冬も近づくある晴れた夜。
自室で原稿執筆にいそしむ
本条 小萩の前に1本のGペンが現れた。
「Gペン?」
そうである。何度目を擦ってみても、まごうことなきGペンである。
緑色の使い込まれたペン軸の上に、銀色で『G』と刻印されたペン先のGペンだ。
ペン軸はなぜかくねくね動き、ペン先を上にして、ぴょんぴょんと机の上で跳ねている。
「動く……Gペン?」
小萩が首を傾げて見ていると、Gペンはペン先をぱくぱくさせてしゃべりだした!
「『スーパーレジェンド伝説ko-ha-gy』の作者、小萩殿でいらっしゃいますかな」
このGペン、小萩がコツコツと執筆をつづけているとってもおもしろいまんが(自称)『スーパーレジェンド伝説ko-ha-gy』を知っているようだ。読者、となれば、作者としては勿論答えねばなるまい。
「そうです! 私こそがキレイ・カワイイ・カッコイイ、スーパーレジェンド作者の小萩です!」
堂々と胸を張る小萩。するとGペンは小躍りして、それからずさーっと土下座(?)した。
「小萩殿! 折り入ってお願いがあって参りました!」
「この絶世の美少女小萩にお願いとは何事でしょうか」
「私、
霊界タソガレーンという漫画雑誌で漫画編集をしております、Gペンの付喪神のジイと申します! 先日こちらの『スーパーレジェンド伝説ko-ha-gy』を拝見致しまして」
そう言ってGペンのジイは小冊子をどこからともなく引っ張り出す。
「そ、それは……! 小萩が執筆した
『スーパーレジェンド伝説ko-ha-gy』のコピー本ではないですか!」
「左様です。ちかごろこのコピー誌が霊界で密かに出回っておりまして――なにしろ霊や妖たちは現世の話が大好物なもので――小萩様が執筆した『スーパーレジェンド伝説ko-ha-gy』の新作をぜひ、我が霊界タソガレーンに掲載させていただけないかと! まずは読み切りで!」
「スカウトですか!? なんと、小萩のハイパーすぎるすばらしさが霊界にまで轟いているとは!」
「そうです、そうです! お恥ずかしながら霊界タソガレーンは廃刊に追い込まれそうなのです。『スーパーレジェンド伝説ko-ha-gy』をはじめ、面白い作品をたくさん掲載して、この危機を乗り越えたいのです。小萩様には我々の救世主になっていただきたく……!」
「救世主! 小萩に相応しい役目ですね!」
小萩とGペンのジイは互いに互いのテンションを高め合う。
「Gペンのジイさん! 小萩は勿論ですが、ほかにも寝子島の人たちに声をかけてみては? 漫画を描ける人もいるでしょうし、絵を描けない方には漫画原作を頼むんです。みなさんきっと面白いお話をお持ちと思うのです!」
小萩の提案に、テンションの上がったGペンのジイはノリノリになった。
「それはよい案ですな! 面白い原作さえあれば、丸ペンの付喪神マルやカブラペンの付喪神カブ、新人付喪神・ペンタブレットのタブに描かせることも……よい! とてもよいですぞ! 生きた人間の妄想から生まれたストーリィは霊界ではテッパンの人気なんです。早速あちこち回って参りましょう!」
「では小萩もさっそくプロットに取り掛かるのですよ!」
「原稿が仕上がりましたらお知らせください。なに、『Gペンのジイ』と呼んでくだされば、すぐに取りに参りますので!」
「待ってください、ページ数と〆切は?」
「霊界の本はどんなに厚くても印刷不要、重さもなしなので、何ページでも構いませぬ! 〆切は、お時間がなくて恐縮ですが1週間後とさせてください。では私はほかの皆さまのところへ行ってまいりますので!」
Gペンのジイは机の上でぴょんと跳ねると、次の瞬間姿を消した。
小萩はしばらくジイが消えた場所を見つめていたが、おもむろにペンを持ち、空へと掲げた。
「霊界の漫画雑誌ですか……小萩の腕がなりますよぉ!」
こんにちは。
ゲームマスターを務めさせていただきます笈地 行(おいち あん)です。
今回はエイプリルフール企画「らっかみ!公式ショップ こんなグッズは○○トピック」より、
にゃんぞろを出しました本条 小萩さんの
「本条小萩が描いているとってもおもしろいまんが『スーパーレジェンド伝説ko-ha-gy』のコピー本」
をもとにしたシナリオです。
概要
Gペンの付喪神・ジイが、突然あなたのもとにやってきました。
その結果、あなたが描いた漫画や、考えたお話が、
霊界の漫画雑誌『霊界タソガレーン』に掲載されることに!
廃刊の危機にある『霊界タソガレーン』の未来や如何に!
◇霊界タソガレーン
霊界の、霊的存在な漫画雑誌。
カリスマ作家のスランプと読者減少により廃刊の危機。
分厚いが重さはない。印刷も必要ないらしい。
内容は少年漫画、青年漫画、少女漫画、レディース系、BL、百合、etc……と節操ない。
一応全年齢。だが、ギリギリを狙った作品も。
霊界と寝子島が融合したことで、近頃は人間が主人公の現世モノが人気。
◇登場するあやかしのみなさん
Gペンの付喪神・ジイ……………………漫画編集者
丸ペンの付喪神・マル……………………大御所漫画家
カブラペンの付喪神・カブ………………中堅漫画家
ペンタブレットの付喪神・タブ…………新人漫画家
スクリーントーンの付喪神・トーン……近頃元気のない編集長
雪女の雪緒…………………………………カリスマ美人霊界漫画家
蜘蛛あやかし・クモ吉……………………雪緒のアシスタント
餅々 きなこ……寝子島の幽霊たちの顔役の幽霊少女。密かな『霊界タソガレーン』愛読者。
アクションについて
アクションは、次の【A】~【C】から1つを選んでください。
(選んだ番号をアクション冒頭に記載してください)
【A】漫画 or 漫画原作を提供する
ご自身が執筆した漫画や、漫画原作の内容をアクションで送ってください。
リアクションでは作中作という形で描写されます。
漫画や原作を執筆中の様子などもOK! 誰かのアシスタントも。
漫画・原作の原稿についてGペンの付喪神・ジイからのリクエストは次の2点です。
1.ご自身が主人公になっていること
2.ご自身の設定は実際の自分と違っていること(ほかの職業・違う年齢など)
この2点を満たしていれば、妄想や夢をどんどん広げてほしいそうです。
学校の先生だけれど、警察官になっていたり。
女性だけれど、男になった自分と好きなあの人が恋愛関係になっていたり。
友だち同士でヒーロー戦隊だったり、お好きなシチュエーションでどうぞ!
漫画原作の場合は、マル、カブ、タブたち付喪神が漫画を描いてくれます。
【B】カリスマ美人霊界漫画家のアシスタント
霊界タソガレーンで連載中のカリスマ美人霊界漫画家・雪緒のアシスタントに入ります。
雪緒が書いているのは少年バトル漫画です。
雪緒は絶賛スランプ中で仕事場で暴れています。
仕事場は雪緒のどん底オーラで、雪山のような極寒の寒さ。時々、吹雪です。
もともと、手が八本の蜘蛛あやかしの凄腕アシスタント・クモ吉君がいましたが
雪緒のどん底オーラに当てられて仕事場のはしっこで倒れています。
みなさんはなんとか雪緒をやる気にさせ、漫画執筆のアシスタントをお願いします。
【C】霊界タソガレーンを廃刊から救え
霊界を舞台に、漫画雑誌「霊界タソガレーン」を救いましょう。
編集長のスクリーントーンの付喪神・トーンは近頃元気がなく、
廃刊やむなしと考えているようです。
よい執筆者を探したり、雑誌を告知したり、新しい企画を考えるなど
Gペンの付喪神・ジイと協力して雑誌を廃刊から救ってください!
NPCについて
このシナリオでは、【A】作中作のキャラクターとしてのみ、NPC・Xキャラを登場させることが可能です。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、
PCとXキャラの2人あわせて「1人分」の描写なので、無関係の行動などはお控えください。
※Xキャラだけで1人分の描写とすることも可能です。
その場合は、PCさん自身は描写がなく、Xキャラだけが描写されます。
Xキャラのみの描写をご希望である旨を、アクションにわかるようにご記入ください。
※Xキャラをご希望の場合は、口調などのキャラ設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いていただければ大丈夫です。
みなさんの楽しいアクション、お待ちしています!