仲良くなりたい、その３｜リアクション

仲良くなりたい、その３

○遊びましょう

　天気のいい放課後、鳴鏡院総悟は昇降口で靴を履き替えていました。
「こんにちは、総悟さん。今帰りですか」
　振り向けば友人の森蓮の穏やかな笑顔がありました。
「こんにちは、森君。今日は予定もないし、これからどうしようかと思ってたんだ」
「私も今日はちょうど部活が休みです。それでは、一緒に新しい遊びをしませんか」
「それは嬉しいな。ぜひ教えてほしい」
　蓮は遊びを知らない総悟に、長所探しの遊びを教えたことがあります。
「今日はエルボータッチという遊びをしましょう。寒い時にはちょうどいいですよ」
　校庭に出ると蓮は、さっそく説明を始めました。
「まず右手と右手で握手をします。その手を離さずにあいている片方の手で相手のひじ（エルボー）をタッチするというゲームです」
「こうか」
「用意、始め」
　右手をつないだ二人は、お互いのひじを触ろうとしますが、お互いよけるのでなかなかうまくはいきません。
　しばらくやっているうちに体が温まってきました。
「今度は左手をつないで、ニータッチにしましょう」
「ニーというと」
「膝です。トゥタッチもありますよ」
「これは、剣道の練習にもつながりそうだな」
「手を速く動かすこと、相手の反応を見ながら腕を動かすこと、そして駆け引きの訓練になります」　
「森君はいろんな遊びを知っているなあ」
　二人はその後、トゥタッチやフィンガーフェンシングも楽しんだのでした。