと腰を上げると、絢の隣に座り直した。
何か言う間もなしに、ぎゅっと手を繋がれる。指に指が絡んだ。
「絢、今日はありがとう」
夕陽に照らされた少年の顔が、そっと絢の顔へと寄せられる。
今にも、唇と唇が触れ合いそうだ。
(出逢って数時間もたたないうちにファーストキス……でも、彼となら……)
そう思った瞬間、少年の姿は消えていた。
目に焼きついた彼の最後の顔は、笑っていたような、今にも泣き出しそうだったような。
正解はどっちだろうか。それとも、両方?
「……もしあなたとキスしたら、きっとほろ苦かったのかもね……?」
消えてしまった、一日だけの恋人に向けて呟く。
観覧車は、もうじきに地上へと着くだろう。
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あとがき
担当マスター:
巴めろ
ファンレターはマスターページから!
お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!
理想の恋人と過ごす時間、いかがでしたでしょうか。
一日限りの出来事ではありますが、PC様方の心に残る時間になっていますようにと願って。
重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を。
この度も、本当にありがとうございました!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月09日
参加申し込みの期限
2017年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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