じりじりとアツく、そして賑やかだった夏も過ぎ去り。次第に秋めいて、涼しげな風も吹き抜けるようになってきた、9月の寝子島。
「…………?」
寝子島小学校へと続く、通学路でのことです。
今日もお気に入りのランドセルを背負い、ぬいぐるみの好好(はおはお)と一緒に登校中の
劉 瑞麗は、きょとん。首を傾げた視線の先には、なにやらじいっと、何かを見つめている男の子の姿がありました。
「わぁ、おもしろそうだなぁ……!」
瑞麗が近づいてみると、
二宮 風太がぱちくりと眺めているのは、道の端に据えられている掲示板にぺたりと張り付けられた、一枚のプリントのようです。
ひょいと肩口から覗き込み、
「何、見てる?」
「あ、おはよー! えっとね、これ、見てたんだー」
笑顔の風太が指差した紙には、こんなことが書いてありました。
☆★☆『ノラネコ会』に、みんなあつまれ~っ!☆★☆
みんなはいつも、お外であそんでいるかな? おうちの中で、ごろごろしてばかりいないかい?
『ノラネコ会』は、お外でおもいっきりカラダをうごかしてあそぶ、たのしいイベントだよ!
■こんなあそび、しってるかな?■
◆カンケリ◆
オニにみつからないように、あき缶をけっとばすあそびだよ。
ともだちがオニにつかまったら、缶をけってたすけてあげよう!
◆ケイドロ◆
ケイサツとドロボウにわかれて、おいかけっこ!
キミはケイサツ? それとも、ドロボウ?
ひにち・じかん :
○がつ
×にち
△△じ から
ばしょ :寝子島小学校のちかくの、
風の原公園(かざのはらこうえん)
みんなであつまって、いっしょにたのしくあそんじゃおう!
ともだちだって、たくさんできちゃうぞ!
寝子島高校の、たいいくのせんせい
浅井 幸太(あさい こうた)より
「ノラネコ会……」
「ねっ、おもしろそうだよね!」
どうやらそれは、子供たちへ色々な外遊びのやり方を教えて、その楽しさを知ってもらったり、友達作りの場所を提供しよう! といった趣旨の、ちょっとした催しごとのようです。
「ねえ、いってみようよ! きっと、楽しいよ!」
すっかりその気の風太は、明るい笑顔で、瑞麗を誘ってくれます。
「るいりは、どうしよう?」
何だかわくわくするような、楽しいイベントになりそうな。そんな予感と一緒に、好好をきゅっと胸へ抱きながら。
瑞麗はもう一度、その紙を見上げました。
墨谷幽です、よろしくお願いいたします~。
今回は、劉 瑞麗さんにシナリオガイドへご登場いただきました。ありがとうございました!
子供は風の子、たまにはお外に出て遊びましょう! と、超が付くインドア派な子供だった私が主張してみます。
このシナリオの概要
昨今は、外で身体を動かして遊ぶ子供がめっきり減っているそうです。おかげで彼らの基礎体力の低下は著しく、一昔前の世代に比べれば、その運動能力は一回りも低くなってしまっているのだとか。
そうした現状の原因は、ひとえにテレビやパソコン、ゲーム機の普及などに伴って手軽な室内での遊びが増えたことだけでなく、塾や習い事などの校外学習時間の増加、また時間はあっても外遊びをする場所や共に遊ぶ仲間が確保できないといった、人々の意識や私たちを取り巻く環境の変化にもよるものであり、ゆくゆくは社会全体における運動能力の低下、抵抗力の低下による生活習慣病の増加なども懸念されており……。
といった、むつかしいところはさておきまして。
そんな子供たちの現状を嘆いた、寝子高の熱血体育教師・浅井 幸太先生が発足したのが、『ノラネコ会』です。
今回のシナリオはその第一回目の催しで、主に小学生のPCさんを対象に、元気良くお外で遊びましょう! といったお話になります。
アウトドア大好き、お外も大好き! な子はもちろん、身体を動かすのはちょっと……という控えめな子でも、明るい浅井先生や二宮くんが誘ってくれますので。
どなたもお気軽にどうぞ!
アクションに書いていただきたいこと
小学生の方が主な対象となりますが、それ以外の方にもご参加いただけます。
参加するキャラクターの年齢により、アクションは概ね以下の二通りに分けられます。
【1】外で身体を動かして遊ぶ!
小学生のPCさんは、こちらになります。浅井先生が、二つの外遊びを教えてくれます。
なお、ローカルルールなど地域によって違いがあるかと思いますが、今回は下記のようなごく基本的なルールで行うこととします。
○缶けり
1.『鬼』を一人(または数人)と、缶を置く場所を決める。
2.鬼以外の『子』が缶を蹴り、鬼がそれを取りに行っている間に、子は隠れる。
3.缶を決めた場所に置いたら、鬼は子を探しに行く。
4.鬼が子を見つけたら、子の名前を大声で呼んでから缶を踏みに戻る。
子より先に踏むことができれば、呼ばれた子は所定の場所に捕われる。
5.子が鬼より先に缶を蹴ることができれば、捕われた仲間は再び逃げることができる。
6.鬼が全ての子を捕らえるか、一定時間が経過すると終了。
○ケイドロ
1.『ケイサツ』グループと『ドロボウ』グループに分かれる。
2.ケイサツは、ドロボウを全員逮捕(タッチ)すれば勝利。
ドロボウは、ケイサツに捕まらずに一定時間逃げ切れば勝利。
3.逮捕されたドロボウは、『牢屋』へと連行され移動を禁じられる。
4.逮捕されて牢屋へ連行中、または牢屋に入れられたドロボウに仲間がタッチすると、再び逃げることができる。
※鬼やグループ分けは、みんなでジャンケンをして決めます。
(こちらでランダムに振り分けさせていただきます)
PCさんがルールを知らなくても、先生が優しく教えてくれますので、問題はありません。
細かい点や齟齬などはこちらで擦り合せますので、とにかく楽しく!
アクションには、
・どちらの遊びに参加する?
・参加に際しての心情
(ノリノリで参加、友達に誘われて仕方なく、覗いてみたら楽しそうだったから、など)
・身体を動かすのは得意? 苦手?
・どんな風に遊ぶ?
(缶ケリで全力疾走スライディングシュート、ケイドロで仲間を助けるのに尽力する、など)
といったあたりをお書きください。
【2】子供たちに、遊びを教えるお手伝いをする
小学生以外のPCさんは、こちらになります。
浅井先生のお手伝い、ちょっと年上のお兄さんお姉さんとして、子供たちの遊びをサポートする役回りです。
アクションには、
・参加に際しての心情
(子供好きだから、昔が懐かしかった、浅井先生の手伝いがしたくて、など)
・運動は得意? 苦手?
・遊びについてどのくらい知っている?
・どんな風に子供たちと接する?
(あくまで優しく丁寧に、転んだ子供はあえて手助けせず見守る、など)
といったあたりをお書きください。
その他
●参加条件
主に小学生の方が推奨となります。
が、上記にありますように、それ以外の方もご参加いただいて構いません。
●舞台
寝子島小学校の近くにある、『風の原公園(かざのはらこうえん)』が舞台になります。
たくさんの子供たちが遊ぶのに充分な広さに加え、鉄棒やブランコ、砂場など一通りの一般的な遊具もあります。
●NPC
○浅井 幸太
寝子島高校の体育教師。今回の発起人です。
子供たちに楽しんでもらおうと張り切っています。
○二宮 風太
寝子島小学校の2年生。元気ハツラツな男の子。
缶けりに興味津々のようです。
●備考や注意点など
※上記に明記されていないNPC、及び今回のシナリオには参加していないPCに関するアクションは基本的に採用できかねますので、申し訳ありませんが、あらかじめご了承くださいませ。
以上になります~。お子さんの元気な姿を、生き生きと描けたらと思っています。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております~!