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ヘルプー・ミー・エンジェル
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●恋に恋する淡い心
『あなた、ご同業者ですよね?』
天使――マイケルのそんな言葉に
仙藤 紫
は首をかしげた。たまたま
桧垣 万里
の近くで信号を待っていたら、彼女も間違われたのだ。ダッフルコートの下は、制服。マイケルのように翼だって生えていない。なのに何をどうやったら天使に間違うのか。紫は眉を顰める。
「え?」
怪我をしたせいで気が動転しているのかもしれないし、単にものすごい天然で思い込みが激しい天使なのかもしれない。なにやら事情を話し始めて、そこに協力せざるを得ない雰囲気に持って行かれた。――頭の痛い話だ。紫はかるくこめかみを抑える。それでも、なんとなく放っておく気にはなれず、四人は頼まれるまま里谷 萌黄の霊魂を探すことになったのであった。
どの霊魂を探すか最後まで悩んでいた
日向 透
は、ふと脳裏によぎった少女の顔を思い出してそれと重なった萌黄が気になり、こちらへ協力することとなった。
「探して成仏させてあげたらなアカンな」
須藤 清一郎
は、萌黄の情報を聞くとうんうんと頷いてぐっと拳を握った。女の子にはいつも笑顔でいてほしい。彼のそのポリシーは、萌黄の切ない願いを聞いて燃え上がる。
(そんな恋人もできずに死んでいったなんて悲しすぎるやんか。俺が気になる男とくっつけたる!!)
「萌黄さんはどこにいるのかしら? ……シーサイドアウトレットの観覧車にいそうな気がしているけれど、他のところにいる可能性も捨てきれないなあ」
万里はううんと唸る。まずは寝子島総合病院の方へ行こうかな、と言う彼女に、透は淡く微笑んだ。
「俺も病院からまわろうと思っていました」
「じゃあ、まずは一緒に病院へ行ってみましょうか」
先に観覧車の方へ向かうと言った清一郎へ鈴を託すと、万里は透と一緒に病院の方へ向かう。
紫は、萌黄の同級生が何か情報を持っていないだろうかと水泳部の後輩へ連絡を取った。
「もしもし?」
電話に出た後輩は、萌黄の名を聞いて唸る。そういえば病気がちで学校に来ない子がいたっけ、なんて情報もちらほらあがったが、結局萌黄が何を望んでいたか、どんな少女だったかという事は何もわからなかった。初めにマイケルから聞いた情報だけが、頼りだ。
(そう……『誰かと恋して、シーサイドアウトレットの観覧車に乗る』のが夢だったわね……)
ならば、シーサイドアウトレットから動かないのが得策か。紫は、その場で少し待つことにした。
――一方。
(寝子島総合病院にきてみたものの、鈴がないから萌黄さんがいるかどうかわからないなあ……)
万里は萌黄が亡くなったとされる総合病院でキョロキョロと姿を探すも、鈴がないから何の手がかりもない。良く考えたら、無駄足だったかも、と小さく息を吐き、携帯を確認した。連絡は、入っていない。シーサイドアウトレットに居る二人も、萌黄を見つけられていないのだろう。
「どうしましょうね……」
透も小さく息をつき、病院の中庭のベンチへと腰かけた。
「うーん、ちょっと他の人の連絡も待ってみようかなと……あ、クッキーがあるんだ」
一息つかないかと透にも一枚手作りのクッキーを差し出し、万里はハート形のクッキーを一つかじる。
次の瞬間、万里の瞳の色が僅かに変わった気がした。――そこにいるのは、もう万里ではなく、千里だ。
「桧垣……さん?」
万里の顔を覗き込む透。
「ふーむ、万里は萌黄って子の霊魂をさがしているのかあ」
ぽそり、と万里、いや、千里が呟いた。
(……天使の鈴はなくても、僕なら魂みつけられないかなー)
きょろきょろと千里は萌黄の姿を探す。
(一応僕も幽霊だし……?)
姿形ははっきり見えなくても、いるかいないかくらいはわかれば……そう思って意識を集中させたところで、気付いた。
「あ……」
「どうかしましたか?」
「いる」
鈴は無い。それでも、気配のようなものを感じることは出来た。鈴を持っている清一郎へと連絡を入れると、間もなく清一郎がすっ飛んできた。
「はぁっ……はぁ、ここに、いるんやな!?」
息を切らせ、額に汗を浮かべて顔を上げた清一郎の手から、鈴の音か響く。
ちり……ん。
見つかったと聞いて清一郎の後に続いてやってきた紫にも、萌黄の姿が見えた。ゆっくりと浮かび上がるようにして、髪を緩く一つに結わえた控えめで愛らしい少女の姿が現れる。
『……?』
不思議そうにきょろきょろと視線を巡らせる彼女に、四人はホッと胸を撫で下ろした。見つけることが出来て、よかったと。透がそっと歩み出る。
「こんにちは。俺は日向透と言います」
猫を被って優しく微笑んだ透。まさか彼が猫かぶりなどとは気付かず、萌黄はおずおずと挨拶を返す。
『えと、こんにちは……』
「貴方の名前を聞いても良いですか?」
こく、と小さく頷く。
『里谷 萌黄、です』
「あー、よかった! 萌黄さんやな!」
清一郎がにこっと微笑む。
「私達、あなたを探してたの」
紫が優しく声をかけると、萌黄はおろおろと視線を彷徨わせる。
『あの、なんだかここ、不思議で……どうしちゃったのかよくわからなくて、周りの人に話しかけても何も教えてくれなくて……』
透は遮ら無いように、萌黄がそう言った後でゆっくりと話を切り出した。
「実は俺達は貴方を迎えに来たんです」
『迎え……?』
「貴方の本来あるべき場所へ導く為」
あ、と萌黄は口をおさえる。
「怖がらないでください。無理やり導くつもりはありません」
そうフォローしても、萌黄は首を緩く横に振るのだった。
『ううん、薄々気づいてたんです。私、死んじゃったのかなって……だって、変だもの』
周りがみんな私に気付かないし、体も妙に軽い。病気から解放されたんだって。そう続けて、萌黄は少し切なそうに微笑んだ。
透ははたと思った。萌黄はちゃんとわかっていたのだ。長年、闘病生活を送って来たから当然といえば当然だ。
――彼女は死を覚悟していた。
そしてかなわないだろう夢をそれでも願っていた。壊しても良いだろうと一瞬思いもしたが、透は思いとどまる。協力している人たちがいるし、なによりとある『彼女』の笑った顔が何故か浮かんで、そんな気がなくなったのだ。
(……全く俺らしくない)
笑いが零れそうになるのを、抑える。
『恋、したかったなぁ……』
ぽろ、と零れた萌黄の心に、一同は一瞬言葉を失った。
――死んだ魂だ。少しくらい気まぐれがあっても良いだろう。
透がそう考えた時、清一郎が萌黄の肩を叩いた。
「どんな男が好みなんや? どっかデートで行きたいところあるか?」
『えっ?』
萌黄はしどろもどろになる。
『わ、私声に出しちゃってた……? その……』
観覧車に、乗りたかったなぁ、って。と小さく小さく呟く萌黄。好みのタイプ、と問われてもわからなかった。だって、恋に恋してるだけだから、と笑う。
「一緒に観覧車乗りませんか?」
透の提案に、萌黄はえっと声をあげた。
「可愛い子と乗れると嬉しいんですが」
ね、と優しく微笑んだ透に萌黄はわずかに頬を赤らめる。
『えっと』
乗りたい、です。――最期に。
その言葉を聞いて、一同は頷く。紫が萌黄の手を引いた。
「じゃあ、デート用の服をコーディネートしましょう」
見れば、萌黄は中学の制服と見られる服のままだ。きっと、ずっと病院の寝間着だったのだろう。彼女が今着られる服は、これしかなかったのだ。折角のデートだもの、という紫に、萌黄は嬉しそうに頷く。
その時、ゆら、と万里の身体が揺れた。
「ん、ごめんね……ちょっと眠たいっていうか……先に行っていて?」
千里が万里に体を返すには、眠りが必要だ。そのまま、ベンチで軽く寝入ってしまった。万里が心配ではあるが、日没までゆっくりもしていられない。三人は、シーサイドアウトレットへ向かう。大急ぎで紫はお気に入りの店へ向かうと、ワンピースとコートを萌黄に選んでやった。
『わ……ピンク……こんな可愛い色のワンピース似合うかな』
「大丈夫よ、ちゃんと締め色も入ってるし……コートは白かしら」
淡い桜色のワンピースに、腰には焦げ茶色のリボン。そっとその上に真白なコートを羽織らせてあげると、紫は満足そうに頷いた。
「どう?」
『……可愛い……』
照れくさそうに、嬉しそうに萌黄が笑ったのを確認し、それらを購入して店を出る。外のベンチで仕上げに持っていた透明なグロスをそっと萌黄の唇にのせてやった。
「はい。これで大丈夫ね」
『わ……』
「最初で最後のデートだから、女の子としてはここが勝負どころだものね」
にこっと笑った紫に、萌黄はへへ、と笑う。
『私、変じゃないですか?』
「大丈夫、すごく可愛いわ。さあ、行ってらっしゃい」
手のひらで指す先には、透と清一郎。
二人は、萌黄を観覧車までお姫様のように優しくエスコートしてやった。
「誰と一緒に観覧車に乗りますか?」
萌黄は二人を見つめ、もじもじする。
「やはり一番乗りたい相手を選んだ方が良いですしね」
透にそう言われるも、萌黄は清一郎と透を交互に見るばかり。
「ほら、お兄さんと行き?」
清一郎が優しく微笑むと、紫がぽつりと問うた。
「あなたは立候補しないのね……」
「立候補したい気持ちはあるんやけど、離れ離れになる前提の恋愛なんて辛すぎるやん」
はは、と笑う。
「俺きっと泣いて、行かんといてくれって言ってまうわ。やから俺は応援でええんよ」
萌黄ちゃんにはきちんと天国いってもらわなアカンしな、と微笑む清一郎に、萌黄は小さく頷く。そして、透の手を取ると、ゆっくりと観覧車の方へ向かうのであった。
観覧車がてっぺんへ来たとき、萌黄は最高の笑顔を零す。
『すごい……綺麗』
透は、黙ってうなずいた。一周して、地上に降り立ち、透に手をひかれて萌黄は皆の前に歩み出る。
『あの……ありがとうございました』
最期に夢をかなえてくれてありがとう、と泣きそうな笑顔を浮かべる。
『ほんとに、恋してるみたいだった。嬉しかった……』
頷き合い、清一郎はマイケルの名を三度呼ぶ。
『萌黄さん……楽しかったですか?』
現れたマイケルに、萌黄は大きく頷く。
『はい、みなさん、とても親切にしてくれたんです』
それはよかった、とマイケルが笑むと、萌黄の背に大きな白い翼が見えたような気がした。
最後にそっと微笑んで、透は優しく告げる。
「綺麗ですよ」
『……ありがとうございます』
「あぁ、行ってしまうんやな……! あっちでも、達者でな!」
清一郎は涙をこらえ、大きく手を振った。満足したように頷いて、深くお辞儀をした萌黄の影が光に包まれ、薄くなっていくのが解った。
「おやすみなさい萌黄」
透の優しい声が、最後に、萌黄に届く。その声色は作った物ではなく。心からの『さよなら』に、萌黄は安心して天へ昇ることが出来た。
萌黄の件に関し、全てが終わって万里は病院のベンチで目を覚ます。
「……あれ、私いったい?」
ねこったーやメモ帳をみて気付いた。全て、解決したのだと。
「いつの間に……?」
それでも、救われた魂があるのなら。
良かった、と天を仰ぐのであった。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月15日
参加申し込みの期限
2016年07月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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