運のない寝子高一年七組・柿内 大和(かきうち やまと)。
彼の運がなくなった原因。
それはある人物との出会いからであった。
「ん?」
場所は寝子島シーサイドタウン駅前。
学校から帰宅中の大和は、真っ黒なフードマントに身を包んだ異様な人物と出会う。
子供かと思うほど小柄なその人物はすぐに大和に気付き、鋭い視線を大和へと向けた。
一瞬たじろぐ大和であったが、
「占いはいかが?」
と、声をかけられる。
その声で初めてその人物が女の子であると気付く。
不審に思いながらも少女に近付くと、彼女は再び口を開いた。
「あなたから邪悪な何かを感じる」
「え?」
大和の全身をゆっくり見ていた少女の視線がある一点で止まる。
それは大和の左手首にしてあった腕時計だった。
「この腕時計がどうかしたか?」
「その時計はあなたに災いを呼び込む」
少女が告げると同時、大和の左手首から腕時計が消える。
そしていつの間にか少女の手にそれはあった。
「あー! 何勝手なことしてるんだよ!」
取り返そうとすると、少女の姿がその場から消えてしまった。
(お、おばけ?)
青ざめた大和は声も出せずに自宅へと逃げ帰った。
その日以来、大和に不運が襲いかかる。
ある時は車にはねられそうになり、またある時は知らない男達の喧嘩に巻き込まれたり……。
いずれも怪我で済んではいるものの、一歩間違えれば大事に至る数々の出来事に大和は恐怖した。
また、傷の絶えない彼を見た寝子高生徒達も次第に気味悪がりはじめ、妙な噂までたち始めた。
「彼の近くにいるとツキに見放される」
「悪霊に取り憑かれている」
大和は原因があの少女にあると考え、ねこったーに情報を公開した。
そこには大和自ら描いた少女の人相書きと、一緒に探して欲しいというお願い。
すると、他にも似た少女に出会った事で同じ境遇の人間がいる事を知る。
彼らに共通している事は、いずれも所持品を一つ少女に盗られたということ。
このままでは不幸な人間が増えていくだけ。
大和は「共に少女を見つけて運を取り戻そう」と呼びかけた。
そして、そんな自分達に協力してくれる勇気ある人間を募集するのだった。
ゲームマスターの裕竜です。
不思議な少女との出会いによって不運が続くようになった柿内大和。
しかも、その大和と一緒にいる人間も不幸に襲われるというおまけ付き。
大和はねこったーで同じ境遇の人間がいることを知り、
彼らと共に原因と思われる少女を捜す協力者を募集。
集まった情報からわかる手がかりは、
少女がシーサイドタウン中心に出没していることと、みんなの記憶にあるその容姿だけ。
◆PCの立場とアクション
・大和と知り合いでも、他人でも構いません。
・不思議な少女と出会って物を盗られ、不運が続く状況でも、
不思議な少女とまだ出会ってなくて、不運が特にない状況でも、どちらでも構いません。
・不思議な少女で出会うと、物を盗られる可能性があります。
何を盗られるか、アクションに記載してください。
記載がない場合は、マスターが判断します。
◆不思議な少女の情報
・真っ黒なフードマントに身を包んでいる。
・射抜くような鋭い目つきで睨んでくる。
噂が本当だとするならば、やがて寝子島全体が大和たちの不幸に包まれてしまうでしょう。
不幸が付きまとう大和たちと一緒にその少女を捜す勇気ある人の参加お待ちしています。