──七人ミサキ(しちにんミサキ)
高知県を始めとする四国地方や中国地方に伝わる、亡霊の集団。
七人ミサキに遭遇した者は謎の変死を遂げ、七人ミサキの一人が成仏し、
殺された者が新たな七人ミサキとなる。
そのため彼らは常に七人組であり、増減することがないという。
「っていうおばけが、このあたりの川沿いに出るんだってさ~」
あっけらかんとして言った
黒白 滴に、
滝原 レオナは眉をひそめる。
「おばけ? 何それ?」
友人と家庭科室でお菓子作りに熱中していたら、すっかり遅くなってしまった。日はとっぷりと暮れ、街中の人通りもまばらとなり、民家の窓からは煌々とした明かりが漏れている。
場所はちょうどシーサイドタウンと旧市街の間、猫又川を渡す橋の上だ。家路を急ぐレオナに、たまたま通りすがりの滴は、唐突に話しかけてきた。
「ついこの前も、人がひとり、心臓発作で死んじゃったんだって。ほら……ちょうどそこの家に住んでた主婦だって」
「へえ、そうなの。怖いわね」
「怖い……かな?」
きょとんと首を傾げて、滴はつぶやくように言う。
「死んでもさまよい続けるって、どんな感じだろうね。苦しいのかな。それとももう、何も感じないのかな」
「それって、どういう意味……」
尋ねかけたところで、レオナはあたりに立ち込める霧に気が付いた。
からん、ころん。からん、ころろん。不気味な鐘の音が響く。
「七人ミサキの話は、全国のいろんなところにあったりするみたいだけど。中には、鐘を鳴らしながら現れるパターンもあるらしいよ」
「じゃあ、これって!?」
からん、ころん。
かららん、ころん。
そうしてレオナの前に現れたのは、確かに七人の人影だった。
サラリーマン風のスーツ姿の男、主婦らしき妙齢の女性、山伏か修行僧のような時代錯誤の巨漢、制服を着た女子高生など様々だが、いずれも肌は青白く生気に欠け、半ば影に埋もれたように存在感が薄い。それでいて両目は赤くぎらついて、レオナを睨みつけてくる。
七人全員が手に、カッターナイフやハサミ、包丁など何らかの刃物を携えている。刃はぼうっと透けているあたり、現実のものではないのかもしれないが、あれに斬り付けられたり刺されれば、良くないことになるのは想像に難くない。
レオナの背筋に冷たいものが走り抜ける。
「逃げないと……って、囲まれてる!」
「どうにかしないと、死んじゃうよねえ……あっ」
その時、七人ミサキがおもむろに振るった刃が、滴の胸へするりと吸いこまれた。
たちまち虚ろな表情となり、赤く輝く瞳をぎらつかせながら、滴は物言わぬまま刃物を振り回し、レオナを襲い始めた。
「えっ、ど、どうして……!?」
「…………」
突然の遭遇、襲撃。
打開せねば、明日の朝日は拝めまい。
こんにちは、泉 楽です。
滝原 レオナさん、ガイドにご登場いただきましてありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず、自由にアクションをおかけください。
概要
都市伝説などにも語られる、『七人ミサキ』というあやかしが出没しています。
常に七人で行動し、誰かを殺すことで一人が成仏すると、殺された人が新たな七人ミサキとして加入します。
寝子島に現れた七人ミサキは、夜ごと主に猫又川近辺を徘徊し、獲物を探しています。
あなたは運悪く彼らに遭遇してしまったか、あるいはねこったーに流れている情報などをもとに合流しました。
生きている人間(ほしびと、幽霊以外のあやかしも含む)が、手に持った刃物で「心臓を突き刺される」と、
刺した七人ミサキは「成仏待機状態」となり、立ちすくんで動きを止めます。
刃物は霊体でできているようで、すぐには死に至りませんが、
刺された人は代わりに七人ミサキに「仮加入」し、自分の意思に反して他人を襲うようになります。
このままの状態で朝を迎えると、刺した七人ミサキは成仏し、刺された人は新たな七人ミサキとなってしまいます。
「仮加入」状態の人を救出するには、
「成仏待機状態」の七人ミサキを攻撃し、待機状態を解除する必要があります。
その間も他の七人ミサキの襲撃は続きますので、なんとか回避しつつ攻撃しなければなりません。
油断すると、あなたも七人ミサキとなってしまうかも?
その場から逃げても七人ミサキは執拗に追いかけてきますが、朝を迎えれば、彼らは霊界へ帰ってゆくでしょう。
なお七人ミサキは、通常の手段で倒しても、彼らの一人が鳴らす鐘の音によって復活してしまいます。
どうにかして鐘を破壊することができれば、強引に霊界へ叩き返すこともできるかもしれません。
<七人ミサキについて>
1.修験者風の男
腰に刀を差した、時代がかった服装の男。屈強な肉体を持つ巨漢。
七人ミサキのリーダーであるようです。
刀で斬りかかるほか、念力のような不思議な力で、強力な衝撃波を飛ばしてきます。
また腰に提げた鐘を鳴らし、倒された他の七人ミサキを復活させてしまいます。
2.サラリーマンの男
よれたスーツを着た、痩身の男。
カッターナイフで切りつけてきます。
動きは鈍いものの非常にタフで、どんな攻撃にも怯みません。
3.主婦
エプロンを着たふくよかな女性。
出刃包丁を両手に構え、突進しながら突き刺してきます。
時おり発する甲高い奇声は、思わず耳をふさがずにはいられません。
4.女子高生
セーラー服を着た女の子。寝子高生ではないようです。
彫刻刀を両手に持ち、やみくもに切りつけてきます。
何本もの彫刻刀を投げつけてくることもあります。
5.小学生の少年
半袖短パンの男の子。
非常に俊敏で、目にも留まらぬ動きで攪乱してくるため、攻撃するのは苦労するでしょう。
持っているハサミを振り回し、的確に心臓を狙ってきます。
6.迷彩服の男
軍服を着た外国人らしき男。
大型のナイフを扱いますが、その腕前はまさにプロの軍隊格闘術であり、非常に危険です。
ただ、あまり走るのは早くないようです。
7.黒白 滴
心臓を刺され、七人ミサキの一人として仮加入状態となっています。
小刀を振り回しますが、特筆すべき強さはありません。
8.着物の女性
雅な着物を着た上品そうな女性。黒白 滴を刺しました。
滴の持つ小刀はこの女性が持っていたもののようです。
現在は成仏待機状態であり、動きません。
攻撃を加えて待機状態を解除し、滴を解放すると、こちらを攻撃してきます。
強さや能力などは不明です。
NPCについて
登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、
PCとXキャラの2人あわせて「1人分」の描写なので、無関係の行動などはお控えください。
※Xキャラだけで1人分の描写とすることも可能です。
その場合は、PCさん自身は描写がなく、Xキャラだけが描写されます。
Xキャラのみの描写をご希望である旨を、アクションにわかるようにご記入ください。
※Xキャラをご希望の場合は、口調などのキャラ設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いていただければ大丈夫です。
以上になります。
どなたでも、お気軽にご参加ください!