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- 00月00日生 00歳
- AAA000000
窓村センセイのはた迷惑な好奇心
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「ま、こんなもんだろう」
木天蓼大学のとある研究室。
パソコンに向かって一心不乱にキーボードを叩いているのは窓村菜園。
またたび大学の研究員である。
やりかけの実験に一段落ついたところで休憩にしようと席を立った。
窓村が実験室から大部屋へ移動してみると、そこには実質彼の助手を務めている大学院生の女子が一人で本を読んでいた。
「なんだ君か」
「こんにちは窓村センセイ。休憩ですか？」
「いち研究員に過ぎんぼくをセンセイと呼ぶなって言ってるだろう……休憩だよ」
コーヒーを淹れようと思っていた彼は、普段器具一式が常備してある机の上にコーヒー豆の袋が無いのを見て新しいものを出そうと戸棚へ向かう。
「確かここに……あれ、無いな」
窓村は一番上の棚を漁るが、そこに収まっているのは予備のヤカンやその他の食器類だった。目当ての物は無い。
「なあ、コーヒー豆ってここじゃなかったか？」
窓村はなおも戸棚を引っ掻きまわしながら背後の女子に尋ねた。
「いやその下の棚ですよ」
「下？ いっぱいあるよ」
「３０センチくらい下のです」
「おお、これか」
彼女が言う棚を見つけた窓村はそちらに手を伸ばした。
するとそれを見ていた女子が急に驚いた顔で叫んだ。
「あっ！ 窓村さ――」
窓村がその声に振り向こうとした瞬間。
くわあん、という音と頭部への衝撃と共に窓村の目の前に星が散った。
開けっぱなしにしていた戸棚からヤカンが落ち、窓村の後頭部に物の見事に命中したのだった。
「う……」
窓村は思わずその場にしゃがみ込む。
「くそ、たんこぶ出来てるよ」
くらくらしながら立ち上がった窓村は机に手をついて体を支える。
「酷いじゃないか、見ていたなら教えてくれ……よ……」
そう言いつつ後ろに控えているはずの女子の方へ振り向いた窓村は絶句した。
確かに彼女はそこにいたのだが。
「君……？」
今や彼女は元の姿の見る影もなく、３０センチほどの背丈に縮んでしまっていた。自分に何が起きたのかもよく分かっていないのだろう。呆然とした顔で窓村と顔を見合わせる。
窓村は手で目をごしごしとこする。
「ぼくは幻覚でも見ているのか……？」
「ま、窓村センセイが巨人になった……！」
「違う。君が縮んだんだ。あとぼくをセンセイと呼ぶな。……ふうむ、しかしこれはどうしたことだ」
窓村の瞳がきらりと輝く。
無精髭だらけのこけた頬に手をやって、ざりざりと撫でまわす。
それは彼の知的好奇心がくすぐられた証である。
窓村の知的好奇心は時として、彼自身を含む多くの人間に犠牲を強いることもある。そのことをよく知っている助手の女子は、窓村が不穏当な要求をし始める前に先手を打った。
「実験台にはなりませんからね！」
「なんだよまだ何も言ってないじゃないか」
椅子の上にちょこんと立ち上がって、威嚇するように窓村を睨みつけている助手の非協力的な態度に、彼はひとつ溜め息をついた。
結局その女子の身体は１時間後に元の大きさに戻った。
「ちぇ。君に興味があるから是非すみずみまで調べつくしたいと言ったぐらいでなにもああまで怒ることはないだろうに。仕方が無い、どこかでいけにえ、もといアルバイトでも探すことにしよう。治験と称して大学の掲示板にでもビラ貼っときゃ、食い詰めた大学生がわんさと来るだろうさ。あとは知り合いの喫茶店……名前はFABULOTHECAだったか？ にでも広告任せれば十分な人数集まるはずだ」
そうひとりごちて窓村はにやにやと忍び笑う。
「うっふっふっふ、今からとっても楽しみだ……！」
木天蓼大学のとある研究室。
パソコンに向かって一心不乱にキーボードを叩いているのは窓村菜園。
またたび大学の研究員である。
やりかけの実験に一段落ついたところで休憩にしようと席を立った。
窓村が実験室から大部屋へ移動してみると、そこには実質彼の助手を務めている大学院生の女子が一人で本を読んでいた。
「なんだ君か」
「こんにちは窓村センセイ。休憩ですか？」
「いち研究員に過ぎんぼくをセンセイと呼ぶなって言ってるだろう……休憩だよ」
コーヒーを淹れようと思っていた彼は、普段器具一式が常備してある机の上にコーヒー豆の袋が無いのを見て新しいものを出そうと戸棚へ向かう。
「確かここに……あれ、無いな」
窓村は一番上の棚を漁るが、そこに収まっているのは予備のヤカンやその他の食器類だった。目当ての物は無い。
「なあ、コーヒー豆ってここじゃなかったか？」
窓村はなおも戸棚を引っ掻きまわしながら背後の女子に尋ねた。
「いやその下の棚ですよ」
「下？ いっぱいあるよ」
「３０センチくらい下のです」
「おお、これか」
彼女が言う棚を見つけた窓村はそちらに手を伸ばした。
するとそれを見ていた女子が急に驚いた顔で叫んだ。
「あっ！ 窓村さ――」
窓村がその声に振り向こうとした瞬間。
くわあん、という音と頭部への衝撃と共に窓村の目の前に星が散った。
開けっぱなしにしていた戸棚からヤカンが落ち、窓村の後頭部に物の見事に命中したのだった。
「う……」
窓村は思わずその場にしゃがみ込む。
「くそ、たんこぶ出来てるよ」
くらくらしながら立ち上がった窓村は机に手をついて体を支える。
「酷いじゃないか、見ていたなら教えてくれ……よ……」
そう言いつつ後ろに控えているはずの女子の方へ振り向いた窓村は絶句した。
確かに彼女はそこにいたのだが。
「君……？」
今や彼女は元の姿の見る影もなく、３０センチほどの背丈に縮んでしまっていた。自分に何が起きたのかもよく分かっていないのだろう。呆然とした顔で窓村と顔を見合わせる。
窓村は手で目をごしごしとこする。
「ぼくは幻覚でも見ているのか……？」
「ま、窓村センセイが巨人になった……！」
「違う。君が縮んだんだ。あとぼくをセンセイと呼ぶな。……ふうむ、しかしこれはどうしたことだ」
窓村の瞳がきらりと輝く。
無精髭だらけのこけた頬に手をやって、ざりざりと撫でまわす。
それは彼の知的好奇心がくすぐられた証である。
窓村の知的好奇心は時として、彼自身を含む多くの人間に犠牲を強いることもある。そのことをよく知っている助手の女子は、窓村が不穏当な要求をし始める前に先手を打った。
「実験台にはなりませんからね！」
「なんだよまだ何も言ってないじゃないか」
椅子の上にちょこんと立ち上がって、威嚇するように窓村を睨みつけている助手の非協力的な態度に、彼はひとつ溜め息をついた。
結局その女子の身体は１時間後に元の大きさに戻った。
「ちぇ。君に興味があるから是非すみずみまで調べつくしたいと言ったぐらいでなにもああまで怒ることはないだろうに。仕方が無い、どこかでいけにえ、もといアルバイトでも探すことにしよう。治験と称して大学の掲示板にでもビラ貼っときゃ、食い詰めた大学生がわんさと来るだろうさ。あとは知り合いの喫茶店……名前はFABULOTHECAだったか？ にでも広告任せれば十分な人数集まるはずだ」
そうひとりごちて窓村はにやにやと忍び笑う。
「うっふっふっふ、今からとっても楽しみだ……！」
運営部より
【追記】3月25日
大変お待たせしておりまして、誠に申し訳ございません。
都合により、本シナリオの担当はメシータマスターに変更させていただきます。
リアクションの公開は、4月7日頃を予定しております。
ゲームマスターより
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2014年01月10日
- 参加申し込みの期限
-
- 2014年01月17日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2014年01月17日 11時00分
ナマステ～
ご無沙汰してます三三三です。
今回は木天蓼大の研究員、窓村菜園の個人的な実験に巻き込まれ、
皆さんちっちゃくなってしまうことになります。
面接に出向くだけでなく、たまたま近所を歩いてて窓村に声をかけられて、
部屋に入って巻き込まれたことにしても構いません。
大学の掲示板、及び喫茶店FABULOTHECAに貼りだされた
求人広告は以下の通りになります。
『治験被験者募集』
募集条件：
年齢、性別不問。
時給２０００円。
面接を行い採用者を決定します。
・１０：００～
・１２：００～
・１４：００～
・１６：００～
・１８：００～
以上のうち都合の良い時間帯を選び、
下記の住所までお越しください。
住所：（旧市街、窓村菜園の自宅のものが書いてある）
FABULOTHECAに関しては、
僕の過去シナリオ『奇店綺譚』を参照してください。
今回のシナリオ中で名前以外が登場することはありませんが。
○NPCの紹介
・窓村 菜園（マドムラ・サイエン）
男性・２８歳・またたび大学研究員（教員ではない）
専門は一応理系だが、本人はなんでも手を出す上に神出鬼没。
その唱える理論は荒唐無稽でまるで筋が通っていないように思えるが本人は確信を抱いている。
あまりに独特な観点の持ち主なので、彼の理論は『窓村学』と揶揄されることもある。
自論を進める為なら自他ともに犠牲を強いることも厭わない。
常に汚れた白衣を着ている。
癖毛、すだれ長髪、無精ひげ、長身。
１８０ｃｍくらいあるが猫背のせいで低く見える。
ガリ痩せ。
致命的な味オンチ。
居住地は旧市街。
・窓村菜園のろっこん
（※この内容はプレイヤーキャラクターは知りません）
『Fantastic Voyage』
発動条件：自分の頭に衝撃を加える
効果内容：頭に衝撃が加わる瞬間を見ていた人間を窓村が念じた大きさに縮める。効果時間は１時間。
・窓村菜園が気になっていること（実験の目的）
縮小サイズは変更出来るのか？
小さくなった人間の身体の作りはどうなっているのか？
五感はどうなっているのか？
身体能力はどうなっているのか？
などなど
・窓村宅の作り
旧市街に建つマンションの３階。
和室６帖・洋間６帖のごく一般的な２DK。
キッチン：特別なもの無し。
ゴミ箱などはまとめておいてあるのでGの危険性あり。
和室：書籍や荷物を適当に放り込んである雑然とした部屋。
下手に動き回ると本が雪崩を起こすかも。
窓村菜園は何故かどこに何があるか分かる。
洋間：面接部屋。
中央に木製の机と椅子が２脚。
壁際に本棚や箪笥などの家具多数。
バルコニー：バルコニーへ出るガラス戸には鍵がかかっている。
参加される皆さんには、
・窓村宅を訪れる時間帯
・どのくらいの大きさになりたいか
を明記して頂きたいと思います。
その他の事項は僕のマスターページをご参照ください。
小さくなった皆さんに窓村菜園が様々な実験を施そうと迫ってきますので、
捕まらないよう必死で逃げるもよし、
あえて捕まり実験台になるもよし、
どうにか和解してろっこんのなんたるかを情報提供するもよし、です。
ただし窓村宅外への逃亡は認められません。
以上です。
それでは皆さま、
どうぞミニマムな決死圏へご招待……。