仲良くなりたい、その３｜リアクション

仲良くなりたい、その３

○猫と遊ぼう！

「あっ、ののの先輩、またお会いしましたね」
「ほえ？」
　猫がたくさんの路地裏で、上下左右に声をかけられた野々ののこは、ちょっとけげんな顔になりました。
「この前の猫の女王様だよね？　私１年だから先輩じゃないよー？」
「同級生でも先輩って呼んでますの」
　色白で杖を手にした左右は、お嬢様らしく微笑みます。
「へー。私はさゆちゃんって呼んでいい？」
　なんとなく納得したらしいののこの問いに、左右は答えました。
「どうぞ。ここは本当に猫が多いですね」
「うん。今日はおやつを持ってきたんだー」
　黒猫、白猫、赤猫、さび猫……
　たくさんの猫たちに囲まれ、ののこは持ってきたおやつのにぼしをあげながら、猫をもふり始めました。
　かつては足のために両親に過保護にされてきた左右ですが、ののこと同じように明るい性格で人懐っこく、楽しい事が好きです。
「幸せな気分ですわね」
　陽だまりの中、左右も目を細めて猫もふのお相伴に預かったのでした。

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