寝子島高校は、そろそろ秋の通例行事、体育祭の時期を迎えます。
生徒たちの投票によって決定した今年のテーマ、
虹! で見た目にも学校を彩るべく、開催当日に向け、校内では飾りつけの準備などが進んでおりました。おお、レインボー!
そんな中。
「……ん? なんやアレ……?」
実行委員として忙しく立ち回っている
浅沼 柳司は、にわかにざわざわ、あたりが騒がしくなってきたことに気付きました。
「なンじゃァ、こりゃァ!!」
突如として現れた、丸々と太った巨漢の男はそれを手に取り、怒号のようなバカでかい声で叫びます。
「ネコミミだとォ!? 楽しそうなコトしてンじゃねェかコラァ!! 女子もいっぱいいて羨ましい!!」
ばちーんっ! と猫耳を地面に叩きつけ、ちょっとブタっ鼻の男はぎろり、周囲でヒきまくる寝子高生徒たちを睨むのです。
「俺ァ、マタ工の
田中 王苦(たなか おうく)ってモンだ!! てめェらの楽しい楽しい体育祭とやらを、ブチ壊しに来てやったぜオラァ!!」
なんと彼は、あの悪名高い、木天蓼工業高校からの刺客! ……っていうか、学生にはちょっと見えないのですけれど。
ともかく、皆の大切な体育祭、その開催を意味も無く邪魔しにやってきたと言うのです。大変だー!
田中と名乗る男……少年? の背後にずらずら、ずらりと並ぶのは、彼の部下らしき三人。
「ククク……体育祭を中止に追い込むなぞ、この
山田 透沌(やまだ すけるとん)の知略にかかれば、造作もないことです……クックッ、クッ、ごほごほごほっ。おえーっ」
まるでガイコツのようにガリガリに痩せた、眼光鋭い長身の少年。今にも倒れそうにひょろひょろ、というかもう何も無いのにむせ込んじゃったりしておりますが、まぁいかにも悪知恵が働きそうなタイプです。
「アタイの名は、
佐藤 御舞鈴(さとう ごぶりん)! 寝子高を血の池に沈めてやるぜー! ……っつーか田中さん、女子ならアタイがいるじゃないッスか……なんつって、ごにょごにょ」
リーダーの田中に何やらアツい視線を送るのは、紅一点である少女。三白眼でいささか目付きが悪いのを除けば、それなりに可愛くも見えます……手にメリケンサックとか嵌めてなければ。
「へへっ! オイラ、
鈴木 零斗(すずき こぼると)のスピードについてこれるかなっ? ……あれあれ、くんくん、なんかいいニオイがするぞぅ。どこかでお菓子でも作ってるのかなぁ?」
いかにも身軽そう、小中学生めいて小柄な彼は、何やらすんすんと鼻を鳴らしています。どうやら家庭科室あたりから漂ってくる甘い香りが気になっているようで、しきりに匂いをかぐその様はまるで小動物のよう。
とまぁ、そんなわけでして。
「俺たちにかかりゃァ、ネココーなんぞイチコロよ!! おうお前ら、ヤッちまいなァ!! あ、可愛い女の子は俺ントコ連れて来いな!!」
「「「応ー!!」」」
田中の号令で、彼らはドドドーッと動き出しました。
このままでは、マタ工の由緒正しき不良たちによって、
体育祭が中止に追い込まれてしまいます!
誰か、何とかしてーーー!!
「ったく。しゃあないなぁ……」
彼ら不良たちの行動は、ちょっぴりウカツだったと言わざるを得ません。
何せ、彼らが目の仇にする寝子高には、これも実行委員の務めとばかりに動き出した柳司を始め、腕っ節には少々自信アリ! な方も、案外けっこーいらっしゃるわけでして。
「せっかく皆で作っとるもんを、壊されるわけにはいかんのや。
すこーし痛い目、見てもらおか?」
墨谷幽です。
今回は、浅沼 柳司さんにガイドへご出演いただきましたー、ありがとうございました!
最初に挙げたヤンキー漫画のタイトルで、その人が青春を過ごした年代が分かってしまうのです。
私の場合は……(言いかけ、そっと口をつぐんだ)
このシナリオの概要
寝子高の体育祭をブチ壊しにしてやろうと乗り込んできた、木天蓼工業高校の四人の不良たちを、どうにかして撃退してください! といったシナリオになります。
シンプルにパンチ&キックの肉体言語でコトを成し遂げても構いませんし、何かしら変化球的搦め手を考えていただいてもOKです。
とはいえあまり難しく考えず。
体育祭へ賭ける情熱、もしくはノリとかイキオイとかで、まー適当に何とかしましょう!
ちなみに、マタ工には体育祭とか無いそうです。
完全にひがみだこれー!
アクションでできること
不良たちが主に狙っているのは、『体育祭に向けて製作中の飾りつけや備品の物的損害』『体育祭実行委員などの重要人物への人的損害』を与えることです。特別な事情(PCさんの干渉)が無ければ、彼らはこの狙いに沿って行動します。
ご参加の際は、以下の三通りの中から近いものを選んでいただき、その中で自分らしいアクションを考えていただけましたら。
皆さんで一つのことに注力されても良いですし、それぞれやりたいことをやっていただいてもOKです。こちらで纏めますので!
【1】ブン殴って蹴っ飛ばす!
身体能力に自信アリな方はこちらへ。
ケンカの腕っ節や修めた武術を披露したり、何かの武器などを使って戦うという方もこちらになります。
ただ、不良たちはあれでけっこー強いです。ちょっとした攻撃系ろっこんにもいくらか耐えるくらい。
【2】作戦を練って対抗する!
知略を張り巡らせて、アタマでどうにかする方はこちらへ。
不良たちには、それぞれ何かしら弱点とか趣味嗜好などがあるようですので、そこをうまく突いていただければ。
色仕掛けで篭絡ーとか。食い物で釣るーとか。
【3】その他
それ以外のことをされたい場合はこちらへ。
ケガ人の救護に回る、壊されてしまった備品を修理、そもそも関わらないで見守る、などなど何でも構いません。
上記二つもそうですが、校内で出来そうなことでしたら大概は対応させていただきますので、自由な発想でどうぞ!
アクションには、
・参加にあたっての心情
(体育祭は俺が守るぜ!、不良とか怖いし…、こいつはメチャゆるさんよなあああ、など)
・どんな風に行動する?
(男らしくブン殴る、救急箱抱えて後方支援、屋上でのんびり観戦、など)
・一番の見せ場、キメゼリフ!
といったあたりをお書きいただけましたら。
どう撃退するか、よりどう自分の活躍を魅せるか、くらいのほうが楽しいかも知れません。
その他
●参加条件
基本は寝子島高校の生徒さんが対象となります。
ただし、何か不自然でない理由付けがあれば、どなたでもご参加いただいて構いません。
●舞台
寝子島高校の敷地内が舞台になります。
グラウンドや校舎内を含め、不良たちは勝手気ままに暴れ回るつもりです。
●NPC
○田中 王苦(たなか おうく)
不良たちのリーダー格。でっぷり太った巨漢。パワータイプ。
寝子高女子にただならぬ執着を見せていますが、彼女いない暦=年齢。意外と奥手で純情です。
○山田 透沌(やまだ すけるとん)
田中の右腕。ガリッガリでヒョロッヒョロのもやし。参謀タイプ。
主に不良たちの行動を指示しているのは彼ですが、極端に身体が弱く、常にふらふらしています。
○佐藤 御舞鈴(さとう ごぶりん)
紅一点。結構ナイスバディでマタ工男子の人気が高いものの自覚ナシ。バランスタイプ。
リーダーの田中が気になりつつも、寝子高の楽しい雰囲気はブチ壊してやりたいと思っています。
○鈴木 零斗(すずき こぼると)
下っ端。小学生にも見えてしまうくらいのチビッ子。スピードタイプ。
精神年齢が低く小生意気な悪ガキ。甘い物には目がありません。
※また、必要があれば以下のNPCに救援を求めることも可能。
○海原 茂
【1】に参加。読書の邪魔をする騒がしい輩には、容赦なく電撃を浴びせてやるつもりです。
○剣崎 エレナ
【2】に参加。何か的確な助言をしてくれるかも。ちなみに不良たちの無体に、若干キレ気味。
○鷲尾 礼美
【3】に参加。ケガの治療、ちょっとしたお薬の処方などをしてくれます。
●備考や注意点など
※上記に明記されていないNPC、及び今回のシナリオには参加していないPCに関するアクションは基本的に採用できかねますので、申し訳ありませんが、あらかじめご了承くださいませ。
以上になりますー。
自分のPCならこんな風に動く! あんな風に活躍させたい! という感じで楽しくご参加いただければと思います。ノリで!
それでは、ご参加をお待ちしております~!