じりじりと太陽が肌を焼く。空は、雲一つない快晴。
「あ、待った?」
待ち合わせ場所に遅刻した少女は、先に待っていた少年に悪びれることもなく声をかけた。
「うん、まあ……何してたの?」
「野良猫が可愛かったから、追いかけてみた」
自由すぎる少女の言葉に、少年は返す言葉もなく「そっか」と呟くのがやっとだった。
今日もまたこの調子なのかな、ともやもやしていると、
「ほら、とっとと行くわよ!」
少女は少年を急かして、少年の右手を掴んだ。
そのときだった。
空からポツリポツリと、小さくて冷たい粒が降ってきたのだ。あられだった。
「いたっ」
慌ててついてきた少年は、少女の背中にぶつかった。
少女は立ち止まり、手を繋いだまま空を見上げていた。
不思議なことに、先程まで快晴だった空は、突然灰色の雲に覆われてあられを降らせていたのだ。
「夏でしょ……?」
驚いて呟きを漏らす間に、あられは強く降り出す。痛い。雨よりも粒が大きいから当たり前だ。
あられを遮るため、2人は繋いでいた手を離した。
そのときだった。
今度は別の不思議な現象が起きた。
『弱々しいけど、芯はかっこいいのよね』
突如として聞こえた声は、少女の声だった。
口から言ったわけではない。まるで、心の声が漏れたような。
「え……?」
少女は口を押さえて戸惑い、少年は耳をおさえて戸惑った。
『たまにデレたときが可愛いんだよ』
今度は、少女と同様に、少年の心の声も漏れたようだ。
少女は顔を赤らめて、声を荒げた。
「な、なんで急に……って何言ってるのよ!」
「あ、いや、うん……?」
2人は気まずくなって、しばし立ちつくしていた。
手を離したときに、あられは降りやんでいた。
空は最初と同じく雲一つない快晴である。
「あー……」
少年は何かに気がついたようだ。
さっと少女の手を握ると、歩き出した。
すると、空が一気に薄暗くなり、今度はふわりと雪が降ってきた。
「なるほどね」
神魂の影響による不思議現象には慣れているのか、もれいびの少年は確信した。
「手を繋ぐと天気が変わる。手を離すと天気が元に戻って、心の声が聞こえる……ということかな」
「は? なにそれ」
ひとである少女はそうそう呑み込めるものではない。
少年は今日はじめて男らしく、余裕を見せて言った。
「異常気象みたいなものだよ」
少女は思わず声高らかに叫んでいた。
「い、異常気象にも程があるでしょー!」
こんにちは、鳴葉ゆらゆです
よろしくお願いいたします
誰かと手を繋ぐと、繋いでいる間、自分たちの周りだけ、天気が変わってしまうようです
また、手を離すと、相手へ抱いている好意的な思いが1つ漏れます
【目的】
手を繋ぐと不思議なことが起こるこの日を、自由に過ごしてください
【舞台】
寝子島
【時間】
正午から日没まで
【本来の天気】
雲一つない快晴です
【変わる可能性のある天気】
晴れ、曇り、小雨、大雨、雷雨、みぞれ、あられ、ひょう、霧、強風、竜巻、雪
【手を繋いでいるとき】
・手を繋いだ瞬間に、繋いだ手を中心にして、基本的に半径25メートル範囲で天気が変わります。
もしかすると、もっと狭い範囲だったり広い範囲だったりすることもあるかもしれません
・繋ぐごとに違う天気になりますが、連続して同じ天気になることもあります
・半径25メートル内に繋いだ手が2つあった場合、それぞれの天気が被ることもあります
例)3人GAで、3人が同時に手を繋いだ場合、
晴れているのに雨が降っているという天気になる可能性があります
・手を繋いだときに、どの天気になるのかを、必ずアクションに書いてください
【手を離したとき】
・手を離す度に、相手について秘めている好意がお互いに1つ漏れます。これは自分と相手にしか聞こえません
・漏れる好意には、恋愛感情としての好意だけでなく、かっこいい、気に入っている、などという意味の好意も含めます
●手を繋がずに握手をした場合も、握手をしている間だけ、同じように天気が変わります。
その後に手を離せば、相手への好意が1つ漏れます
1人参加して、参加のPCの手繋ぎによる天気の影響を受けて楽しむ、
GA参加して、手を繋いで変わる天気を楽しむ、
手を離して相手への好意が漏れ、慌てながらも交流を楽しむ、
など自由に不思議な夏の日の午後を過ごしていただけたらと思います
ご参加お待ちしております