――某日・落神神社
(今日も暑いなぁ)
梅雨の晴れ間に少しばてそうなのは北海道出身の
澪乃 澄佳だ。彼女は額の汗を拭いながらちらりとあたりを見渡した。
「秋だったら少しは楽だったかな」
「大丈夫か、澪乃さん」
声をかけたのは担任であり生物教師の
牛瀬 巧だった。澄佳は少し赤くなりながら「はいっ」と返事をした。
「暑ぅなってきたからな。水分補給はちゃんとせなあかん。水筒とか持って来とる?」
「はい。ここにあります」
澄佳が持ってきたペットボトルのスポーツ飲料を見せると、巧は小さく頷いて無理をしないように言い、他の生徒達の様子を一通りみた後、顔を上げた。
「ほな、説明はじめるで。今回はここで野生生物の観察を行うんやけど、ちゃんと筆記用具とか持って来とるか?」
巧の呼びかけに頷く者、慌てる者、とそれぞれ。澄佳もまた、持ってきた鞄をあけ、忘れ物がないかチェックしてから締める。そんな生徒たちの様子を一通り見た巧は、にこっと笑って言葉を続ける。
「この山には色々な種類の動物がおる。季節柄、子育て中って事も有り得るから、距離などには十分注意して観察するんやで。あと、念の為に」
そう言いながら取り出したのは、白いリストバンドっぽい物。巧はそれを見せる。
「もう蚊が飛んどるから、虫除けバンドをつけて置く事。刺されたら痒うして集中できんさかい」
巧はあたりを見渡して蛇にも気を付ける事、なるだけ班を作っての行動の方が好ましい、等の説明を付け加えながら虫除けバンドを配った。話によると、これで半日ほど効果があるらしい。無香料なのは観察対象への配慮なのだろう。
(忘れずにつけておかないと……)
澄佳はジャージの袖をまくり、すぐ手首に巻いて頷いた。
「最初の30分は、簡単にやけど九夜山の生態系とか観察のコツなどについて話させてもらうで。その後で各自観察に向かってな。
時間になったらホイッスルを吹くで。集合場所はここ、落神神社や。間違えんようにな。それと、ゴミはちゃんと持ち帰る事。それと餌やりとか自然の法則を乱すような事はせんといてな?」
いつになく真面目な顔で言う巧に、生徒たちが頷くと彼はぱん、と手を叩いて何時ものようの楽しそうな笑みを浮かべた。
「儂は適当に巡回しとるから、わからん事があったら遠慮なく聞いて欲しい。 学校に戻ったら観察記録を提出してもらうで。せやから、サボったりせんように! そいじゃま、早速授業はじめるで。はぐれんよう付いてきてな?」
こんにちは、菊華です。
今回は教室を飛び出して、野生生物の観察ですが、ちゃんとした授業です。まずは事務局側からのアナウンスによく目を通してください。でないとせっかくの授業に出られませんよ~。
注意:これは、授業シナリオです。
補足
・服装に関して
今回は体操服+ジャージが好ましいです。
舞台は落神神社を集合場所として地図のF-7、F-8、G-7辺りを想定しています。
・持ち物に関して
基本的に動物の観察に必要な物(筆記用具やら双眼鏡やら)をご用意ください。飲み物は必須です。また念の為にちょっとした甘い物を持ってきても構いません。観察する場所にもよりますが、熱中症になる可能性もあるのでその辺りも考えてください。
・授業内容補足
今回は主に動物の観察という授業風景がメインです。九夜山周辺には様々な野生動物がいるかと思います。くれぐれも自然を乱すような行為をせず、観察をしてください。
今回の観察では以下の動物を観察することができます。
・タヌキ ・キツネ ・イノシシ ・サル ・タイワンリス ・ノウサギ
・トビ ・ハクセキレイ ・カラス ・メジロ ・ヤマバト
時間帯は三時限目と四時限目で、学校に帰るのは昼休みになってからになります。観察内容はレポート用紙に記入し、学校に帰った後牛瀬先生に提出することになります。班についてはGAを利用されると便利ですが特に何も書かれていない場合は適当に組み合わせたりします。
最初の30分は牛瀬先生と一緒に落神神社からちょっと離れた林を歩きつつの講義になります。その後其々散らばって観察に向かいます。四時限目が終わる5分前(12時 25分)にホイッスルがなり、落神神社へ集合します。
因みにサボった場合は何かあります。ご注意を。
・対象以外のPCさんへ
寝子高の生徒さんは、基本、授業後や放課後のアクションになります。
ですが、授業に紛れ込む事は教室での授業に比べて簡単かもしれません。
ルールは厳守でお願いします。
それでは、よろしくお願いします。