――それはお盆の時期が近づいてきたある夏の夜のこと。
ふわふわとした雲の絨毯の上で正座待機、というわけがわからぬこの状況。
そして目の前には気難しい顔で仁王立ちしている自分とよく似た顔の誰かが一人。
「……ふむ、気がついたか」
誰かさんはこちらのことを知っているらしい。
フレンドリーを通り越し馴れ馴れしい仕種でぱんぱんと肩を叩いてきた。
そして、気づく。痛くない――というより、触れられているという感覚がない。
よくよく見れば、誰かさんの足は半透明から透明にフェードアウトしている。
「気分がすぐれていようといまいと今から説教だ。よく聞くがいい、子孫よ」
偉そうな誰かさん――ご先祖様はとんでもないことをしれっと言いつつ、問答無用で説教という名のダメだしを開始しようと口を開く。
「――ぶっちゃけ、新生活デビューに失敗したと思ってないか? ほらあるだろ、例えば」
「ご先祖様は子孫とのファーストコンタクトに失敗してますよねえええええええええええ!?」
ご先祖様の台詞を遮って言い返したのは仕方がないだろう。
子孫が即殴りかからなかっただけマシだと思っていただきたい。
皆様、はじめましてまたはお久しぶりです。はと と申します。
今回もよろしくお願い致します。
以下、補足となります。
Q.ここはどこ?
A.神魂の影響で、お盆近くの夏の夜に作り出された期間限定の不思議空間。
夢の世界にちょっと侵食していますが、お盆が終われば元通りです。
Q.ご先祖様って本当なの?
A.本当です。その証拠に容姿はあなたとそっくり。他人の気がまったくしません。
Q.ご先祖様から逃げてもいいの?
A.どこに逃げても追いかけてきて、遅かれ早かれ追いつかれます。
Q.ご先祖様はいつ帰るの?
A.子孫へのダメだしが終わったら満足して帰ります。
Q.ご先祖様、早く帰って!
A.精霊馬(キュウリで作った馬とナスで作った牛)があなたの後ろにあるので、
どちらか好きな方をご先祖様目掛けてぶん投げてください。
しゅーりょー! とばかりに精霊馬がご先祖様の襟首ホールドしてあの世に連れ帰ってくれます。
アクションには、
【先】ご先祖様がダメだししたいこと
【子】それに対する子孫であるあなたの反応
のふたつを必ずお書きください。
以上になります。
それではご先祖様とのマンツーマンの個人面談をお楽しみください。
皆様のご参加をお待ちしております。