はて、眠っていたのだろうか。
万条 幸次が目を覚ますと、そこは見知らぬ場所だった。
「あれ。ここは……?」
だだっぴろい草原だ。向こうには中世ヨーロッパ風のお城がそびえ、城下町が広がっているのが見える。
ここは、星幽塔だろうか? いや……。
『……えますか……? コウジよ、聞こえますか?』
「えっ。だ、誰?」
突然頭の中に聞こえてきたのは、鈴が鳴るような聞き心地よい女性の声だった。
続いて目の前に、ぼんやりと人の姿が浮かび上がる。
『聞こえ……あら、聞こえてますか? あー、あー。テステス、マイクのテスト中……』
「あ、はい。聞こえてますけど」
『ああ、良かった!』
空中へふわりと現れたのは、背中に一対の白い翼を持ち、長い杖を携えた女性のホログラム的立体映像だった。
『私は女神<ユキーノ>。ようこそ、剣と魔法の世界<マジコーネ>へ。
コウジよ、あなたは不思議なニャルキーを食べたことで、異世界転生したのです』
※不思議なニャルキー
「い、
異世界転生! さいきん流行りの!」
『はい。さいきん流行りの』
ラノベやらアニメでは、猫も杓子も異世界転生! 無能な人物がチートスキルをゲットして無双したり、逆に優秀な人物が持ち前の知識や技術を駆使して成りあがったり、みたいなアレである。
もはやテンプレと化すほどに定着した一大ジャンルなわけだが、このたび幸次もまた、この「マジコーネ」なる異世界へ転生を果たすこととなったようだ。
よくよく見れば空には見たこともない鳥だかドラゴンだかが飛んでいるし、ずっと向こうには空中に浮かぶ奇岩の上に建つ神殿や、文字どおりに天まで届くほどの巨大樹がそびえている。
地平線まで続く、どこもかしこもファンタジーッな光景に、幸次もわくわく。これから始まる大冒険の予感に胸躍らせずにはいられない。
『コウジよ。あなたのマジコーネでの<かたがき>は……えーっと。(ぺらぺらと資料をめくりつつ)ああ、これこれ。コウジよ、あなたは素早い身のこなしが特徴の<とうぞく>です』
「おおっ。かっこいいかも」
『ご自分の<そうび>や<スキル>をよく確認して、冒険に出発してくださいね。期待していますよ、コウジ。さっ、次の方どうぞー』
「えっ? あ、はい……」
見ればファンタジー的装いに身を包んでいるのは、幸次ばかりではない。
どうやら彼と同じく異世界転生を果たしたらしい人々が、それぞれに特徴的な姿やスキル──いわゆるこの世界における魔法や必殺技──を女神さまより授かっている。
『ノノコよ、あなたのかたがきは、最弱のモンスター<スライム>です。冒険者にすずめの涙の経験値とお金を提供するだけの哀れな存在ですが、どうか強く生きて……』
「やったー、かわいい! たのしい♪
ぽよんぽよん、ばっひゅ~~~ん!」
『…………まあ、本人がいいなら、いいんですけど』
それはさておき。
<マジコーネ>は剣と魔法のファンタジー世界。城下町には冒険者ギルドがあり、多様な冒険やおそろしいモンスターとの戦いが待っているだろう。君のかたがきが冒険者であるなら、それらを満喫するもよし。
あるいはノノコのように人外のモンスターへ転生した者もいることだろう。それぞれに特徴的な魔物のワザや特殊能力を駆使すれば、楽しく異世界生活を堪能できるはず……まあ勇者に討伐される危険もなきにしもあらずだが。
あるいは魔王となって、世界征服の野望に邁進するのも良いではないか。適当な王国なり帝国なりに身を寄せ、寝子島での知識を活かして出世道を駆けあがり、王子や姫をいただいてしまうのも良いではないか。
まさしくラノベよろしくスマホやパソコンなど持ち込んで、文明の利器のオーバースペックで全てを解決してしまうのも痛快に違いない。
異世界で得た第二の人生を、君はどう過ごすだろうか?
別人になっちゃうのも、アリだよね~
墨谷幽です。
万条 幸次さん、ガイドへご登場いただきましてありがとうございます。
ご参加いただける際は、ガイドのイメージによらず、自由にアクションをおかけくださいませ~。
このシナリオの概要
本日はエイプリルフール!
ウソついたらホントになるシナリオ、今年のテーマは『異世界転生』です。
異世界転生ってナニ? ってのはまあ、言わずもがなですよね。
舞台は剣と魔法の世界<マジコーネ>。
いわゆる中世ヨーロッパ風のベタなファンタジー世界を想像してください。
マジコーネに異世界転生したあなたは、なんにでもなれるし、なんでもできます。
・勇者になって魔王討伐!
・冒険者になって難関ダンジョン攻略!
・貴族になって贅沢ざんまい!
・魔王になって世界征服!
・モンスターになって森でスローライフ!
・チートスキルで無敵状態!
・現代の知識や技術、道具で無双する!
・フツーの村人としてモブライフを堪能!
などなど。
エイプリルフールは言ったモン勝ち!
言ってみれば大抵のことは叶います。たぶん。
自由な発想でお楽しみください~。
アクションでできること
以下のいくつかの項目について、可能な範囲でご記入ください。
特に希望なし、思いつかない、といった部分はマスターのほうで決定します。
もちろんおまかせもOK。
<かたがき>
人間、エルフ、モンスターなどの『種族』や、
戦士、魔法使いなどの『職業』『ジョブ』などを総合した、
あなたの肩書きを教えてください。
なんとなくイメージが伝われば大丈夫。
・ふつうのスライム
・ビキニアーマーの女戦士
・新米魔王
・インテリオーク
とか。
<そうび>
なにか特徴的な道具や武器、服や鎧などをお持ちの方は、
こちらにお書きください。
炎を吹き出す剣とか、構えるとバリアを発生する盾とか、魔法をインストールしたタブレットPCとか、
自動車とか、特に効果はないお気に入りのぬいぐるみとか、ついてきちゃったカプギアとか、
なんでもOKです。
<スキル>
異世界転生するにあたって、女神さまが授けてくれた技能や魔法、必殺技など、
お好きなものを設定してください。
あらゆるモンスターを手なずけるテイマースキル、隕石を落として街ひとつふっとばす禁忌の魔法、
マズイ魔物の肉を絶品料理にするクッキングスキル、などなど。内容もスキルの数も自由にどうぞ。
<やりたいこと>
異世界転生してなにをするか、なにをやりたいか。
冒険者になってクエストに挑戦するもよし。強大なモンスターとなって人を脅かすもよし。
やりたいこと、やっちゃいましょう!
NPCについて
NPCは、登録済みのキャラクターでしたら誰でも登場可能です。
また、墨谷のシナリオに登場したNPCでしたら、登録・未登録問わず登場OKです。
ただし、不自然でないシチュエーションに限ります。登場が難しい場合もありますので、ご了承ください。
Xキャラクターも登場可能です。
口調などのキャラクター設定は、アクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いていただければ大丈夫です。
NPC・Xキャラともに、いつもとは違った肩書きや人物像を指定しても構いません。
以上になります。
それでは、ご参加お待ちしております~!