シナリオ「ののこ ザ パーティー」

ののこザパーティー

イラスト：たちぺい／日下部ハルカ

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●輝く君の瞳は、いつも美しい
「パーティーがしたいの！」
　昼休み。北校舎の何の変哲もない学食には生徒達がいつも通り集まっている。各々がグループに分かれて会話や食事を嗜む。突然前触れもなく叫んだ野々ののこもその中の1人だ。

「パーティーって言ったって、どんなの？」
　テーブルの向かいでデザートの冷やし白玉ぜんざいを突つきつつ小倉もなかは聞き返した。白くてぷるるんと艶やかな、それでいて黒くてしっとりした衣をまとう白き団子を、もなかはその銀色に輝くスプーンにてすくう。口へと運び、一口、一口、ゆっくりと咀嚼してあんこの味を確かめた。
　――うん、これはこしあんだ。
　そんな孤高にグルメを堪能している彼女の目の前に、ののこは手にしていた雑誌を両手で突き出した。
「こんなのよっ」
　これでもかと言うくらいの真剣な顔つき。ののこが見せる眼差しに射抜かれて思わずもなかは口を止めた。
　世界のコーヒー・お茶。それが雑誌のタイトルだ。ののこはずっと持ち歩いていたのだろう。少し雑誌はくたびれていた。
「みんなと一緒においしいお菓子をたべながら、お茶やコーヒーを飲むのっ！」
　周りの一緒にランチを嗜んでいた同級生も手を止めて耳を傾けている。
「放課後にみんなで準備して、みんなで作って、みんなでパーティーを開いて！　そうすればきっと楽しいわ！」
　きゃっきゃとはしゃぐ彼女の顔は純真無垢だ。瞳は既に憧れで満ち溢れている。好奇心とは実に心を輝かせる。きっと頭の中はお菓子や紅茶などで満杯なのだろう。もしかすると色々な器具やカップなどを想像しているのかもしれない。
　さて食材はどうすべきか。茶葉やコーヒーは。カップやソーサーは備品を使えばいいとしてコーヒーや茶の器具はどうする。誰が買い出しを行い、誰が器具などを準備し、誰がお菓子を作るか。
　課題は色々あるが、ののこの言う通り自分たちで準備から開催まで行うのも楽しいかもしれない。
「じゃあ決まりだ、放課後みんなでやろう」
　誰かが言った。ざわざわと賛同が湧き上がる。
　という事で“ののこザパーティー”は瞬く間に広まっていくのであった。

ゲームマスターより

担当ゲームマスター

RAGING ARMS

マスターコメント

　やあ、RAだぜ。みんなわっふるわっふる？

　さて今回のシナリオについて。
　今回のキーワードはずばり“役割分担”だ！
　各自が各自で自らの役割を考え、計画し、行動する。そうやって結果を得る姿は、なによりも美しいと私は思うんだ。
　ののこはパーティーがしたいと騒いでいる。そんな彼女の欲望を実現できるのは、ＰＬでもあるキミ達だけだ！

　……と、さんざん煽りつつ、早速いろいろと説明へ。

●解説
　ガイドの内容はPC情報です。
　ここから先はPL視点で計画を練り、PCに実行させる形となります。
　行動を行う際には【行動選択肢】から必ず１つ選んでください。

【行動選択肢】
　Ａ：材料の準備
　Ｂ：場所・器具の準備
　Ｃ：お菓子の準備
　Ｄ：給仕
　Ｚ：一般人（難しい）

　Ａ～Ｃは並行して行われます。またＤはＡ～Ｃで行動していないPCが優先的に割り振られます。
　材料の準備は豆や茶葉の選定がメインとなります。技術よりもその知識を生かした役割が重要となります。
　場所・器具の準備は席の準備もさることながら、あちこちからパーティーに沿った器具を集める事も担います。かしこまってしまうような器具よりも、給仕が気楽に活躍できる器具が好ましいでしょう。
　お菓子の準備は大変です。手数もそうですが、レシピを知ってる人が大勢いると良いでしょう。ののこもこっそり毒見と称してつまみ食いするかもしれません。
　給仕に大切なのは、服装、そして淹れる技術！　そんなこだわりを披露したい人はＤを選びましょう！
　Ｚはよほどの自信がない限りはおすすめしません。

【家庭科室】
　白沢絢子先生いわく、「あら素晴らしいじゃない、好きに使ってね」とか。
　家庭科室には材料として、
　小麦、ショートニング、ベーキングパウダー、砂糖、塩、醤油、バニラエッセンス、紅茶（ティーバッグ）が。
　器具として、
　調理器具一式（コーヒー・茶器具除く）、カップ・ソーサー、皿、フォーク・スプーンがあります。
　足りない材料などはＡ班と相談の事。また使用した材料は実費で補充してください。
　Ｄ班からも淹れたいお茶やコーヒーを伝えておいたほうが良いでしょう。もしかしたらスパイスも必要になるかもしれません。

【会場】
　放課後の学食が使えます。
　汚したらきちんと掃除しましょう。

【準備について補足】
　時間内に仕上がることを前提としましょう。
　お菓子でも、時間がオーバーしそうなものは既製品の流用も視野に入れましょう。

【一般人について】
　外部の方も活動は可能です。ただし自らの立ち位置を理解したうえのナチュラルな行動が求められます。
　例えばの話、買い出しで高校生だけが店主と会話しても、子供の与太話と話半分にされる恐れがあるかもしれません。そんな時に豆や茶葉に詳しい大人がいると安心が出来るというものです。アルバイトでたまたま、なんてこともあるかもしれません。このＺは、どちらかと言うと日頃の姿がちらりと垣間見えたい人向けです。
　望んだような大活躍はないでしょう。また給仕など学校内部で行われる学生活動に関しても大人の介入は望まれません。
　了承の上で参加してください。

【予算について】
　１日に高校生が使える範囲の予算として、ここでは１人頭1,000円とさせていただきます。
　なお、カード支払いなどはＮＧとなります。