【お三夜】猫とネズミの運動会、お三夜さま御用達チーズをかけて｜リアクション

【お三夜】猫とネズミの運動会、お三夜さま御用達チーズをかけて

　猫たちの猛追を振り切り、最初に寝子島神社に飛び込んで来たのはジェレミアだった。
　お祭りの人出でごった返す中、踏みつぶされないように右に左に身をかわしながら本殿を目指す。
　その途中、いい匂いがしてきたのにジェレミアは気付き、そっちの方へ気が取られた。
　見れば周囲には祭りの露店が沢山出ており、近くには参拝客の落したらしい食べ残りがあった。
　ここまで受けてきた猫たちの執拗な追撃に、疲れの色を隠せなくなってきていたジェレミアは、早速それをいただいて体力回復を行った。

「俺の動きについてこれるか！ネコちゃんよぉ！」

　次に寝子島神社に姿を見せたのは弥次郎だった。
　弥次郎はわき目もふらず、一心不乱に本殿に突撃した。
　すると薄暗い本殿の一角に祭壇があり、その上に三方が置いてあるのが見えた。

「我、求めるは高級チーズなり！」

　三方に向かって駆けだした弥次郎だったが、突如目の前に一口チーズが落ちてきた。
　御用達チーズを目の前にしていながらも、いきなり落ちてきたそれに弥次郎の本能は抗えなかった。
　弥次郎は走るのを止め、目の前のチーズにかじりついてしまった。
　チーズを食べる事に夢中になっている弥次郎の上から、建物の梁に潜んでいた修が降りてくると、強烈な猫パンチを弥次郎に放つ。
　チーズに気を取られ、完全にノーガードだった弥次郎はあえなく吹っ飛ばされた。

　次に本殿に入ってきたのはアリサだったが、目の前で修に弥次郎が吹っ飛ばされたのを見て、思わず足が止まってしまう。
　修は三方の前に陣取り、それを死守する構えらしい。
　その時、本堂の隅で何か物音がした。それは、本堂に辿り着いた刀が投げたドングリだったが、修がその方向を見て注意がそれた瞬間を逃さず、ネズミたちは一斉にダッシュした。

「ふっふっふ、勝てばよかろうって偉い人もいってたチュウ！」

　同時に裏口で様子を伺っていた流も飛び出してきた。修は全周囲から突っ込んでくるネズミたちに焦りを隠せなかったが、とにかく猫パンチを手の届く相手に喰らわせようと繰り出した。

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