吉住 志桜里と
卵城 秘月は、もうもうと湯気の上がる室内で、裸で汗だくになりながら睨み合っていた。
「そろそろ、出たくなったんじゃないか」
額に流れ落ちる汗を軽くぬぐって秘月が言えば、「いえいえ、そっちこそ」と志桜里が不敵に笑って答える。
ここは、九夜山にある寝子温泉の一画にある旅館のサウナだった。
休日を利用して一泊二日のプチ温泉旅行にやって来た二人だが、話しているうちに、なぜかサウナでの我慢大会となってしまったのだ。先にここから出た方が負けで、明日の昼食を奢るというルールだ。
結局、先に音を上げたのは秘月の方だった。
カラカラになった喉をなんとか唾液で潤し、必死にがんばっていたが、とうとう我慢しきれず立ち上がるなり、外に飛び出して行った。
それを見送り、志桜里もふうっと溜息をつくと立ち上がる。
実は彼女も相当苦しいところまで、追い詰められていたのだった。
よろめく足を踏みしめ、外に出る。
脱衣場の空気が驚くほどに冷たく、心地よく感じられた。
見れば秘月は、用意してあったスポーツドリンクをむさぼるように飲んでいる。ペットボトルのほとんどを飲み干して、彼女はバスタオル一枚だけの姿で脱衣場のソファに腰を下ろした。
それを尻目に志桜里自身も、スポーツドリンクで乾いた喉を潤したあと、バスタオルを巻いて秘月の隣に腰を下ろした。
「明日のお昼、よろしくお願いしますね。どうせなら、何か美味しいものを食べて帰りましょう」
「ルールだからな。しかたがない」
楽しげな志桜里に、秘月は返して肩をすくめる。
そんな彼女を見やって志桜里は、何を奢ってもらおうかと考えを巡らせた。
同時に、温泉に誘ってよかったとも思う。
(寝子島町内とはいえ、二人だけで一泊二日ですものね。たくさん話して、たくさん遊んで、ゆっくりお湯につかって、休日を堪能しましょう)
志桜里は胸に呟き、残りのスポーツドリンクを飲み干したのだった。
マスターの織人文です。
今回のシナリオは、ゴールデンウィークも近いということで、休日をテーマとしたシナリオです。
吉住 志桜里さま、卵城 秘月さま、ガイドへの登場ありがとうございました。
こちらはあくまでもイメージですので、参加いただける場合は、ご自由にアクションをお書きください。
概要
時の流れは、ねこぴょんの日のあとの休日です。が、特に季節は定めませんし、「休日」も土日祝日でなくても問題ありません(お仕事によっては、平日お休みの方もいると思いますし)。
ねこぴょんの日の直後だったり、数年後だったり、また春だったり夏だったりと、ご自由にお楽しみください。
なお、本シナリオはタイトルにもあるとおり、「おでかけ編」ですので、「休日をどこかに出かけて過ごす」ことがテーマです。
ガイドのお二人のように温泉でお泊りするもよし、一度行ってみたいと思っていた場所に行くもよし。友人や彼氏彼女の家にお泊り、でももちろんOKです。
◇有給含めて一週間、休みが取れたから、沖縄に行って来るわ!
海と美味しい料理をたっぷり、堪能するわよ!
◇ずっと入ってみたかったあのカフェに行ってみよう。
静かな環境で、コーヒーと焼き立てのパンを楽しみたいな。
◇今度の休みは仲間と一緒に、九夜山に登ってキャンプだ。
帰りに温泉とかもいいなあ。
など、自由にアクションをどうぞ。
NPCについて
登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、
PCとXキャラの2人あわせて「1人分」の描写なので、無関係の行動などはお控えください。
※Xキャラだけで1人分の描写とすることも可能です。
その場合は、PCさん自身は描写がなく、Xキャラだけが描写されます。
Xキャラのみの描写をご希望である旨を、アクションにわかるようにご記入ください。
※Xキャラをご希望の場合は、口調などのキャラ設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いていただければ大丈夫です。
以上です。
みなさまのご参加、心よりお待ちしています。