サンタクロースの贈り物～サタン・クロース！～｜リアクション

サンタクロースの贈り物～サタン・クロース！～

　木鈴寧々子は自身の衣装に戸惑いを隠せなかった。
「これは……どうゆうことだろうねぇ～？」
　さらさらと身体を覆うシルクのドレスを、寧々子は片手でつまんでみる。
　ドレスから、金色の光がぱらぱらと舞い落ちた。
「花嫁さん……だと妙に華やかなようなぁ～？」
　ここがゲームの世界だということはなんとなくわかってはいるのだが、一体どんな状況なのか飲み込めない。
　寧々子の周囲をとり囲むのは雪原ではなく、真っ白な壁面。
　南側に大きく取り付けられたはめ込みの窓から、外の景色が見える。
「雪景色だねぇ～。綺麗だけど、この窓、開かないのかなぁ～？」
　ぐぐっと押してみるものの、びくともしない。
「捕らわれの花嫁とかかなぁ？　……あれ、なんだろぉ～？」
　ふと、頭に浮かんだイメージで、寧々子は空中にステータス画面を出現させることが出来た。
「わぁ、ゲームの世界なんだねぇ。これは多分ステータス画面だけどぉ、職業欄『女神』って、なんでかなぁ～？」
　首を傾げる。
　ドレスだけでなく、寧々子自身から光の粉が舞い落ちている。
「とりあえず、ここから出たほうがいいのかなぁ」
　きらきらと光の粉を纏わせながら、寧々子は白い部屋を探索する。
「向こうの鏡が出口だったりする～？」
　小首をかしげ、寧々子は豪華な額縁に彩られた姿見に手を当ててみる。
　するとどうだろう。
　鏡の中に魔法陣が出現し、寧々子の身体がすうっと鏡に吸い込まれた。　

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