ある晴れた日曜日の早朝。
土日の連休に、旧市街の実家に戻っていた
小山内 海は、いつもどおり2冊のスケッチブックを抱えて、散歩の最中だった。
夏の厳しい暑さもようやくやわらぎ、高く澄んだ秋の空にはうろこ雲が浮かんでいる。
(昼間はまだ暑い日もあるけど、早朝は涼しくて空気も澄んでいて、気持ちいい)
周囲につらなる木々に目を遊ばせながら、彼女は胸に呟いて、小さく笑った。
(早い時間に目が覚めたから、散歩に来てみたけど、来て正解。休日は遅くまで寝てるより、早起きした方が得だよって誰かが言ってた気がするけど、ほんとにそう!)
朝早くだからか、あたりには他に人の姿もない。
それが彼女に、解放感を与えた。
幼いころの病気の後遺症で声が出ない彼女にとって、誰かとのコミュニケーションには少しだけ他の人にはないラグがつきまとう。
人と話す際には、手にしたスケッチブックのうちの1冊を使って筆談するのだ。
ずっとそうしているので、慣れてはいるけれど、それでも誰かと話す時には多少の緊張はあるし、それが知らない人ならばなおさらだ。
そういう意味では、今のように誰もいない場所では、リラックスできた。
海はしばらくの間、周囲に目を遊ばせながら、小道を歩いた。
途中、地面に落ちた枯れ葉を足を止めて眺めたり、木の実を拾ったりと、1人で歩いていてもいろいろな発見があって、楽しかった。
やがて左右に並ぶ木々が途切れて、目の前に海原が広がった。
(わあっ!)
彼女は思わず目を見張り、しばしそこから見える景色に見とれた。
そして、もう少し先に進んだあたりで、ちょうどあった小さな岩に腰を下ろすと、2冊のスケッチブックのうち、絵を描く用のを膝の上に広げ、目の前の景色をスケッチし始めたのだった。
小山内 海さま、ガイドへの登場ありがとうございました。
こちらはあくまでもイメージですので、参加いただける場合は、ご自由にアクションをお書きください。
こんにちわ。マスターの織人文です。
今回のシナリオは、「散歩」がテーマです。
春や秋に外を散歩するのは、気持ちがいいですよね。運動が苦手な方でも、ご近所をちょっと散歩するだけなら、楽しめるはず……ということで、このシナリオになりました。
概要
時の流れは、ねこぴょんの日のあとです。特に日時や季節は定めません。
ねこぴょんの日の直後だったり、数年後だったり、また春だったり夏だったり秋だったりと、ご自由に設定して、散歩をお楽しみください。
もちろん、1人ではなく、友人や恋人、家族と一緒でも大丈夫です。
時間や場所も自由に決めてくださってOKです。
◇真夜中の散歩も、悪くないな!
星がきれいだし、静かで別の世界みたいだ。
◇散歩してたら、初めての小路に出くわした!
こんな所にラーメン屋がある。入ってみよう。
◇彼と2人で、日暮れ時に散歩!
彼との距離が近くて、ドキドキするわ。
など、自由にアクションをどうぞ。
NPCについて
登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、
PCとXキャラの2人あわせて「1人分」の描写なので、無関係の行動などはお控えください。
※Xキャラだけで1人分の描写とすることも可能です。
その場合は、PCさん自身は描写がなく、Xキャラだけが描写されます。
Xキャラのみの描写をご希望である旨を、アクションにわかるようにご記入ください。
※Xキャラをご希望の場合は、口調などのキャラ設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いていただければ大丈夫です。
以上です。
みなさまのご参加、心よりお待ちしています。