浮いている。
「これはまいったな」
旅鴉 月詠は浮いていた。ふわふわ、ふわふわ。際限なく浮かび上がっていく。まるで重力が反転してしまったかのようだ。
ひとまず街灯のてっぺんにつかまり、浮遊を止めた。放っておけば際限なく空へ舞い上がっていってしまいそうだ。
「ふむ。神魂の影響か」
下を見ると、道行く人々の中には物珍しげに空を見上げる者もあれば、まったく気づいていない者もいる。いつもの日常がありながら、一部の者が浮遊の憂き目にあっているようだった。
「さて、このまま空中遊覧とシャレこむのもいいが。果たして戻って来られるのやら」
「へえ~、面白いねえ~」
逆さまにひっくり返った体勢のまま、際限なく浮かび上がるのに身を任せているのは、
黒白 滴。青い瞳で青い空を眺めて言う。
「このまま浮かんでいったら、どこまで行けちゃうんだろうねえ~? 天国まで飛んでいけるかな~? な~んて」
「まあ、死後の世界には行けるかもしれないが……」
成層圏を突破して宇宙にまで飛び出してしまったら、どうなるのだろう。やっぱり、空気がないのは苦しいだろうか? それとも案外、宇宙も居心地が良かったりするのだろうか。
見上げればはるか上空でアワをくっている人もいる。諦めか、あるいは神魂現象ゆえにそのうち解決するだろうと判断してか、滴のように自由な浮遊に任せている者も少なくない。
猫も何匹か、飛んでいた。
月詠は首を傾ける。
「本当に、そのまま飛んでいくつもりかね?」
「うん~」
滴はふわふわ、浮かんでいった。
さて、月詠はつかんだこの手を離すべきだろうか?
「宇宙<ソラ>へ……か」
というわけで、あなたの身体もまたふわふわと、浮かび始めたところである。
なんとか浮かび上がるのに耐えるのもいい。あるいは浮遊に身を任せ、遊覧飛行を楽しんでしまうのもいいだろう。
見上げれば、青い空に浮かぶ大きな白い雲の塊があった。真ん中にぽっかりと穴があいた雲はまるで、天国へ続く扉のようにも見えた。
こんにちは、高城ヒトです。
旅鴉 月詠さん、ガイドへご登場いただきましてありがとうございました!
ご参加くださる際は、自由にアクションをおかけください。
概要
神魂の影響で重力が反転し、身体がどんどん、空へと浮かび上がってしまいます。
上昇のスピードは比較的ゆっくりではありますが、そのまま登っていけば、
やがて宇宙空間にまで到達してしまうでしょう。
ただ神魂のおかげか、どこまで浮かんでも普通に呼吸はできますし、
寒さで凍り付いてしまったりはしないようです。宇宙に飛び出しても大丈夫。
不思議な現象に慣れている方は、「あ、またいつものやつだな」と分かるかもしれませんし、
時間の経過で解決するものだと判断できるかもしれません。
寝子島に来たばかり、また不思議な現象には慣れていない方は、
慌てたりパニックになってしまうかもしれません。
必死に抵抗して、どうにか浮かび上がらないように頑張るもよし。
割り切って浮遊を楽しみ、高高度からの眺めを堪能するもよし、です。
<空にあるもの>
たまたまそこに浮かんでいたのか、あるいは神魂の影響で現れたのかは分かりませんが、
空には案外、いろんな物があったり、いろんな生き物がいたりします。
交流してみるのはいかが?
・雲の国
大きな雲の塊の中に、なんとびっくり、大きなお城が。
中には人が住んでいて、自給自足の生活をしているようです。
不意に訪れたあなたを珍しがって、歓迎してくれることでしょう。
・フウセンクジラの群れ
風船みたいにぷっくりふくらんだ、空を泳ぐクジラたち。
人懐っこくて、あなたを見かけると寄ってきます。
ぷにぷにのヒレに掴まらせてもらえば、いっしょに泳いで遊べるかも。
・通りすがりの宇宙人家族
父、母、兄、妹の宇宙人一家。ステレオタイプな円盤型宇宙船で飛んでいます。
あなたを見かけると、親切に声をかけてくれます。
そのまま地球上を遊覧飛行。最後は寝子島に送り届けてくれるでしょう。
・猫たち
風にまかせて漂っていたり。浮かんだまますやすや寝ていたり。
あわててじたばたしていたり。
その他、自由な発想でアクションをおかけください。
空に住む怪物とバトル、彼氏彼女とふわふわデート、なんてのもOK。
NPCについて
・黒白 滴
気ままに浮かんでいます。声をかければ一緒に行動してくれるでしょう。
のんびりふわふわ、一緒にどこまでも飛んでいくのも良いかもしれません。
その他、登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、口調などのキャラクター設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いてもらえれば大丈夫です。
以上です。
どなたでもお気軽にご参加ください!