串田 美弥子は、その日、星ヶ丘の駅前にいた。
土曜の午後のことだ。
(えーっと、不動産屋さんに、迎えに来てもらえるはずなんだけど……)
そんなことを思いながら、あたりを見回す。
と、同じように、きょろきょろしている人物を見つけた。
「先生!」
美弥子が思わず声を上げると、相手がふり返った。
「串田さん?」
軽く目を見張って美弥子を呼ぶのは、寝子高教師の
久保田 美和だ。
「もしかして、先生も雑貨をもらいに行くんですか?」
「串田さんも?」
尋ねる美弥子に、美和も言って更に目を見張る。
ねこったーにその告知が流れて来たのは、2日ぐらい前のことだ。
『雑貨ゆずります。
次の土曜の午後に、取り壊し直前の屋敷に残された食器などの、雑貨を無料でおゆずりします。
譲渡は、ご自分で取りに来て持ち帰ることができる方に、限ります。
おゆずりする雑貨は、食器類やコーヒー器具、コースターやランチョンマットなどの他、小さめのテーブルや椅子、ラックなど。
お車での参加を推奨いたしますが、公共交通機関や徒歩などで来られる方のために、当日は星ヶ丘駅前まで当社の車でお迎えにあがります。
送迎をご希望の方は、事前にご連絡ください。
なお、ご自分で直接現地に向かわれる場合は、申し込みなどは不要です。
現地にて、当社の係員に「告知を見た」と言ってくだされば、屋敷内にご案内いたします』
告知にはそうあって、最後に不動産屋の名前と電話番号、そしてその屋敷への簡単な地図が載せられていた。
ちなみに、美弥子がそのアカウントのプロフィールページから、不動産屋のサイトに飛んでみると、そこのトップにも、同じような告知が載っていた。
(ネットでこんなふうに呼びかけるなんて、よほどたくさん雑貨が残っているのね)
それを見て美弥子は思い、興味が湧いた。どんなものがあるのか、見てみたくなったのだ。
(マグカップとか、コースターとかランチョンマットぐらいなら、増えても大丈夫だし、自分で持って帰って来られるものね)
そんなふうにも思って、美弥子は参加を決めた。
当日は、不動産屋の車に、星ヶ丘駅前まで迎えに来てもらうことにしていた。
美和の方も、似たような事情だったらしい。
「先生、持ち物増やすんですか?」
マンションがゴミ屋敷だと聞いた覚えのある美弥子は、思わず尋ねた。
「小さめのラックがあるって書いてあったから、解体できるタイプならもらって帰ろうかなと思って」
それへ美和は涼しい顔で言って、「ラックがあれば、整理整頓するにも便利だからね」と付け加える。
2人が会話している間に、他にも駅前から屋敷へ向かうらしい人々が、集まって来た。
更にそこへ、不動産屋の社員だという、パンツスーツの女性が現れる。彼女は、集まった人々の先に立って、駐車場へと案内した。
そうして車で連れて行かれたのは、星ヶ丘の北の端、天宵川の近くに佇む大きくて古い洋風の屋敷だった。
車から降りて、美弥子と美和は、思わず顔を見合わせた。
「なんだか、すごく豪華な雑貨がありそうな感じですね……」
「ええ……」
美弥子の言葉に、美和がうなずく。
他の参加者たちも、なんとなく気圧されたふうにざわめいていた。
そんな彼らに、社員の女性は「あちらからどうぞ」と玄関を示して促す。
玄関横のスペースには、他にも車が止まっていて、すでに雑貨をゆずり受けに来た人々が中にいるようだ。美弥子と美和もうなずき合うと、玄関の方へと歩き出したのだった。
こんにちわ。マスターの織人文です。
今回は、「取り壊し前の屋敷に残された雑貨をもらいに行く」といったシナリオです。
概要
時の流れは、「ねこぴょんの日のすぐあとの、ある土曜日の午後」と、固定させていただきます。
場所は、星ヶ丘の北の端、天宵川の近くの古い洋風の屋敷です。
雑貨は、食器を中心に、小さめのテーブルや椅子、ラックなどもあるようです。
目的のものを求めたり、掘り出しものを探したり、ご自由にお楽しみください。
もちろん、ただ見てみるだけというのも、OKです。
◇お皿のセットがほしいな!
これまで使ってたものを、割ってしまったから、代わりに。
◇コーヒー用のミルがあれば。
欲しくても、高くて手が出なかったから、ぜひ!
◇掘り出しもの、出てこい!
見つけたら、フリマで高値で売るんだ!
など、自由にアクションをどうぞ。
PLさま向け情報
以下は、PLさま向け情報です。
◆雑貨は、玄関を入ってすぐの大きな部屋に、集められています。
基本的には、そこで譲り受ける品を探すことになりますが、屋敷の中を探索しても、問題ありません。
◆屋敷は二階建てで、玄関エントランスにある階段から二階に上がることができます。
一階は、雑貨の集められた部屋の他は、キッチンや食堂、浴室やトイレなどがあります。
二階は、広い部屋が三部屋と、洗面所とトイレ、バルコニーがあります。
どの部屋も、大きな家具は残っていません。
また、電気は自家発電で一階のみ使えます。水道は一階・二階共に使えません。
◆食器類などの破損防止用に、新聞紙が用意されています。
また、ダンボール箱も少しですが、用意されていますので、持ち帰りの際は、それらをご利用ください。なお、不動産屋による配送はありません(ご自分で、運送会社に配送を手配するのは自由です)。
◆残っている雑貨について◆
・食器類→皿やボウル、コーヒーカップ、スプーンやフォークなど。
ブランドものや、古いものがほとんど。欠けや汚れなどはない。
・コーヒー器具→ドリッパーやサーバー、ミルなど、主にドリップ用の器具が多数。
一部、フレンチプレスやマキネッタもある模様。
・小さめの家具→テーブル、椅子、ラックなど。少ないが、残されている。
一部、組み立て式で解体できるものもあり。
・その他→コースター、ランチョンマット、トレイなど、細々したキッチン雑貨が残っている。
NPCについて
登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、
PCとXキャラの2人あわせて「1人分」の描写なので、無関係の行動などはお控えください。
※Xキャラだけで1人分の描写とすることも可能です。
その場合は、PCさん自身は描写がなく、Xキャラだけが描写されます。
Xキャラのみの描写をご希望である旨を、アクションにわかるようにご記入ください。
※Xキャラをご希望の場合は、口調などのキャラ設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いていただければ大丈夫です。
以上です。
みなさまのご参加、心よりお待ちしています。