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●『僕』と万里
桧垣 万里
は、その日クッキーを焼いていた。ハート型のバニラ味のクッキー。
「焼けたかな?」
焼けたばかりのクッキーを、ふーふーと息を吹きかけて冷まし、一口。さくっと音を立てたクッキー。瞬間、万里の瞳の色がふわりと変化した。それは、『万里』の姿をした『千里』だった。
千里は、そのまま街へと繰り出す。
「あれ? 前に来たときこんなお店あったかなぁ?」
ステンドグラスの扉を見て、首を傾げ、
「占いか、おもしろそう!」
興味津々といった顔で扉を開けた。
「こんにちは~」
「いらっしゃい」
「えーと『今』の運勢を占ってください!」
ソファに座ると、千里はニコニコ顔で告げる。占い師に促されカードを引くと、『愚者』のカードが現れた。
「うん……何か新しい事が始まるということの暗示のカードよ」
「新しい事?」
「そう。自由な、未知の事。何かが劇的に変わると言うよりも、じわじわと変化していくイメージね」
「へえ……」
イマイチ良いのか悪いのかわからず、千里は首をかしげる。
「これはね、ゼロのカードなの。あなたの働きかけ次第で、何でも生み出すことができる……『可能性』のカードなのよ。とても、前向きな暗示だわ」
「え、ほんと!? わーい、嬉しいなあ~」
ぱあっと明るい笑顔で子供のように千里は喜ぶ。
「僕の運勢がいいんなら、きっと万里の運勢もいいはず!」
「万里……?」
占い師は不思議そうな顔で千里を見つめた。
「あなた……」
「うん。僕は万里のお兄ちゃんなんだ」
でも、万里は僕の事を知らないの。そう付け足すと、占い師は全てを悟ったように呟いた。
「……そういうことなのね」
「あ、ちなみに運気をあげるほうほうとかあるんですか?」
アドバイスがあるなら是非、と身を乗り出す千里に、にっこりとほほ笑む。
「一番大切なのは、古い考えにとらわれない事ね。前だけ向く事。それだけよ」
うん、と頷くと、千里はあっと声を上げた。
「そうだ。僕の話……僕には今しかないから、話せるような過去なんてないなあ」
「……?」
占い師は首をかしげる。
――過去がない。そう、千里は、生まれる前に消えた存在だから、今までの『歴史』が無いのだ。
「僕が覚えている『過去』は真っ暗で、でも温かで心地よい……そんな世界だけ」
まさか、と占い師は息をのんだ。
――それは、胎内……?
「今は明るくて楽しいよ。妹のおかげ」
にこっと屈託のない笑顔を浮かべる千里に、占い師は少し安堵したようにほうっと息を吐く。
「妹さんの事、大好きなのね」
「うん!」
ちら、とお守りのコーナーをみて、千里は残念そうに眉を寄せた。本当は『万里』にお守りを買って行ってあげたいのだけれど、今この体は万里の物。持っている財布だって万里の物だ。それに、どんなに自分が『万里』を愛していても『万里』は『千里』が憑依している間の事は、知らない。勝手にお金を使うわけにもいかないし、我慢するしかないか、と財布を収めた。占い師に礼を告げると、千里は帰路へ着く。
なんだかどっと疲れて、ベッドに体を横たえ、そして次に目が覚めたとき。もうそこに『千里』はいなかった。
●未来への不安
ソファに腰かけ、アロマランプの柔らかな光に横顔を照らされて
三宅 葉月
は切り出した。
「ここ最近、少しスランプ気味なの」
「スランプ……?」
「私は絵を描くのだけれど……何を描いてもまるで違和感の様なものを感じるの。今年になってからそんなことが続いていて……少し気が焦ってる」
俯き気味でそんな風に告げ、ふっと長いまつげを伏せた。
「原因は判っているのよ。……将来について見えない不安があるから」
父と話したときの事を思い出す。――将来を、自分のしたい事を容認されない苦しさ。これから自分はどうしていくのだろうという『不安』
普段占いにあまり興味がないのにもかかわらずここを訪れたのは、そんな漠然とした不安を取り払うためだった。
占い師にカードを一枚引くように言われて、葉月はするりと一枚のカードをめくる。
「よかった。『月』の逆位置ね」
「良かったの……?」
「ええ。このカードは問題が明るみになり、悩みが解決へと向かうという意味のカードよ」
葉月は小さく息を吐き出し、そして薄く微笑んだ。
「そう、思ったより悪くはないのね。少しばかり神経質になりすぎていたのかもしれないわ」
「そうね。どうしようどうしようっていう焦りばかりが募ってしまっていたのかも。大丈夫よ。あなたが問題から目をそむけず、きちんと対話していけばおのずと道は拓かれるわ」
もう最悪の状態からは抜けているはず、そう言われて、葉月は小さく頷く。
「だって、その不安の原因はわかっているのでしょう?」
「そうね」
「なら、逃げなければ大丈夫ね」
葉月ははっと気づく。そうだ、自分の過去の話を。
「小学5年生の夏、林間学校へ行った時の話なんだけれど……森の生き物の観察をすることになって、私は色んな生き物や植物のスケッチをしてたの。夢中になって皆からはぐれて、そのうちに足を滑らせて湖に落ちてしまったわ」
「えっ、大丈夫だったの!?」
ここに今いるのだから命に別状はなかったのだが。占い師は驚きを隠せずに身を乗り出す。葉月は平気だったわよ、と頷いた。
「その時に見たの。緑と翠の織りなす水の中で、まるで森の精霊のように舞っているもう一人の私を」
「え……?」
「不思議と言えば不思議よね」
何事もなかったかのように、不思議な出来事をさらりと話す葉月に、占い師は面喰ったように瞬きをする。けれど、それが嘘とは思わなかった。
「もしかしたら、芸術にかかわる精霊があなたになにか伝えようとしたのかもしれないわね」
「信じる?」
「ええ」
顔を見合わせて笑うと、葉月はちらとショーケースの中を見遣って言った。
「ブレスレットを、お願いできるかしら」
頷いて占い師が取り出したのは、アマゾナイトとターコイズ、そしてクリソプレーズだ。翠色のクリソプレーズを見つめ、葉月は小さく呟いた。
「綺麗」
「この石は、あなたの才能をぐんと引き出してくれるわ。アマゾナイトは、チャンスを呼び込む石……きっと、あなたを守ってくれるわよ」
はい、と真っ白な葉月の手のひらにブレスレットを乗せる。
「……ありがとう」
吹っ切れたように、葉月は笑った。
人間は、ままならない。それでも、前を向いてゆけるように。
●ろまんてぃかる、おとめてぃかる
本居 陽毬
は店の前で1人で盛り上がっていた。
「占い……なんかこう、ロマンチックな響き! 運命の相手は近く現れる……なんて……。きゃー! ロマンチックー!!!」
そうと決まれば早速突撃するしかない。陽毬はステンドグラスの扉をそっと開いた。
「こんにちは」
「あら、いらっしゃい。こちらへどうぞ」
占い師に促され、ソファに腰かけると陽毬は説明を読んでニコッと笑う。
「あ、先に私の過去の話! 占ってほしいことに関係してるから」
「ふふ、どうぞ」
「えっとね、親が転勤族のおかげで、私、あちこち転校ばっかりしてたんだー」
そうだったの、と占い師は頷く。
「仲良しさんができても、すぐに転校で寂しかったな。でも、きっとまた会えるって信じてるんだ。みんな『またいつか会おうね』って言ってくれたから」
それはきっと彼女が行く先々で愛されてきたということだろう。占い師は微笑ましさに顔をほころばせた。
「ってことで、恋愛運を占ってくださーい!」
「ふふ、……ってことで……?」
占い師が首をかしげると、陽毬はグッと拳を握ってみせる。
「だってほら、ロマンチックで王道じゃないですかー。幼い頃に引き裂かれた幼馴染達と運命の再会を果たして、友情を築いたり……恋に落ちるとか。キャーキャー!」
めっちゃ盛り上がっている。
ちょっとテンションに驚きながら、占い師はカードを広げて見せた。
「ってことで、いっぱつ頼みます!」
「ええ、それじゃあカードをどうぞ」
「良い結果出ろ、良い結果出ろ……」
ぶつぶつと念を込めながら陽毬は一枚のカードを引く。
『法王』の逆位置。
「うーん、単刀直入にいうと、あまり良くない、かな」
打ちひしがれ、無言で頽れる陽毬。おもいっきり手を地についてずーんと沈んでいる彼女に、占い師はおずおずと呼びかけた。
「あの、大丈夫?」
「うぇ、あ、……はいぃ……」
「えっとね……『落ち着きがない』って出てるわ」
ガンッと陽毬の頭にたらいでも振って来そうな衝撃が。
「まずいのは、思い込みね。あなたが思っている通りに事が運ぶってどこかで考えてしまうところがあるの。落ち着きが足りないせいで視野が狭くなってしまうという暗示が出ているわ。気を付けてね」
「は、はうぅ」
「どこかで会えたら素敵、それが恋に……そういう運命も、あるかもしれないわ。でも待っているだけじゃ来ないわ。そういうことよ」
「な、なるほどぉ……」
過去に出会ったアヤシイ占い師はそこまでは言っていなかった。けれど、この人は『自分から動く』ことを勧めて来るではないか。陽毬はうんうんと頷くと、気を取り直してブレスレットを指さした。
「お守りプレスレットもほしいな」
なんか特別な気がしない? と独り言を言いながら、財布の中を確認する。
――足りないような。
「……。えっと、これ、まけてもらえたりとかしない?」
苦笑いと共に問われて、占い師は思わずぷっと吹き出す。
「石が小さめのなら、そんなにしないからそっちにする?」
何度も頷く陽毬を見て、占い師は笑いながらブレスレットを組み始めた。淡いピンクのローズクォーツと、優しい白いカルセドニー。フェミニンな落ち着きのあるブレスレットを仕上げると、陽毬に手渡す。
「はい。良い縁を繋いで、愛情を運んでくる石を入れたの。大切にしてね」
「わぁ……!」
可愛い、と陽毬は瞳をキラキラさせて早速ブレスレットを身に着ける。
――いつか、どこかで、誰かに、会えますように。
●閉店
「さて、そろそろ店じまいね」
次はいつ来ようかしら。
そう呟いた占い師は、アロマライトを消した。フッと店の光が消える。
――次の瞬間、あのステンドグラスの扉の店は跡形もなく消えていた。
「あれ? ここ、なにかあったっけ……?」
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あとがき
担当マスター:
寿ゆかり
ファンレターはマスターページから!
みなさんのお悩み、少しでも晴れれば幸いです。
今回、実際に皆さんがダイスで引いてくれたカード、占い師に任せてくれたカード。
両方ともしっかりとみなさんを見つめて占いました。(占い師が)
占いなので当たっていることも当たっていないこともあるかと思います。
重く受け止め過ぎず「ああ、こんなこともあるんだね」くらいに思ってくれたら幸いです。
お守りを依頼してくれた方には、その人にピッタリの石をブレスレットにしました。
もし気になる方はそれぞれの石の意味を詳しく調べてみても良いカモ。
余談ですが、寿は天然石でアクセサリーを作るのが大好きです。お気に入りはアクアマリンとクンツァイトかな。
皆さんが今後もらっかみライフをたのしめますように!
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担当ゲームマスター
寿ゆかり
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月25日
参加申し込みの期限
2016年06月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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