猫様ゲーム！｜リアクション

猫様ゲーム！

【第２ゲーム】

「おーい起きろー。お前の番だぞ乳デカー」
「……ハッッッ！？　あ、あれ？　ぼく、一体どうして……」
　何やら、いやーな夢を見ていた気がします。パチリと目を開けた上穗木千鶴の目の前には、ヨエコさんの楽しそーなお顔。
「お前あたしよりちっこくてブサイクなのに、身体はエロいなー。しかも全身白い粘液まみれとかなんだー、痴女か？　痴女なのか？」
「ななな、何のことだいっ！？」
　がばっと身を起こしたところで、手が滑ってぬるんっ。
　気付けば千鶴の全身は、
「ま、まだネバネバヌルヌルぅーーー！！」

親猫：上穗木千鶴の命令

『今、お財布に入っている全額を募金してきて』

「……こ、こんなネバヌルまみれなぼくの命令なんて、迷惑だよね……？　ご、ごめんね……？　え、えっとだから、せめて世の中の役に立つような命令を……子猫のふたりは、今お財布に入ってるお金、全部寄付してきてね。お財布に入ってるカードで引き出せるお金も、全部……」

【マッチングダイス！】２回目
※サイコロの結果はこちら

子猫Ａ：入江みつび「うわー私！？　困ったなー、そんなに持ってないよ～」
子猫Ｂ：八十八旗信彦「ちーちゃん、俺のアイデンティティをピンポイントで！？」

千鶴「あっ信彦くん（嬉）　ご、ごめんね。ネバヌルなぼくの命令なんかに当たっちゃってごめんね……？」
みつび「これ、私お邪魔虫じゃない？　大丈夫？」
信彦「もちろん大丈夫さレディ☆　さあ一緒にゲームを楽しもうじゃないか、紳士的にね！」

【猫様ダイス！】04、05

○いくら寄付した？

１：１円
２：１０円
３：１００円
４：１０００円
５：１００００円
６：１０００００円

１：×１
２：×２
３：×３
４：×５
５：×１０
６：×１００

みつび：５、４　信彦：１、５

「わーん、私のなけなしの５００００円が～！　あっでも、これでどこかの貧しい子供たちがちょびっと救われたりすると思えば……ま、いっかな？　みつびちゃん許しちゃうっ♪」
　本日のみつびちゃんは、ピュア枠。ピュアっていえば私でしょ？（自称）というわけで、そこそこの散財にも関わらずお目目はきらきら、太っ腹です。
「てゆーか、おいイケメン詐欺男ー、お前金持ちなんじゃないのかー？　何だ１０円ってー猫様ゲームナメてんのかー？」
「いやいやヨエコちゃん、これには事情があるんだよ……」
　じっとりジト目の猫様に、信彦くんは白い歯をきらりっと光らせます。

【猫様ダイス！】06

○信彦くんの事情

１：困ってる人にあげた
２：カジノでスッた
３：困ってる人にあげた
４：愛人にくれてやった
５：困ってる人にあげた
６：父さんが倒産した

信彦：５

「実はここに来る前に、とある人と出会ってね。彼は妻と子がある良き夫だが、決して暮らしは裕福では無かった。毎日汗水垂らして働いても、給料は雀の涙……それでも家に帰れば、貞淑な妻や無邪気な娘の笑顔に癒される。そうして貧しいながらも、幸せな日々を過ごしていたんだよ。しかしある日、彼に不幸が訪れる……彼の勤める会社が深刻な業績不振に陥り、大胆な経営改革が求められた結果、そう……彼は、リストラされてしまったんだ！　俺が出会ったその時には、再就職先も見つからず、貯金も既に尽き、彼は路上で途方に暮れていたよ。肩を落として、堪えきれず、ぽろぽろと涙をこぼしながらつぶやいていた。ああ、由美子（妻）、由香里（娘）、ごめんな……俺はもうダメだ。不甲斐ない夫を、父を許してくれ……こうなったらもういっそ、全部終わらせるしか……ああ、そう、そうだ。みんなで一緒に……」

信彦「って感じでコレはヤバイと思って、資金援助してあげたわけだよ。ぽーんっとね！　きっと、次の仕事が見つかるまでは持つはずさ（爽）」
みつび「すごーい！！　信彦くん、男だねっ☆　家族のピンチを助けちゃうなんて、見直しちゃったなー」
ヨエコ「そうかー？　なんかウソくさくないかー？　ていうかそれなら、なんで１０円残ってんだ？」
信彦「それはね……」

　す、と恭しくヨエコさんの手を取ると、その手のひらの上へと……ちゃりちゃりちゃりちゃり。
「紳士はどんな時でも、レディへの贈り物を欠かさないものだからさ☆」
「おいー、全部１円玉かよー！」

入江みつびと八十八旗信彦は、
上穗木千鶴の命令『今、お財布に入っている全額を募金してきて』
を達成しました。

みつび「やったね、赤い羽根をいっぱいもらったよ♪」
信彦「……さーて、明日からどうやって暮らして行こうかな☆（白目）」

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