「うーん。行き止まりだね~」
「やっぱり、さっきの分かれ道じゃないか?」
無機質な石壁に行く手を阻まれ、
アリス・ミーティアと
ルーク・ポーラスターは顔を見合わせた。
気がつけばこの古めかしい館にとらわれていた。もう小一時間はさまよっているだろうか。
一体ここはどこなのか。星幽塔の第何階層に位置する場所なのか……今のところは分からない。
石造りの壁はもろく見えるが、何らかの力が働いているのか、破壊することはできなかった。
窓には頑強な鉄格子がはめこまれており、触れると強力な電流が流れている。ルークはあやうく丸焦げになるところだった。
館はまるで迷宮のようで、そして何らかの実験施設のようでもある。壁を這う金属のパイプには絶えず何かの液体か気体が流れているようだし、そこらじゅうに据えられた謎の設備やら機械やらの用途は見当もつかない。時おり見つかる鍵の開いた小部屋の中を覗けば、訳の分からない実験器具や書物が山と積まれていた。
そして……ところどころに残る血痕が、二人に不穏な予感を抱かせた。
「星の力を利用して、何かの実験をしてたみたいだね」
「何かって何だ?」
「さあ、それはもう少し調べてみないと……あれ?」
アリスが散らかった机に見つけたのは、一枚の紙片だ。どこかから破り取られたらしい紙切れに、日付と走り書きが記されている。文字が乱れているのは、これを書いた誰かが慌てていたか、あるいはひどく興奮していたのかもしれない。
日付を見れば、どうやら十数年前のものらしい。
「なんて書いてるんだ?」
「えーと」
紙片にはこう書かれていた。
──医学のためなど嘘っぱちだった。
──私たちの研究は、全てあの化け物どもを生み出すための肥やしに過ぎなかったのだ!
──これを読んだ者へ。決して戦おうなどと思ってはいけない。
――剣も、銃も、星の力もあの怪物たちには通じない。奴らは不死身だ。
──地下室の扉を目指せ。そこが唯一の逃げ道だ。
「不死身の……怪物だって?」
「剣も銃も通じない?」
その時。
地の底から届いたような恐ろしい咆哮が館中へ響き渡り、空気を震わせた。
アリスとルークは確信した。この館には、侵入者を襲う敵がいる。
二人は武器を構える。
それらが通じない怪物とは、はたしていかなる存在か……彼らもすぐに、知ることになるだろう。
「負けないよ!」
ハローワールド、風雅です。よろしくお願いします!
アリス・ミーティアさん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
あなたは見知らぬ洋館の中に立っています。
星の力が感じられることから、そこが星幽塔のどこかであるのは分かるものの、
階層や場所までは不明です。
館は広く、迷宮のように入り組んでいます。
壁や窓は非常に強固で、破壊して外に出るのは難しそうです。
そして館には、人を襲う不死身の怪物が徘徊しています。
怪物にはあらゆる武器や星の力が通用せず、通常の手段で撃退することは不可能です。
皆さんは怪物の襲撃を逃れながら、紙片に記された"地下室の扉"を目指すことになります。
創意工夫と機転で怪物をかわしつつ、見事脱出を果たしてください。
アクション
<館について>
館の内部には、星の力を利用した実験器具や装置、道具などがあります。
これらを適切に使うことで、襲撃から逃れたり、怪物に対して有効な対抗手段となるかもしれません。
広大な館は二階建てで、地下室もあります。
正面玄関は分厚い鋼鉄製の巨大な扉で、施錠されていますが、鍵穴の類は見当たりません。
紙片にある地下室の扉ではなくこちらからの脱出を試みることも可能ですが、
その場合怪物が外へ解放されてしまう可能性があります。
また館全体に特殊な仕掛けが施されているようで、瞬間移動系のろっこんで外に脱出することは不可能です。
(館内の行き来は通常通り可能)
◆雷撃フェンス
数か所に設置されており、スイッチによって展開します。
小柄な人間なら通り抜けられる隙間がありますが、怪物は通れません。
また、接触すると星の力によって雷撃が発生し、怪物を足止めすることができます。
怪物によって破壊されるまで、しばしの時間稼ぎとなるでしょう。
◆星の力センサーと監視室
館の各所に仕掛けられたクリスタル状のセンサーは、怪物の現在位置を感知することができます。
感知情報は地下にある監視室に設置された水晶板で確認可能です。
また水晶板に星の力を込めることで、怪物の現在地周辺のセンサーを点灯させることができます。
ただし怪物が暴れたり戦闘の余波などにより、センサーが破壊されてしまうこともあります。
◆光学迷彩服
着用者の星の力によって機能し、姿を透明にすることができるケープ。
透明になっていられる時間は長くても十数秒程度で、一度使うと壊れてしまう使い捨て装備です。
一時的に怪物の目をあざむくことができますが、音やにおい、気配を消すことはできません。
1階のある部屋に少数が配置されています。
※その他、館にはいくつもの実験器具や設備、道具や装備品などが存在しています。
これらは自由な発想で指定して構いません。
意外なものが脱出や怪物の撃退に役立つかもしれません。
<不死身の怪物について>
複数の個体が館内を徘徊し、皆さんを見つけると襲いかかってきます。
複数の生き物を無作為に組み合わせたような、歪な巨体を持ちます。
堅牢な肉体に加えて凄まじい再生能力を備えており、通常の武器や手段では、
撃退はおろか足止めすらままなりません。
仮に倒したように見えても、肉体が形を残しているならそのうち復活してしまうでしょう。
一方で感覚は鈍いようで、上手く隠れればやり過ごすことができそうです。
・鎧のような鱗を持つ上半身。
・頭部は無い。
・右腕は蟹のような巨大な鋏。
・左腕は蛇腹状に可動する砲塔で、極低温の冷気を放つ。
・下半身には蜘蛛のような8本の足。巨体に反して非常に俊敏。
NPCについて
以下二名のNPCが同行可能です。
◆ルーク・ポーラスター
◆フォルカ・ヴィクスン
星の力
星幽塔にいると、星の力 と呼ばれる光が宿ります。
★ 基本的な説明は、こちらの 星の力とは をご確認ください。
星の力やその形状は、変化したりしなかったりいろいろなケースがあるようですが、
このシナリオの中では変化しませんので、このシナリオではひとつだけ選んでください。
ひとともれいびにはひとつだけですが、
ほしびとには、第二の星の力(虹)もあります。
★ 虹についての説明は、こちらの 第二の星の力 をご確認ください。
アクションでは、どの星の光をまとい、その光がどのような形になったかを
キャラクターの行動欄の冒頭に【○○の光/宿っている場所や武器の形状】のように書いてください。
衣装などにこだわりがあれば、それもあわせてご記入ください。
衣装とアイテムの持ち込みについて
塔に召喚されると、衣装もファンタジー風に変わります(まれに変わってないこともあります)
もちものは、そのPCが持っていて自然なものであれば、ある程度持ちこめます。
※【星幽塔】シナリオのアクション投稿時、作物・装備品アイテムを所持し、
【アイテム名】、【URL】を記載することで、
シナリオの中で作物(及びその加工品、料理など)・装備品を使用することができます。
※URLをお忘れなく!!!
※オーダーメイド装備品について
鍛冶工房のトピックを経る(またはシナリオなどで得る)場合のみ
アクション冒頭で指定した星の力とは別に、装備品固有の《特殊効果》が認められます。
アイテム説明欄に、トピックでの完成時の書き込みURL・シナリオ入手時のURLを記載してください。
例:http://rakkami.com/topic/read/2577/2116
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!