それはもうすぐ夏休みも終わろうというある日のこと。
「あら?」
お友達と寝子ヶ浜に遊びにきていた
仲村渠 鳴さんは奇妙な『のぼり』のあがった海の家を発見しました。
その『のぼり』曰く、
『冷やし中華、始められませんでした』
「……なんだかすごい悲壮感がただよってるわね」
少し冷や汗を流しつつ、鳴さんは麦わら帽子を取ってまじまじとその『のぼり』を見つめます。
(冷し中華、どうして始められなかったのかしら?)
そんなことを思いつつ、こっそりお店の中を覗くと。。。
「orz」のポーズで嘆いている店のおじさんの姿が。
「…………」
鳴さん、思わず言葉を失ってしまいます。
(……なんだか可哀想ね。なんとかしてあげられないかしら?)
鳴さんはそっと店の中に入ってみます。
すると、そこには鳴さんにとっては大変懐かしい『あるもの』の姿が。
「……シーサー?」
それは鳴さんの故郷、沖縄で魔除けの一種に使われているシーサー像。
いいえ、それだけではありません。
よく見れば海の家全体がどこか沖縄を思い起こさせるような、そんな意匠になっているではありませんか。
(なんかおばあちゃんの家に行ったときのこと、思い出しちゃうな……)
淡い望郷の念が鳴さんの胸を満たします。
話を聞いてみれば、店のおじさんも沖縄出身。
ますます他人事とは思えなくなった鳴さんはおじさんから冷し中華を始められなかったある理由を訊き出します。
(なんとかしてあげたいけど、あたし一人じゃ――)
そう思ってふと店の外を振り返ると、そこには彼女と同様に、奇妙なのぼりに気がついた大勢の人々の姿が。
どうやら、みんな冷し中華やおじさんのことが気になって仕方がないようです。
鳴さんは「うん」と小さく決意を込めて頷くと、おじさんに「ちょっと待ってて」と言ってパタパタと店の外へ飛び出し、それからみんなに向かって大きな声で言いました。
「ねぇ、みんな! 突然だけど、おいしい冷し中華が食べたいと思わない?」
さて、彼女たちは無事に店のおじさんの悩みを解決して、おいしい冷し中華にありつくことができるのでしょうか?
☆このガイドは焼きスルメMS様よりアイデアを頂戴しました。
というわけで、ごきげんよう。怖れを知らない新人MS――水月 鏡花です。
大ベテランからアイデアを拝借させて頂くことになり、その名に恥じないリアを書けるか戦々恐々としております。
しかし、何事も挑戦ということで全力で挑ませて頂く次第です。
なお、今回はPCの仲村渠 鳴さんにガイドにご登場いただきました。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
もし、シナリオに仲村渠 鳴さんが登場しなかった場合は何かやむにやまれぬ事情で帰られたのだとご理解ください。
さて、今回はみなさんに海の家のおじさんの悩みを解決して貰います。
ちなみにおじさんはいったい何を悩んでいるのかというと。
『冷し中華の具材が決まらない』
だそうです。
というのも、このおじさん、どうやら今までにない一風変わった冷し中華を作ってみたいらしいのです。
新しい商品でお客さんを喜ばせたい。
食べ物やさんなら誰もが一度は考えることでしょう。
しかし、このおじさんどうにもちょっと(ちょっと?)ズレたところがあるらしく、
若い女の子に受けるスイーツな冷し中華としてチョコミント冷し中華とか(歯磨き粉っぽい味がしたそうです)、
逆転の発想であえて冷し中華を温めてみるとか(それもう冷やし中華じゃありませんよね?)、
そんな感じでトンデモ商品ばかりつくって失敗の連続だそうです。
このままではいつまで経っても新商品が完成しそうにありません。
なんとかまともな商品を完成させて、おじさんの願いを叶えてあげてください。
なお、使用できる食材(?)は以下の通りです。
・アボカド
・アセロラ
・海ぶどう
・グルクン(タカサゴ)
・中華麺
・おきなわそば
・青菜
・あんこ
・あなご
・アケビ
・アワビ
・アイスクリーム(バニラ・チョコ・イチゴ・ミント)
・いんげん
・いちご
・シークヮーサー
・パパイヤ
・イギリスパン
・うなぎ(養殖)
・エリンギ
・えのき
・えんどうまめ
・卵
・きゅうり
・カニカマ
・ハム
・しいたけ
・ひじき
・しめじ
・ツナ
・もやし
・コーン
・トマト
・鶏肉(もも・むね)
・たまねぎ
・キャベツ
・ハバネロ
・豚肉(バラ・ロース・しゃぶしゃぶ用・ハム・ベーコン・ソーキ(あばら肉)等)
・冷麺のたれ(市販)
・いりごま
・その他一般的調味料類(塩・砂糖・醤油・酢・酒・胡椒・七味・からし・黒糖等)
・ショウガ
・ニンニク
・チンゲンサイ
・豆乳(成分調整・無調整)
・わかめ
鍋や包丁、コンロなどの調理器具は海の家に一通りそろっています。
なお、おじさんは参加者全員分の試食をする都合上、全部少しずつしか食べてくれません。どんなカオスな冷し中華が完成しても、作成者は責任をもって全て完食するのがマナーです。
ちなみに、見事に新商品が完成した暁には、お礼に後日全員に無料で完成品を振る舞ってくれるそうですよ。
それでは物語の始まりです。
*なお、あらかじめコメントページ・掲示板などで自分のレシピを公開しておくとほかのPCさんから突っ込みアクションが貰えるかもしれません。(ボケ・ツッコミ希望の場合はアドリブ度S推奨)