それは、風ひとつない暑い日でした。
夏休みとはいえ平日の昼。
照り付ける日差しの下、シーサイドタウン駅前はあまり人がいませんでした。
駅前を通りかかった
串田 美弥子のポケットから、ハンカチが落ちました。
たまたま後ろを歩いていた、大きなうちわを持った
海原 茂がそれを拾います。
「おい、落ちたぞ」
「あ、ありがとうございます」
美弥子がお礼を言ってハンカチを受け取り、再び歩き出した時。
「ハ……ハ……ハークション!」
茂が突然大きなくしゃみをしました。
「えっ?!」
茂の後方から突然風が起こったと思うと、美弥子のスカートがぶわっとめくれ上がりました。
「や、やだっ!」
振り向けば、むっつりスケベで有名な生徒会長がこちらをじっと見つめています。
手に大きなうちわを持って……
茂は、美弥子の視線が自分とうちわに向いたことに気づきました。
「いや、誤解だ! 持ってるだけだ。扇いだりはしてない!」
うちわはさっき店でもらったもので、そんなつもりで持っていたわけでは断じてないのです。
おまけにうちわは動かしていません。茂はただくしゃみをしただけなのです……
とはいえこの状況はあまりにも不利と悟り、茂は踵を返し逃げ出しました。
「逃がさないわ。ムッツリ会長にロックオン!」
美弥子が何気なく茂を指差していいました。
その途端、彼女の指から雷鳴と共に雷が飛び。
ビリビリビリ!
「あれ? なにこれ。私のろっこんこんなのじゃない」
美弥子は呆然と、指先とアフロ頭になった茂を見つめます。
「それはオレのろっこんだ……」
哀れ感電した茂はその場にくずおれました。
「えっ、それじゃさっきの風もまさか……」
美弥子はようやく、自分たちの身に起こったことに気づいたのでした。
こんにちは、天村花海です。
かつて「中の人など……ちぇんじ!」で心と体が入れ替わる事件が起きましたが、今回はそれのろっこん版です。
※「中の人など……ちぇんじ!」を事前に読んでおく必要はありません。
もれいび同士ならろっこんが入れ替わり、片方がひとならもれいびがろっこんを失いひとがろっこんを使えるようになります。
ひと同士だと何も起こりません。
1対1だけでなく3人でA→B→C→Aと入れ替わることも可能です。
神魂の影響ですので1日くらいで元に戻りますが、どうにかしようと試行錯誤しているうちに、ろっこんだけでなく体そのものも入れ替わる場合もあります。
(「中の人など……ちぇんじ!」の状態です)ご注意ください。
入れ替わる相手を指定したい場合はGA推奨です。
指定がない場合は、こちらで勝手に決めさせていただきます。
ちょうどいい組み合わせの相手がいなかった場合のみNPCと入れ替わる場合もあります。
入れ替わったろっこんの発動条件はなんとなく分かることにしてもいいですし、わからないままでもいいです。
アクションに記載されていれば、なるべくそのように描き、記載がなければこちらで状況に応じて描きます。
それでは、ひと夏のろっこんをお楽しみください♪