佐藤 英二は目をぱちぱちと瞬かせる。
「ほえー。何だかヘンなところに来ちゃったねぇ」
野々 ののこはぽかんと口を開けて言った。
西欧の古城のような場所だった。二人は石造りの城壁の上に立っており、下を覗いても地面は見えず、城の下層は不思議な霧で覆われていた。
空は曇っているが暗くはなく、雲の向こうに強い光をはらんで見える。城の威容とも相まって何だか神秘的で、荘厳な景色に見えた。
「ここはどこだろう? またヘンな現象に巻き込まれちゃったかな……」
「ねえねえ見てみて、英二君! あそこが帰り道かな?」
ののこが指を差したのは、どうやら城の中へと続く入り口の扉らしい。
「? ヘンな扉ー。ドアノブもなんにもないよー」
「ピッタリはめこまれてて、びくともしないね」
奇妙なのは、その扉の前にはめこまれている二枚の石の床で、まわりの石と色が異なる。
扉横の壁に掲げられた石板には、二人の人間が並び立ち、手をつないでいるような図が彫られていた。
「この床に立って、手を繋げってことかなー? えいっ」
「あっ……!」
ののこが躊躇なく英二の手を取ったので、思わず赤面してしまう。
そのまま二人で二枚の色違いの床へ乗ると、不思議なことに扉は一瞬強い光を発した後、何もなかったように消え失せてしまった。
「へー、こうやって進めばいいんだね! 英二君、ここからはずうーっと手をつないでいこうか? にししっ♪」
突然連れてこられたこんな場所でも変わらない、ののこの天真爛漫に英二はたじたじだった。
こんにちは、鳴葉ゆらゆです。
佐藤 英二さん、ガイドにご登場いただきましてありがとうございます。
ご参加いただける場合、ガイドのイメージにかかわらず、自由にアクションをお書きください。
概要
今回のシナリオは、『時の流れ』は特に決まっていませんので、どなたでもお気軽にどうぞ。
気が付くとあなたは、神秘的な雰囲気の西洋風の古城に立っていました。
城の構造は入り組んでおり、まるで迷宮のようです。
この見知らぬ場所から脱出するには、様々な障害を乗り越えなければならないようです。
古城では、主に2人以上で行動することになります。
一緒に行動したい方がいる場合は、GAを組んでください。
お一人でのご参加の場合は、ランダムでほかの参加者と一緒に行動したり、
NPCやモブキャラクターと行動したりすることになるかもしれません。
迷宮を突破するためのコツは、「手繋ぎ」です。
パートナーと協力し、相手を信頼するために手を繋ぐことで、
数々の仕掛けを上手に攻略することができるでしょう。
古城には、手を繋いでいると安心し、離れていると不安になる、
不思議なオーラが満ちています。
迷宮を突破することができれば、きっとパートナーとの仲が深まることでしょう。
アクション
古城から脱出するには、以下のような仕掛けや敵を突破する必要があります。
<仕掛け・敵の例>
☆黒い影
暗いところに出没する、細長くて奇妙な黒い人影。
追いかけてきて手を引っ張り、パートナーと引き離そうとする。
明かりのある場所では動きが鈍くなるようだ。
☆導きの燭台
周囲に手を繋いでいる人がいる時にだけ火が灯る燭台。
出口へ向かって一定間隔で配置されているようだ。
☆手繋ぎスイッチ
手を繋いでスイッチを操作すると開く扉や、手を繋いでいる間だけ動く床など。
敵は利用できないため、追跡をかわす手段にもなりそうだ。
☆崩れる床
冷たい水が満ちるプールに渡された、平均台のように細い床。
手を繋いでいないと、床が崩れて落ちてしまう。
崩れた床はしばらく経つと元に戻る。
☆動く甲冑
剣と盾を持つ騎士の甲冑。中身はないようだ。
侵入者を見つけると襲いかかってくる。
誰かと手を繋いでいる相手を追いかける時はゆっくりと、
一人の相手を追いかける時は素早く動く。
☆動く絵の廊下
侵入者を見張る、動く人物画が飾られた廊下。絵にはお姫様の姿が描かれている。
カップルを見るのが好きで、仲の良いところやラブラブなポーズを見せつけると喜ぶ。
無視して進もうとすると、不思議な力で廊下の入り口へ戻されてしまう。
☆暗殺者
影に潜み、影から影へ移動する暗殺者。
目深にかぶったフードで顔は見えないが、目だけがらんらんと輝いている。
侵入者の影から現れ、ナイフで首を切り裂こうとする。
上記はお好みのものを自由にご指定いただいて構いません。
マスターにおまかせもOK。
いくつかの障害を突破すれば、脱出することができます。
見事突破して、パートナーとの絆を深めてください。
NPCについて
登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
NPCもいっしょに迷いこんでしまったようです。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、
PCとXキャラの2人あわせて「1人分」の描写なので、無関係の行動などはお控えください。
※Xキャラだけで1人分の描写とすることも可能です。
その場合は、PCさん自身は描写がなく、Xキャラだけが描写されます。
Xキャラのみの描写をご希望である旨を、アクションにわかるようにご記入ください。
※Xキャラをご希望の場合は、口調などのキャラ設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いていただければ大丈夫です。
それでは、皆さまのご参加お待ちしております。