――9月1日の朝
長かった夏休みも終わり、小学生、中学生、高校生達は行きなれた道を歩いて行く。中には転校したばかりで不慣れな者もいるだろうが、その足取りは軽かったり、重かったりとさまざまだ。
そういった生徒の一人、
鉄 時尾もまた家族に見送られ家を出た。夏休みの間に憶えた道を歩けば、学校へ向かうであろう中学生達の姿を覚え、少し安堵する。しかし、新しい環境になじめるか、時尾は少しだけ緊張していた。
(大丈夫でしょうか……)
内気で人見知りが激しい時尾は、黒髪を揺らしながら不安げに歩き続ける。けれども、そんな彼女に気づいたのだろう。笑いかける者がいた。茶色い髪を短く切りそろえた彼は明るく元気な声を時尾にかけた。
「おはよう! 見かけない顔だね。転入生?」
「お、おはようございます」
時尾が(相手が異性であった事もあり)少し戸惑い気味に挨拶をすれば、上級生っぽく見える彼はにっ、と笑った。
「俺は
青木 慎之介 。寝子中の2年だ。なんか緊張してるっぽいけどさ、うちの中学校っていいやつらばかりだからファンキーだぜ♪」
「そ、そうですか?」
慎之介の笑顔に、時尾は少し微笑んだ。気づけば、ちらほらと2人に気づき声をかけてくれる者が出、そのやさしさに緊張も少しほぐれていく。
「うん、いいスマイル! 学校でエンジョイしようぜ~」
「は、はいっ……」
1つ頷いて先に行く慎之介。時尾は彼の背中をしばし見送り、再び歩き始めた。
朝の風に混じる彼らの声は小鳥の囀りの如く街に流れ、夏休みの話やら、宿題の話やらに花が咲く。
ともかく、今日から彼らはみな、2学期を迎える。さまざまなイベントがまだまだ待っている日々のスタートラインに子ども達は並んだのだ。
一方大学生達はまだまだ続く夏休みのさなか。まどろむ者、バイトに精を出す者、旅する者……とこちらも個性豊かに1日を過ごす。その中で学校へと向かう子ども達の姿を見て懐かしく思うのだろうか?
そして、夏休みという蜜月が遠い思い出となった大人達は今日もまた普段どおりの一日を刻み始める。街行く子ども達や若者達の姿を見、嘗ての自分に思いを馳せる者も少なくは無いだろう。
ふと、貴方は気がつく。この風はどこか優しい花の香りがする。するとどうだろう、自然と笑顔になり、明るい気分になっていく。今なら素直に感謝の言葉も言えるかもしれない。
さて、貴方は、どんな1日を過ごすのだろうか?
菊華 伴です。こんにちは。
今回は寝子島の9月1日を描くシナリオを担当させていただきます。
年齢によって描写されるシーンが変わってきますのでご注意ください。
皆さんはこのちょっと特別な日をどんな風に過ごしますか? 天気は良好です。
小学生、中学生、高校生
始業式が中心となります。
宿題を持っていったり、先生のお話を聞いたり、久しぶりに会った友達と遊んだり、大掃除したり。
転校生の紹介も行われるでしょう。
以下から描写して欲しいシーンを1~2つ選んでアクションを書いてください。
◆登校
小学校は子どもが大好きな雨宮校長先生が、笑顔で待ってます。
中学校は“ざあます言葉(山の手言葉)”の杉村校長先生がざあますざあます言ってるざあます。
寝子高では風紀委員長の北風 貴子が、他の風紀委員数名とともに目を光らせています。
◆始業式
小学校は、校長先生がサンマさんの着ぐるみをきて登場して、子どもたちを喜ばせます。
中学校は、校長先生が登下校時のルールや身だしなみについて話していますが、みんなあまり聞いてません。
寝子高の雨宮校長は、やはりシトラス・ガムダンの話をするようです。
◆ホームルーム
クラスに分かれて担任の先生から話を聞いたり、転校生の自己紹介があります。
担任の先生は、必要に応じて(アクションにあれば)登場します。
(まだ決まっていない先生も登場しますが、性別や年齢などの指定はできません)
小学生は、夏休みの宿題(自由研究と絵日記)を提出してください。
中学生と高校生は、夏休みの宿題(プリントなどどっさり)を提出してください。
寝子高では、体育祭実行委員会を決めます。他の生徒会・委員会との重複は可能です。立候補で決まります。
◆大掃除
グループごとに、校内を掃除します。
グループと掃除場所は学校から指定される設定ですが、実際はアクションに自由に書いて構いません。
◆放課後
友だちや先生と話をしたり、借りてた本を図書室に返したり、自由に過ごしましょう。
小学生は、校庭や体育館で遊んだりできます。
中学生と高校生は、早くも練習を始める部活もあるようです。
中学は購買室、高校は購買室と学食が既にオープンしてます。
◆下校
小学生は、お昼前に下校です。気をつけて帰りましょう。
中学生は、夕方までに。下校中の買い食いやゲーセン通いは校則違反です(アクションとしては可能です)。
高校生も、夕方までに。
登場する生徒NPC
今回は下記のNPCが登場します。
小学校:桃井 かんな
中学校:青木 慎之介
高校:北風 貴子、野々 ののこ、南波 太陽
大学生、社会人
木天蓼大学は9月中旬までは夏休みですが、本日(予定を前倒しして)寝子島キャンパスが正式オープンします。
社会人は、人それぞれですね。
9月1日をどんな風に過ごすのか自由に書いてください。
特に書いて欲しい時間帯やシーンを1~2つ選んでアクションを書いてください。
・朝(午前8時まで)
・午前(正午前まで)
・昼下がり(午後3時まで)
・夕方(午後7時まで)
・夜(日付変更ぐらいまで)
舞台は、寝子島の中であればどこでも構いません。
簡単に行けないところはお控えください。
※花の香りがする風について
神魂の影響を受けた風が時折吹いています。
この風の香りを嗅ぐと、心が軽くなって明るい気分になります。
素直に感謝の気持ちが言えたり、じゃれ合いたくなったり、
他人の長所や魅力に気づきやすくなります。
場合によっては急に歌いたくなったり、気前良く奢りたくなったりする人もいるかもしれません。
それでは宜しくお願いします。