寝子高1年のとある少女は、仲の良い友人と一緒に図書館で勉強していた。
「この古典文法、よく分からないんだけど……」
「ここ? ここはね……」
頷きながら、少女は友人の説明を真剣な顔つきで聞く。
教科書を覗き込んで、説明する友人の目を見て、友人も顔を上げて少女を見る。
分かっている様子かどうかを確かめようとしたのだろう。
「……っ」
少女は思わず相槌を打つことができずに固まった。
「どうしたの? 顔真っ赤だよ?」
友人の言葉なんて耳に入らない。
『どれ、分からないの?』
見知らぬ黒縁眼鏡の少年に聞かれる。
以前この図書館で、ひとりで試験勉強に籠っていたときだった。
古典文法に悩んでいた少女に、手を差し伸べてくれた人。
『ここの……活用が分からなくて……』
『これは、「ない」を、動詞にくっつけて……』
『あ、あの、五月蝿かったですか?』
声をかけられたのは少女が五月蝿いからだと思ったのだ。
『あー、いや、同じ寝子高生だし、こないだ習ったから……まあただの親切心だと思って』
少年の説明は先生の説明かと思うほど分かりやすかった。
『あ、名前も知らないのに急に話してごめんな』
『う、ううん、助かりました。えと、あの、ありがとうございます』
結局そのまま校内では会えず終いだった。
なぜ急に彼のことを思い出したのか、少女には分からない。
「めっ……眼鏡って……いいよね……」
「ああ、うん。今度持って来ようか? 私いくつか持ってるから」
隣の友人が不思議そうな顔でそう答える。
「う、うん……」
思い出してしまったきゅんとした思い出、恋心。
それを隠すように、少女は曖昧に笑って頷いた。
こんにちは、鳴葉ゆらゆです。
こちらは、人と目が合うと、忘れていた恋心を思い出すシナリオです。
◆状況
誰かと目が合うと、「忘れていた恋心」を思い出します。
忘れていたのではなく「気づいてなかった恋心」に気づくこともあります。
恋心の対象は、
「目が合った相手」に対しての恋心のこともあれば、
「目が合った相手とは別の誰か」に対しての恋心のこともあります。
恋心の内容は、
「昔の恋心」のこともあれば、
「現在進行中の恋心」のこともあります。
【例】
・恋人のAさんとデートしてるときに目が合って、Aさんへの恋心を思い出す。
・恋人のAさんとデートしてるときに目が合って、前の恋人のBさんへの恋心を思い出す。
・友だちのCさんと部活の練習をしてるときに目が合って、Cさんへの恋心に気がつく。
・友だちのCさんと部活の練習をしてるときに目が合って、Dさんへの恋心を思い出す。
思い出しても口にしなければ、周囲に伝わることはありませんが、
人前で恋心を思い出して、平然としていられるかどうかは分かりません。
◆アクションについて
今好きな人がいる場合は、好きになったきっかけなど、
好きな人がいない場合は、恋をした思い出や当時は恋と思っていた誰かへの憧れなど、
どのような思いか、どのような場面かを自由にアクションに書いてください。
◆NPCについて
下記のNPCと会話をしたり、「NPCに対しての恋心を抱いていたこと」を思い出したりすることができます。
NPCとの会話などをご希望の場合は、平日の学校で、自然な場面でお願いします。
特定のNPCに「恋心を思い出させる」ことはできませんので、ご了承下さい。
(とくに絡む人がいなければ、リアクションには登場しません)
・三宅ゆり
・七夜あおい
・北風貴子
・五十嵐尚輝先生
◆注意点
今回のシナリオに参加していないPCさんへの恋心を思い出すことはできません。
対象となるのは、上記のNPCと、今回のシナリオに参加されているPCさんのみです。
ご参加お待ちしております。