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寝子島高校
焚き火のある光景
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空は薄い白、風にも色や匂いはない。
けれども、
橘 千歳
の頭上には紅があった。一面の紅葉、校庭に向かう歩道を、覆い尽くすような晩秋の光景が。
「焚き火ねぇ……」
「乗り気じゃないのか?」
隣を往く
御剣 刀
が怪訝な顔をした。この日、千歳を誘ったのは刀なのである。
「ううん。なんだかノスタルジーを感じてるだけ。最近焚き火の機会なんて滅多にないなと思って。私が子どもの頃に過ごした神社でもよく、落ち葉を集めて焚き火にしてたわね」
「だよな。最近珍しくなった気がする。近頃なんとも物騒になって、勝手に焚き火なんてしたら通報されかねないからな」
海はどうだ? と、刀は
小山内 海
に水を向けた。
「焚き火に何か思い出とかあるか?」
海は笑顔で首を振って、けれど、と言うかのようにスケッチブックにペンを走らせた。
『たのしみだよ。たき火って、なんだかなごむから』
「違いない」
と刀が言ったところで会場が見えてきた。
「やってるやってる」
すでに焚き火は始まっていて、校庭の中央にがさっと積まれた紙や枯れ葉の上で、ちろちろと小さな炎が起こっていた。
まだくべられた落ち葉や紙も少ない。揺れている火もささやかだ。枯れ葉は燃えても生木には火が付かず、紙くずは燃えても多少大きな板材となると、まるで歯が立たない様子である。
生まれたばかりのひな鳥を扱うように、このか細い火を手で囲い、そっと紙片を入れたり扇いだりして、なんとか育てようとしている男性がいる。黒いジャケットにワインレッドのシャツ、ストライプのネクタイまで巻いていた。なお彼はネクタイに火が付かないよう、先端をくるっと背中に回している。
「珪先生」
声をかけられ、寝子島高校司書教諭
早川 珪
は振り仰ぐような格好で
綾辻 綾花
を見上げた。
「やあ、綾辻さん」
薄手のコートこそ羽織ってはいるものの、綾花は制服姿だった。多少派手目だが珪もこれが学校に出ている普段着なので、実は互いに平日と同じルックスだったりする。
「図書室のほうに回ってみましたがお姿が見えないので、ここかと」
「うん。いらないものを燃やそうと思ってね。図書室にも不要な書類は結構あるんだよ」
早川珪は早川珪である。それは、こうして焚き火を前にしていても変わらない。
彼は穏やかに笑むとまた火に向き直った。どうやら火の番を買って出たものらしい。
「熱心ですね」
「結構楽しいからね。僕の子どもの頃はね、この季節になるとよく、あちこちで焚き火をやっていたもんだよ。あれが好きでね。もちろん、子どもだけでやったりしていないよ。言い聞かせられたものさ、火遊びすると……おっと」
気遣うように彼が口ごもったので綾花はくすっと笑って引き継いだ。
「おねしょする、って言われたんでしょ? 昔の言い伝えですよね」
「昔の、と若い子に断言されると自分が老けた気がするなあ」
などと言いつつも珪は楽しげである。彼にとって焚き火は、秋から冬へかけての楽しい記憶と直結しているのだろう。
「珪先生だってお若いじゃないですか」
「いやあ、僕なんか歳ばかり若いけれど中身は老けてて……まあ、若隠居みたいなものさ」
「またまた……」
言いながら綾花は火ばさみを取り出した。
「持ってきたんです。手伝いますよ」
「若い子に火の面倒が見られるかな? まだこの火はよちよち歩きみたいものだからね。なかなか育たないよ」
「育ててみせます、私一人でも」
と言って、なにか別のものの話をしているような気がしてきて綾花はほんのりと頬を染めた。
「そ、それに、育ってもらわないと困るんです」
「おや、楽しみだね」
綾花が取り出したもの、それは銀紙に包んだ芋だったのである。それも、いくつも。
そういえば、と千歳はうなった。
「燃料、持ってこなかったわ」
「燃やすものか……俺は過去のテストの答案用紙くらいしかないな」
という刀の言葉に、海は『おや?』と言いたげな顔をした。刀とテストというと、思い当たる節がある。
海の表情にいちはやく気がつくと、刀はパンと合掌する。
「嘘ですごめんなさい! でも、海と千歳に手伝ってもらったのに点数悪くて補習受けたとかの過去を燃やしたかったというのだけは本当です!」
「そういや、そういうこともあったよね」
千歳は、やれやれと言いたげな口調である。
「答案用紙を焼き捨てたところで、過去を『なかったこと』にはできないよ」
「わかってるって、燃やすってのは冗談さ冗談。これも俺が自分の道を歩いてきた結果だから、自分から消すなんてことしないよ」
「ふぅん、刀君にしてはいい心がけじゃない」
「その『~にしては』はひっかかるな。まあそれはともかくだ、テストといえばもうじき期末テスト、さすがに今回はもう少しいい成績で気持ち良くクリスマスを迎えたい、と思ってる」
そうだね、と言うように海は深くうなずいた。
「うん、だから?」
千歳がうながすと刀は再び手を合わせて、
「だから海様千歳様、また勉強みて下さいお願いします! ってこと!」
もちろん千歳としてはそのつもりであるが、あえて「さあねえ」と言ってみる。
「と言われても、それなりの心がけを見せてくれないと」
「心付け! それなら問題ない」
フッと男前な表情で、刀は自分の荷を解いた。
「千歳と海への献上物ならちゃあんと持ってきてるんだ。焚き火といえば焼き芋だよな、ということで、サツマイモ、ジャガイモ、後はベーコンとか色々準備した。アルミホイルに巻いて焼いたらきっと美味いぞ~」
奇遇だね、とスケッチブックで告げて、海も自分の持参物を披露する。
ジャガイモである。形は不揃いだが美味しそうに丸々と育ったものが、たくさん。
海もやはり、千歳言うところの『燃料』には困っていた。もちろん家には可燃物はたくさんある。しかしそれは昔描いた絵とか、今までのスケッチブックであって、いずれもとても大切なものばかりだ。
『今日は【もやしたいもの】じゃなくて、【やいておいしいもの】をもってきたんだよ。バターもあるよ、ジャガバタにしたらおいしそうだもんね』
海のスケッチブックの文字も、なんだか元気に跳ねているように見えた。
「あれ、刀君も小山内さんもジャガイモをもってきてたの?」
千歳は目を丸くした。彼女はサツマイモとアルミホイルだけを持参している。
「もしかしてベイクドポテトも作るの?」
だったら、とここで千歳の、料理に妥協しない心が目を覚ます。
「しっかり皮は洗っておかないといけないわよ。皮を取って中だけ食べる人もいるけど、ベイクドポテトにすると重要な栄養素はほとんどは皮や皮近くに集まってしまうから、皮を捨てるのはもったいないわ。それにパリパリの歯ごたえもベイクドポテトの魅力の一つだし……」
「ふむ、千歳は色々と知っているな~」
皮を剥くつもりだった刀は素直に感心する。
「まあね」
もう千歳は腕まくりしていた。話しているうちに料理人心がたまらなくなったらしい。
「下準備は任せて。その間に、小山内さんと刀君は火を見ててくれない?」
「おう、そっちも頼んだぞ」
刀は爽やかに笑んで火に向かう。
『ベーコンもいっしょにやいたら、たしかにおいしそうだよね』
海は返事の代わりに、スケッチブックの文字で回答するのだった。
二人を焚き火に送り出し、自分はジャガイモを集めて洗い場に向かいながら、ふと千歳は足を止めた。
――刀君と小山内さん、二人っきりにしちゃった。
毛糸がほつれたような、なんだかモヤモヤとした思いがある。どうしてそんなことを考えるのかは、うまく説明できないが。
うーん――千歳はほんの少し悩んだが、やはりそのままにしておくことにした。
いちいち考えすぎても仕方がない。
それにやっぱり、下準備はちゃんとしたいし!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月19日
参加申し込みの期限
2015年10月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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