ふと我に返ると、空の真ん中に腰掛けていたので。
「ふぇっ!!? って、きゃあああああああっ!?」
三宅 ゆりは足をバタつかせて仰け反り、ぐるんと反転したその光景に、ありったけの悲鳴を上げました。
天地も左右も、どこまでも続く──はてしない空。
落下の錯覚に咄嗟に、目の前のロープにしがみつきましたが、けれども大丈夫。セーフ。落っこちていたわけではありません。
なぜって、ゆりが座っていたのは、ブランコの上だったのですから。
「へっ? ……な、なに、このブランコ?」
まるでサーカスの曲芸にでも使われそうな……いえもっともっと長く高い、空中ブランコです。
見上げたロープの先は、うっすらとたなびく雲の中に消え、何によってこのブランコが支えられているのか、ゆりには見当もつきません。
一方で、眼下に視線を転じれば。
あるはずの地上は見えず、やはりそちらに広がるのもただ、吸い込まれるように澄みきった空ばかり。さっき慌てた拍子に、すっぽ抜けたのでしょう。彼女の片方の靴が、豆粒よりも小さくなって、その青のどこかに落ちていくのが見えました。
「う〜ん……なにこの状況。どうしよ」
しばし腕組みして、ゆりは考え込みます。けれども、そこは度胸の据わった彼女のこと。試しにゆっくり膝を曲げて漕ぎ出せば、やがてリズム良くブランコも揺れ始めて。
彼女を乗せたまま、ぶらー……ん、ぶららー……ん……、
「……あっは♪」
こんなふうにブランコを漕ぐのなんて、何年ぶりでしょう。たぶん、小学生以来かも?
ちょっと子供っぽいかもしれませんが、なに、気にすることはありません。だって周りには見ている人なんていませんから。(スカートの中身だって、気にしなくてもだいじょうぶ!)
「よぉーーし、もうどうにでもなれ……えいっっ!!」
勢い良く蹴り上げたもう片方の靴が、虹の軌跡を描いて、高く高く飛んでいきました。
こんにちは、マスターの鈴木二文字です。
ガイドのゆり同様、PCさん達も気が付くと、空中に浮いたブランコの上にいます。
四方には何も見えず、ただ空だけが広がっています。
さてこの状況から、あなたならどうしますか?
ゆりのように童心に返って、ブランコで遊ぶ?
誰にも邪魔されずに、じっと空の上で物思いに耽る?
ロープをよじ登って、上に何があるのか確かめてみる?
いっそブランコから飛び下りてみる……という選択だってありますね。
もし1人っきりが、さみしければ。
思いっきりブランコを漕げば、やがて遠くに別のブランコが見えてくる……かも?
ブランコの設定は、アクションで自由に決めてしまって構いません。
1人用、2人用、箱ブランコ、サーカスの曲芸用、ジャングルにありそうなやつ、
ブランコっぽければ、何でもご自由にどうぞ。
絡みのご希望があれば、リアクションではなるべく他PCさんと出会わせます。
【GA】で最初から2人(きり)でブランコにいる、などのご指定もアリです。
リアクションはちょっと気分転換に、ですます文体で書いてみる予定です。
全然向いてなかったら、いつもの文体にしちゃうかもですが。
それではご参加、お待ちしておりますー。