駅前通りはいつも人で溢れている。
それは寝子島でも同じ事であり、今が夕方の帰宅ラッシュである事もあるだろう。
ある人は夫の元に急ぎ、ある人は恋人を待ち、ある人はショーウィンドウとにらめっこをしている。
様々な人の行きかう所から少し外れた場所にある、やや広めの居酒屋に二人は居た。
「っかぁ~! この一杯の為に生きてるってなぁ!」
叩きつけるように手に持ったジョッキをテーブルに置くタンクトップの中年男性。
目の前に座っているのはやや着崩したワイシャツ姿の社会人と思しき撫で肩の男性。
「大げさですよ。それに、飲みすぎたら明日に響いてしまいます」
撫で肩の男性、久保 直也は微笑ましく見ながらも、少し諦めが入った溜息をつく。
分かってないな、とばかりに手に持つビールを飲み干すタンクトップの男性。
「それに、大原さんは終わってない仕事があったのでは?」
「けっ、締切先だから流しときゃいいんだよ。っつか、大原さんはよせやい! ゴンさんとかあんだろ!?」
枝豆を頬張りながら直也の目を覗き込むタンクトップの男性、大原 権三郎。
今の会社に長く務めている分、権三郎はストレスと戦っていた。
今日はその発散だとばかりに直也と打ち合わせと称した飲み会に来ていた。
やれやれ、といった風に直也は権三郎の話を聞く。
つまみや飲みのものは無くなる前に直也が頼む、権三郎はひたすらに話していく。
普段一緒に居る人には話しにくいこともあるだろうと直也は思う。
「いらっしゃいませー! 何名様ですか?」
来店を告げる音と対応するスタッフ。
新たな来客で居酒屋は一層にぎわっていく。
今日この時は仕事や学業を忘れ、親しい者達との語り場となる。
●●●舞台・背景●●●
駅前通りのとある居酒屋が舞台になります。
好きに食べて飲んでいただいて構いません。
お一人様でも友人同士でも恋人同士でも夫婦同士でも。
登場する人物は冴えない男子二人。
直也は権三郎の悩み…というか愚痴を聞く感じになっております。
絡んでいただいても良いですし、気にしないで飲んでいただいても大丈夫です。
普段は見せられない酔った姿、雰囲気の力を借りなければ言えないことなどなど。
色々な姿を書かせていただければと思います。
●●●注意●●●
時間は18時ごろから、最後の人が解散するまで。(お店自体は朝5時まで)
厳密に描写はしませんが20歳未満は保護者同伴であっても遅くまでは残れません。
また、20歳未満はノンアルコールになります。
●●●登場人物●●●
・久保 直也(くぼ なおや)
学年・職業:会社員(イベント企画会社、一プロジェクトリーダー)
性別・年齢:男・27歳
性格 :NOと言えない日本人代表。フツウではない事を何度か目撃した事があるため抵抗がある。
・大原 権三郎(おおはら ごんざぶろう)
学年・職業:会社員(建築代行、平社員)
性別・年齢:男・36歳
性格 :大抵の事を笑って許し、情に厚い。喜びも悲しみも仲間で分かち合えると信じている。
●●●その他●●●
Q:誘える友人が居ないんだけど。
A:そんな時には一人酒、というのも良いかも知れません。奥の個室にご案内します。
必要でしたら直也か権三郎が絡みに行きますので、そういった旨をお書きください。
Q:泥酔した時はどうなるんでしょうか?
A:え…ええと、飲み過ぎは体に毒ですからね? 意識があるならタクシー、無いなら救急車で運ばれます。
Q:ところで居酒屋メニューは?
A:大衆居酒屋と同等と思ってください。おススメは若鶏の空揚げです。